オランダで家を探すのは大変だとは聞いていたのですが、まさかこんなに大変だとは思っていませんでした。
日本のように、不動産屋に行って条件を伝えると、いくつか探してくれて、車で回ってもらえる…なんてことはありません。
オランダでは移民がとても多く、常に住宅難の状況です。需要に対して供給が少ないため、完全に売り手市場となっています。
今後オランダで住居を探す方の参考になればと思い、私たち夫婦の家探しについてシェアしたいと思います。
今まで訪れたオランダの都市の中で一番気に入っていたロッテルダムに住むことを決意し、今年1年から家探しを始めました。
まず始めに、いくつかの物件検索サイトで探し始めました。私たちが利用したのは、下記3サイトです。
<オランダの物件検索サイト>
・Funda(無料)
・Pararius(無料)
・Kamernet(無料/有料会員あり)
オランダの賃貸住宅のタイプとしては、家具付き・家具なし・Shell(フローリングなど何もなしの部屋のみ)の3タイプがあります。
毎日新着が出るので、これらのサイトをチェックすることはもちろん、この他にFacebookの物件貸し借りのグループも見ていました。
気になるところは全てメールをしたのですが、返事がくるのは1割以下。内見までこぎつけるには、電話で問い合わせする方が確立が高いです。(中には自社の有料Webサイトへ登録しないと紹介してくれない不動産屋もあるので注意が必要です。)
内見はまさに争奪戦でした。「この日に見に行きたい」とこちらが決められるものではなく、決まった日時に、何組か一度に内見をします。多い時は20組ほどいて、まだビザもない外国人である私たちが選ばれるのは厳しい状況だと感じました。
「良いと思ったらすぐ決めた方が良い」とも聞いていましたが、応募しても「もう決まった」と言われるか、返事がないまま時が過ぎていきました。
無料の物件検索サイトで探し続けましたが、なかなか決まらなかったので、「Kamernet」の有料会員になりました。有料会員のみが見られる物件があり、そこで内見した所は他の内見者が4~5組だったので確率は上がった気がします。
全部で16件内見した中で、ついに1件、「Kamernet」の物件で大家さんから了承を得ましたが、それと同時に、友人がFacebookで探してくれた物件も了承を得て、最終的に後者に決めました。
オランダらしい長屋のレンガ造りの建物で、中はリノベーションしてあり、運河沿いなのでとても景色がよい所です。
私たちが内見を重ねてきて、下記のことが大切だと思いました。
<内見した物件が気に入ったら>
・内見の際に大家さんや仲介業者となるべく話し、印象を持ってもらうこと
・収入証明・物件の気に入ったところ・自分達について(清潔、隣人トラブルを起こさないなど)などを添付・記載したメールをすぐに送ること(できれば当日)
住居が決まったら、Stadhuis(市役所)で住民登録をしなければなりません。
直接行っても対応してもらえないので、事前のアポが必要です。私たちは市役所のWebサイトから予約をしました。予約は早くて2~3週間後しか取れないので、早めに取っておくことをお勧めします。(夫婦の場合でも1人ずつのアポが必要です。)
さて予約日の当日。以下の書類を持って、市役所に出向きました。
<必要書類>
・パスポート(一時滞在許可証スタンプ付き)
・賃貸契約書
・オランダ外務省のアポスティーユ認証付き戸籍謄本のコピー
・First Resistration申請書
書類に不備はなかったのですが、
まさかの大どんでん返しがありました…
「移住者の場合、オランダ企業からの雇用証明や、オランダ国内で半年以上ビジネスの実績などが無いと、このエリアでは住民登録ができません。」と言われ、住民登録ができなかったのです。
仲介業者も大家さんも知らなかった、ロッテルダムの新しい法律で、移民が急増している幾つかのエリアが、対象範囲となっているそうです。
主にロッテルダムの南側にその対象エリアが多いのですが、市役所で住所を問い合わせすると、対象範囲かどうかを教えてくれるそうです。
仲介業者の話によると、アムステルダムではそのような法律はないそうです。ロッテルダムで移住を考えられている方は、事前の確認が必要になります。
ということで、また1から家探しをすることになってしまいました。
元々契約していた大家さんが他の物件をいくつか持っていたので、そこを紹介してくれることになりました。
物件はStudioタイプ(1R)40㎡で、仕事用のスペースも確保するとなると、少し狭いかなという印象はありましたが、実際見てみると、新築で日当たりも良く、街の中心部からも近く、公園や港湾・美術館なども周りにあり、すっかり気に入ってしまいました。
家具付き物件ではなかったので、引越し当初は、システムキッチン(冷蔵庫・IHコンロ・オーブン・食洗器)以外は何も付いていない状態でした。
もちろん照明もなかったので、夜は1週間ほどキャンドルと懐中電灯の生活でした。照明の取り付け方も日本とは違っているので、また後日シェアしたいと思います。
日本のような敷金や礼金はありません。
大家さんによっては、1ヶ月~半年分の前払いが必要なこともあるそうです。家賃は毎月大家さんに直接支払います。
私たちの場合は、仲介業者に家賃の1ヶ月分を仲介手数料として支払ったのみでしたが、仲介業者を通さない場合もあります。
ロッテルダム市内だと、1ベットルームの50㎡くらいの物件で約1000ユーロ前後だと思います。(2019年5月現在、1ユーロ=約125円)
他の街とは少し異なると思いますが、オランダ移住を検討されている方の参考になれば幸いです。オランダの法律は頻繁に更新されているので、常に新しい情報をチェックする必要があります。
自力で探すのは大変なので、渡航前から代行業者さんに頼むのも一つの手だと思います。
家探しは大変でしたが、サバイバル力もアップし、今となってはいい思い出です。
周りをお散歩していると、ここに住めて本当に良かったと実感しています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。