こんにちは、葛西飛鳥(@kasai_asuka)です。
あるチームでは人が成長し、あるチームでは人がどんどん辞めていく。そんな光景を一度は見たことがあるのではないでしょうか?
最近どうすれば組織が成長し、大きな成果をあげれるかや、どういう組織になってしまうと組織を辞めたいという人たちが出てくるのかを考えることがあります。
そんな時、あるマトリックスで組織の状態を考えると人を成長させたり、人がやめたくなる状況を把握できることがわかりました。
そこで今回は人を成長させる組織とそうでない組織の違いを説明したいと思います。
まずはこちらをご覧ください。
縦軸が「心理的安全性」で、横軸が「経験の有無」です。
「心理的安全性」という言葉が少し難しいですが、「心理的安全性が高い状態」がどんな状態かというと「組織の中で思ったことを発言したり自分をさらけ出しても、職場での人間関係を損なうことはない」というような状況です。
「経験の有無」は自分が行う業務の経験があることかないかということです。
この2軸で組織を見ると、組織の状況が4つに分類されます。
・ボウリングゾーン
・パニックゾーン
・コンフォートゾーン
・ラーニングゾーン
ボーリングゾーンは「心理的安全性が低く」「経験のある」仕事をしている状態です。
これがどういう状態かというと、組織から信頼されず、ただやったことのある仕事をこなしている状態です。
この状態はかなりつまらない環境で、このゾーンにいるメンバーは退職予備軍に属します。
また、多くの中途入社の人はボウリングゾーンから仕事をスタートするので、ボウリングゾーンからコンフォートゾーンへ行くのか、パニックゾーンに行くかで離職率が変わります。
ボーリングゾーンの「心理的安全性が低く」「経験のある」状態から「心理的安全性が低く」「経験のない」状態に移行するとパニックゾーンになります。
パニックゾーンとは具体的に組織から信頼されずに未知の領域に挑戦している状態で過度なストレスがかかります。心の拠り所がなく、仕事も不慣れな状態で仕事をするとうまくいかない場合が多く、パニックゾーンに長くいる社員の多くは退職か休職のどちらかを選択している気がします。
逆にボーリングゾーンの「心理的安全性が低く」「経験のある」状態から「心理的安全性が高く」「経験のある」状態をコンフォートゾーンといいます。
コンフォートゾーンは一見すごい良い環境のように聞こえますが、あまり良い状態ではありません。
コンフォートゾーンを具体的にいうと、自分の経験のある領域で組織から信頼されているので、仕事が難しくなくストレッチがかかっていない状態です。
成果でいうとある程度の成果が出るが、大きな成果が出ない状態です。
人が最も成長するベストな状態は「心理的安全性が高く」「経験のない」状態のラーニングゾーンです。
これがどういう状態かというと、組織から信頼されていて、自分の経験のない未知の領域に挑戦している状態です。
ラーニングゾーンはコンフォートゾーンから移行することができますが、パニックゾーンからコンフォートゾーンへ移行することはできません。
なので、まず人を成長する組織にしたい場合は「心理的安全性が高い」を作る必要があります。
では、どうすれば「心理的安全性が高い」状態を作れるのでしょうか?
まず横の繋がりを強めるという点でチームランチは心理的安全性を高める施策としてとても優秀です。
理由はメンバーのバックボーンを知ることができるからです。相手の家族構成や趣味、土日に何をしているかなど仕事以外のことを聞くことで相手を知ることができるからです。
こうしたバックボーンの共有をすることによって、自身が受け入れられていると感じられ「心理的安全性が高い」状態を作ることができます。
逆に「ランチ」に行こうと誘った時に、気まずい空気が流れる場合は「心理的安全性が高い」状態を作れていないことが多いです。
またマネージャーとメンバーとの間で「心理的安全性が高い」状態を作るのに効果的な施策は「1on1 ミーティング」です。
「1on1 ミーティング」とはマネージャーがメンバーと1対1で定期的に行うミーティングのことです。
「1on1 ミーティング」の目的は「メンバーの成長を促す」で、注意したいのは「マネージャーの進捗管理の時間」ではないということです。
ここを勘違いすると「1on1 ミーティング」の意味がありません。
「1on1 ミーティング」の話す内容としては、メンバーのその時話したいことを話させることが大切で上司の聞きたいことではありません。
また、「1on1 ミーティング」で大切なポイントは以下です。
・メンバーに十分話してもらう、話は最後まで聞く
メンバーの話を促進するような相槌などはOKですが、自分の意見を言ったりして話を遮らないことが大切です。相手を受け入れることで信頼関係が構築され、「心理的安全性が高い」状態を作ることができます。
最後に。
みなさんの組織はどの状態にありますか?
自分の組織の状態を把握することで改善案も変わってくると思います。
組織の状態を正しく把握することで、働きやすい環境を作っていきましょう