仮想通貨市場の冷え込みを一層感じる季節となっていますが、「區塊鏈元年(ブロックチェーン元年)」を迎えていると言われている台湾では、バラエティ豊かな仮想通貨取引所が開設され、台湾発のさまざまなプロジェクトによるトークンが上場されていて、少しずつ市場の開拓が進んでいるように感じます。
なかでも、以下の記事で取り上げた台湾発のプロジェクト「Mithril」が発行しているトークン「MITH」は積極的に取引所への上場を進めています。
Mithrilの公式ウェブサイトによれば、「MITH」トークンはすでに26か所の取引所への上場を果たしています。
そして今回、27番目の上場取引所となったのが、あのBinanceです!
(ALISではもうすでに、昆布森ちゃんさんが記事にされています。さすが早い!)
実は、MITHのBinance上場には若干の紆余曲折があったようですので、その点も踏まえて、少し書き留めておきたいと思います。
(なお、記事には取引所に上場されるトークンに関する情報が含まれていますが、投資に関する情報を提供するものではありませんし、投資を勧めるような内容ではありません。投資は自己責任でご判断ください)
・MITHがBinanceに上場!
・MITHのBinance上場は一度失敗している⁉︎
・プロジェクトが前に進んでいくかどうか?
2018年11月15日にBinanceの公式Twitterは、新たな上場銘柄として「MITH」がリストアップされたことを公表しました。
同時に、詳細な銘柄情報を掲載している「Binance Research」に「Mithril(MITH)」のレポートが掲載されています。
記事執筆時点で、MITH/BNBとMITH/BTCのペアが上場されています。
価格は、ビットコイン建で上場直後は1MITH=0.00004666BTC、11月16日0時から1時の時点で1MITH=0.00003950BTCから0.00004000BTCの間で推移していて、24時間の取引量は649.46BTCとなっています。
Mithrilのプロジェクトについては、冒頭に挙げましたLiquidに上場した際に書き留めた記事でまとめましたので、そちらをご参照いただければと思いますが、Binance Researchのレポートには、以下のようにまとめられています。
Mithrilのエコシステムに参加し貢献するコンテンツクリエイターとコンシューマーにインセンティブを与える分散型ソーシャルネットワーク
(A decentralized social network incentivizing content creators & consumers to participate & contribute to the Mithril ecosystem.)
具体的なサービスとしては、写真・動画シェアアプリの「Lit」とウォレットサービスの「VAULT」が提供されています。
今回の上場については、台湾の経済紙「工商時報」の公式サイトやビジネス系ニュースサイトの「數位時代」などで報じられています。
台湾発のプロジェクトによるトークンが世界最大の取引所に上場されたということで、注目が集まっていることがうかがえますね。
MITHのBinanceへの上場は今回が初めてですが、実は上場されるチャンスが2018年7月にありました。
それは、“Voting Opens for Community Coin of the Month” というユーザー投票によるトークン上場キャンペーンのRound 8にMITHがリストアップされた時のことです。
この時の投票の経緯と顛末については、台湾のネットニュースサイト「INSIDE」に記事が上がっていますが、投票の結果、MITHは圧倒的な得票数で1位となったのですが、結果的に上場されたのは、得票数第4位の「Polymath(POLY)」でした。
この措置については、途中経過の時点で「COINPOST」の日本語記事としてもまとめられていましたが、MITHを含む上位3銘柄に不正投票があったことが原因ではないかとされています。
真相は明らかにされていませんが、この時に上場のチャンスを逃したMITHは、わずか4か月足らずで上場を実現したということになりますね。
MITH上場を伝えるBinanceの公式リリースには、今回の上場を記念してMithrilはBinanceのBlockchain Charity Foundationに20,000BNB(記事執筆現在のレートで約1,800万円!)を寄付したと書かれています。
台湾のメディアには、今回のBinance上場がMithrilの創業者である黄立成さんの「半年以来の宿願(半年以來的宿願)」と報じている記事もありますので、MithrilがBinance上場に力を入れていた様子がうかがえますね。
MithrilはMITHトークンの上場を非常に積極的に進めているので、却って「プロジェクトは大丈夫なのか?」と思う向きもあるかもしれません。
プロジェクトとしては、上に挙げたような具体的なサービス提供が始まっていますし、中華圏に多くのユーザーを持つライブ配信アプリ「17Live」と提携することで、コミュニティ形成も進んでいる感触があります。
もちろん、現在進んでいるサービスが上手くいくかどうか、取引所へのトークン上場が相乗効果を生むことができるかどうか、これからの展開がどのようになるのかということを予想するには、慎重にならざるを得ません。
ただ、今回のMITH上場は、Binanceで初めての台湾発のプロジェクトが発行するトークン上場だということで、台湾では注目を集めています。
プロジェクトがこれからどう展開していくかということに、これからも注目していきたいと思います!