もう数年前のことになりますが、仕事関係で香港に足繁く通っていた時期がありました。
仕事の内容は資料調査やインタビュー調査が中心で、香港の教育機関や社会福祉施設、宗教施設などに出入りしていました。
なかでもよく通ったのが、世界的にも名前の知られている「香港大学」です。
香港大学は香港島の小高い丘の上にあって、建物が複雑に入り組んでいます。
地図で見てみると、こんな感じ。
そんな複雑かつ広大なキャンパスを歩いていると、学生食堂が入っている建物の中庭にあるモニュメントが目に飛び込んできました。
吹き抜けを貫くようにそびえ立つ、人々が折り重なったモニュメント。
その台座に書いてある文字を見て、「あぁ、そうか…」と唸りました。
手が震えて、ちゃんとした構図で写真が撮れませんでした。
数年前に撮ったこの写真のモニュメント。
2019年6月4日の香港の様子を伝えたニュース記事にも掲載されていました。
30年。
あの時、あの場所に、僕が知る友人はいませんでした。
ですが、30年経って、今、この香港の街並みのなかには、僕の親しい友人がいます。
きっと「顔が見える」からこそ、30年前の出来事は「30年前」で止まっているのではなく、それはまさに「今」起こっていることなのかもしれないな、と思います。
僕は、香港の友人の「祈り」に「祈り」を重ねることで、そうした「今」につながっているんだなと感じました。
祈りの想いが、消えませんように。