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台湾の普鴻資訊は金融業へのブロックチェーン技術導入をサポートしながら銀行設立も考えているようですよ

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  • kaz
  • 2018/11/28 16:22
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(台北の若者が集まる繁華街、西門町の紅樓。ライトアップが綺麗ですよ)

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仮想通貨に代表されるように、ブロックチェーンをいかに活用するかというところに多くの注目が集まり、その可能性が様々に議論されていますね。

ただ、ブロックチェーン自体は「分散型台帳技術」とも呼ばれるように、基本的な技術そのものが一般的に表立って注目されることは少ないように感じます。

一般的にはブロックチェーン上で稼働しているということを感じなくても使えるようなサービスであればそれで良いと思いますが、そのサービスを支える技術を開発している企業が数多く存在していることにも注目できたらな〜と感じています。

今回は、台湾でそうした基礎的な技術を提供している企業の動きが目に留まりましたので、記事として書き留めておきたいと思います。


もくじ

・普鴻資訊は台湾で唯一のR3技術パートナー?

・普鴻資訊が注目されている理由は?

・基層技術の発展が社会実装の度合いを左右する?


普鴻資訊は台湾で唯一のR3技術パートナー?

台湾のビジネス系ニュースサイト「數位時代」は2018年11月28日に、金融決済システムの開発を中心に、フィンテックにかかわる事業を展開している台湾の「普鴻資訊」の董事長である林群國さんのインタビュー記事を掲載しています。

記事のなかで、普鴻資訊は以下のように説明されています。

普鴻資訊は台湾銀行の金融決済のシステムインテグレーションであり、また、ブロックチェーンコンソーシアムのR3が昨年台湾に来た時の唯一の協力パートナーでもある。
(普鴻資訊是台灣銀行金融支付系統整合龍頭,也是區塊鏈聯盟R3去年來台合作唯一夥伴)

普鴻資訊の公式ウェブサイトによると、普鴻資訊は2000年に創業され、中心事業は「決済アプリ(支付應用)」、 「金融アプリ(金融應用)」、 「情報セキュリティ(資訊安全)」、「アウトソーシングサービス(委外服務)」の4つを展開しているということです。

また、R3については以下の記事に少し書き留めていますが、国際的なブロックチェーン金融機関コンソーシアムである「R3コンソーシアム」を運営する企業であり、コンソーシアムには世界中の200を超える金融機関が参加しています。

「數位時代」の記事によれば、R3は金融機関におけるブロックチェーンの導入を積極的に推進するなかで、台湾の動きにも注目しているそうです。

こうした状況のもと、林群國さんはR3が普鴻資訊に対して、「金融決済に対する十分な理解(對金融支付行為有足夠瞭解)」、「上場企業(上市櫃企業)」、「情報セキュリティに熟知していること(熟悉資訊安全加密)」の3点を期待していると述べたうえで、ブロックチェーンの可能性について、以下のように説明しています。

普鴻は現在、R3で唯一の台湾にある技術サービス企業だが、彼(林群國さん)は将来的にはまだアプリシーンを探し出すことでブロックチェーンアプリの導入を加速させることができると考えていて、実験的なものを除いて、銀行業には中央銀行があり、分散式台帳の考え方がとは相入れないことがあり、導入の難易度はなお高く、努力を進めている段階であるということである。
(儘管普鴻現在是R3唯一在台技術服務商,他認為未來還是要找出應用場景才能加速區塊鏈應用導入,而除實驗性,他認為銀行業有央行,跟分散式帳本精神有出入,導入難度仍高,還在努力中。)

技術的な側面に精通した企業のコメントとして、冷静に技術開発のレイヤーを意識しているような印象を受けますね。


普鴻資訊が注目されている理由は?

ブロックチェーンの普及には慎重な姿勢を示している普鴻資訊ですが、事業をめぐって注目度が上がっています。

まず、2018年12月下旬を目処に、株式上場(掛牌上櫃)を予定しているということが一番注目されています。

この「中央通訊社」の記事のなかでは、普鴻資訊の主な顧客として、台湾銀行、中国信託商業銀行、合作金庫銀行、台北富邦銀行、DBS銀行(星展銀行)、シティバンク(花旗銀行)など、台湾内外の大手銀行の名前が挙がっていて、堅実な技術と実績が評価されているといえそうです。

また、台湾の大手紙「自由時報」のニュースサイトの記事によれば、昨年、普鴻資訊が85%の株式を所有する子会社の「捷智商訊」が政府の外郭団体である「財団法人工業技術研究院(工研院)」と提携し、マネーロンダリング防止技術にAIを導入する計画を進めているということです。

マネーロンダリング防止は台湾の金融界でも対応が模索されている分野で、仮想通貨取引をめぐっても具体的な法整備が進められています。

さらに、はじめに挙げた「數位時代」の記事には、普鴻資訊が2019年にネット銀行の認可を得るために準備を進めていることが言及されています。

認可を管轄する「金融監督管理委員會(金管會)」が2019年5月にネット銀行の認可を2枠準備しているということで、その獲得を目指しているということです。

日本ではLINEが銀行設立を発表したところですが、ブロックチェーンやAIの技術的な基盤を持つ企業が金融業への進出を目指すというのはトレンドになりつつあるのかもしれませんね。


基層技術の発展が社会実装の度合いを左右する?

普鴻資訊はフィンテックの分野ですでに多くの大手金融機関に技術提供を展開していて、金融機関へのブロックチェーンの導入についても大きな役割を担うことが期待されています。

ただ、普鴻資訊自体は技術開発を担う企業として、華々しい可能性を語るのではなく、実直に「今できること」を見据えながら慎重に事業展開を進めているような印象を受けました。

ブロックチェーンに対するそうした慎重な姿勢を保ちつつ、多彩な企業や団体と提携をしながら、技術活用の可能性を広げていくような事業展開を考えているようです。

技術とサービスがしっかりと結びつきながら事業を展開していく姿勢がうかがえ、これからどのように事業が広がっていくのか…楽しみが広がっていきます。

これからの具体的な動きをコツコツと追いかけていきたいと思います!

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公開日:2018/11/28
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本職のフィールドである台湾・香港・中国の情報を中心に、自分が「面白いな!」と思ったことを記事にしています。Twitter: @kazALIS2

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