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台湾でブロックチェーンの活用を含めた「スマート政府」の計画が発表されたそうですよ

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  • kaz
  • 2018/12/29 20:06
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ブロックチェーンの活用が広がっていくためには、様々なサービスが開発されることはもちろん大切ですが、大きな規模で導入が進んでいくことも大事ではないでしょうか。

そのひとつの方法が、行政機関への導入による「スマート政府」、「スマートシティ」の実現かなと思います。

台湾では台北市がIOTAと提携する形でいち早く「スマートシティ」の実現を標榜しているほか、高雄市や台中市でもそうした動きが表れてきています。



今回は、こうした地方行政への導入ではなく、中央政府の動向として「スマート政府」実現に向けた方針が示されましたので、少し書き留めておきたいと思います。


もくじ

・國家發展委員會が「スマート政府計画」を公表

・ブロックチェーンの位置づけは?

・中央政府での動きが一気に進む?


國家發展委員會が「スマート政府計画」を公表

台湾の報道機関「中央通訊社」の公式ニュースサイトに2018年12月27日に掲載された記事によると、内政に関わる方針を示す「國家發展委員會(國發會)」が行政院で「スマート政府計画(智慧政府規劃)」について公表したそうです。

この報告を受けて、行政院のトップである行政院長の賴清德さんは以下のような発言をしたようです。(記事の写真が賴清德さんです)

この報告は台湾が国際的な動きと歩調を合わせて政府のデジタル化を進めていく重要政策を加速させ、AIなどの新たな技術を使って、意思決定の質を最適化し、次世代のスマート政府の官民協力ガバナンスモデルを構築し、より革新的で速やかなサービスを実現し、さらに透明性の高いガバナンスを持った政府を体現する。
(這項報告是台灣加速與國際同步推動政府數位轉型的重要政策,運用人工智慧等新興科技,優化決策品質,建構下一世代智慧政府公私協力治理模式,進而帶來更創新便捷的服務、體現更透明治理的政府。)

記事では、行政院での報告後に開催された記者会見で、國發會の主任委員である陳美伶さんがエストニアの事例などを挙げながら、「デジタルIDカード(數位身分識別證、New eID)」の実現を目指していくと説明したようです。

この点についてはさらに具体的に、國發會の発言として以下のような内容に言及されています。

2020年にはデジタルIDの全面発行、総合的なスマートサービス、行政プロセスの縮減、各種の検査の省略、市民の政府に対する申請の80%オンライン化、および電子投票(非ネットワーク投票)の推進などの目標を実現することを目指す。
(期在2020年達到包括全面發行數位身分識別證、全方位智慧化服務,縮短行政流程,各項核銷免檢據、民眾對政府各項申請80%線上服務,以及推動公投電子投票(非網路投票)等目標。)

「スマート政府」の実現に向けた具体的な方策を、まずは2020年までに展開していくことが目指されているようですね。


ブロックチェーンの位置づけは?

今回の計画については、行政院の公式ウェブサイトにも掲載されていて、プレゼンテーション資料も公開されています。

資料によれば、1996年から進めてきた「電子化政府」の動きをより発展させる形で、2019年から2025年の6年間で「スマート政府(智慧政府)」を実現していく予定となっているようです。

スマート政府実現のために活用される技術として、「IoT(物聯網)」、「ブロックチェーン(區塊鏈)」、「AI(人工智慧)」、「クラウド(雲瑞)」が挙げられています。

このうちブロックチェーンは、行政機関の資料管理を担う「データ交換基幹ネットワーク(資料交換骨幹網路)」(T-Road)を支える技術として位置づけられています。

この「T-Road」は、上の記事で言及されていた「デジタルID」と合わせて「基礎インフラ(基礎架構)」を構成するものだと説明されていますから、ブロックチェーンは「スマート政府」実現のための基礎的な技術として捉えられていることがわかりますね。

ただし、台湾のデジタル系ニュースサイト「iThome」に掲載された記事によると、ブロックチェーンを活用したアプリの具体的なローンチ時期については言及されていないと指摘されています。

具体的な技術開発についてはこれからの展開にまつところが大きいのかもしれませんが、まずはタイムスケジュールが設定されたという点で、前向きな動きとして、これからの展開に期待したいと思います。


中央政府での動きが一気に進む?

冒頭でも少し触れたように、台湾ではこれまで地方行政の単位でブロックチェーンなどの技術を活用した「スマートシティ」の実現が模索されてきました。

既存のシステムに新たな技術を導入する場合には、なるべく小さな単位から始めていったほうが上手くいくのではないのかなと思っていたので、地方での動きが先行するのは自然なのかなと思っていました。

ただ、エストニアでの「電子政府」の実現が証明しているように、「小さな単位」という時のサイズ感については検討の余地があるのかもしれません。

台湾での行政機関におけるブロックチェーン導入は地方行政から広がっていくのかなと思っていましたが、ここにきて中央政府の動きがはっきりと示されたことで、思わぬ形で幅広くブロックチェーンの活用が進んでいくのかなと感じました。

政治的な動きと連動するところがあるので、実際の導入がどのように展開していくのか不透明なところがありますが、具体的なタイムスケジュールが示された意味は大きいのではないかなと思います。

これからの行政の動きにも注目しながら、ブロックチェーンの普及がどのように進んでいくか、コツコツと情報を追いかけてみたいと思います!

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公開日:2018/12/29
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本職のフィールドである台湾・香港・中国の情報を中心に、自分が「面白いな!」と思ったことを記事にしています。Twitter: @kazALIS2

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