この世のあらゆる問題の解決策かのように吹聴され、企業名に"BlockChain"が入っているだけで株価が跳ね上がる、まさにドットコムバブルをそのままなブロックチェーンバブルの渦中において、言わずもがな一般企業のITシステムにもこの新技術が喧伝され始めています。
しかしアンドレアス・M・アントノプロスさんははっきりとこう言いました。
あなたのもとに誰かがやってきてこう尋ねたとします。
「私のビジネスにブロックチェーンは必要でしょうか?」
彼らに尋ねてください。
「あなたのビジネスに、オープンで、中立的で、ボーダレスで、誰もコントロールする人がいなくて、検閲に抵抗する何かが必要ですか?」
もし答えが「いいえ」なら、あなたが本当に必要としているのは、データベースです。なのでデータベースをインストールしてください。ブロックチェーンは必要ありません。
堅牢性を担保する目的とはいえ、遅いトランザクション処理と管理者不在の極端なオープンさは、現代のほとんどの企業にとってマイナスにしか働きません。
こうした問題を解決し、企業にとって本当に使いやすいブロックチェーンを提供しようとしているプロジェクトが、今回ご紹介するAERGOプロジェクト。
バックにはBLOCKO.incという韓国のブロックチェーン企業がおり、この会社のパートナーにはIBM、Amazon、Microsoft、SAMSUNGといった大企業が名を連ね、手がけるプロダクトは既にクレジット会社などいくつかの企業に対して、実際の導入実績があります。
プロジェクトの詳細は公式サイトにまかせるとして、僕が面白いと思ったのはそのトークンの配布方法。今の所、パブリックなICO・AirDropなどを一切行っておらず、トークンが欲しい参加者に求めたのは
貢献の形は
・SNSを利用したAERGOプロジェクトのプロモーション
・AERGOプロジェクト普及促進のためのコンテンツ作成
・AERGOサイト・ホワイトペーパーなどの翻訳
などなど、つまりはAERGOプロジェクトを世界の皆に伝えてください!一緒にコミュニティを盛り上げてください!その貢献度に応じて、トークンを報酬として支払います!というものでした。そもそも空からお金が降ってくる、そんなうまい話にはどこか裏がある、っていうか乞食はけぇれ!我々が与えるのはあなたの働きへの対価ですよという
それなりに堅いバックグラウンドを有したプロジェクトと、こうした話題性のあるトークン配布方法が功を奏し、現在のテレグラム登録メンバーは32,800人(2018年10月31日現在)RewarDropプログラムの開始後、連日100件以上のメッセージで大賑わいです。(主に、結果はいつでるんだ!遅いぞ!あいつのはOKでなんで俺のコンテンツは落選なんだ!?なんでもいいからはよトークンよこせ!等の苦情)
僕も公式FAQを翻訳して参加した所、無事に$250相当のAERGOトークンがゲットできました。
今後、このプロジェクトがどのように進行しトークンの価値が変動していくのか非常に楽しみです。
プロジェクト自体はどうでもよく、そのトークンの値上がりにしか関心のない人たちにやたらと無料でトークンを配布するより、そのプロジェクトを理解し、応援し盛り上げてくれる人たちに保有してもらうこのRewarDrop。これからの主流になる予感がします。
個人的にはBLOCKO(民間企業)とAERGO(オープン・プロジェクト)のあり方を、RedHatとLinuxになぞらえ、その成功戦略丸パクリで行くぜ!と高らかに宣言しているのも潔いというか、かえって将来有望で非常に面白いです。