やあジョシちゃんです!
怪談が大好きな私ですが、ホラー映画は見るのに時間がかかるし、なんか呪怨以降似た感じのものばかりのアイドルの登竜門みたいになってる気がしてあまり最近観てませんでした。そんな中ネットで評判が良かった「来る」を時間があったのでアマプラで観てみたところ、すげー面白かったので紹介したいと思います!!!
「来る」は2015年第22回日本ホラー大賞を受賞した澤村伊智先生のデビュー作「ぼぎわんが、来る」を、「嫌われ松子の一生」「告白」「渇き。」の中島哲也監督が映画化した作品です。原作と映画では内容に異なる部分があるそうですよ。
ストーリー
オカルトライター・野崎のもとに相談者・田原が訪れた。最近身の回りで超常現象としか言いようのない怪異な出来事が相次いで起きていると言う。田原は、妻・香奈と幼い一人娘・知紗に危害が及ぶことを恐れていた。野崎は、霊媒師の血をひくキャバ嬢・真琴とともに調査を始めるのだが、田原家に憑いている「何か」は想像をはるかに超えて強力なモノだった。民俗学者・津田によると、その「何か」とは、田原の故郷の民間伝承に由来する化け物「■■■■」ではないかと言う。対抗策を探す野崎と真琴。そして記憶を辿る田原…幼き日。「お山」と呼ばれる深い森。片足だけ遺された赤い子供靴。
先におおまかな感想を述べます!個人の感想なのでもし違う印象を抱いた方はすみません!ホラー映画の流行でいうと昔は「13日の金曜日」をはじめとしたスプラッタ・パニック系のホラーが主流でしたが、「リング」「呪怨」以降はジメーッとした時々びっくりさせる系に以降していった印象を個人的に抱いています。「来る」はその両方の要素を併せ持ち、ホラーをエンターテインメントに消化した作品で、ホラーなのに笑えるシーンもちょいちょいあり、緊張と緩和の使い方もうまく、ラストはジャンプ漫画のような熱いバトルが繰り広げられる金曜ロードショーとかでもぜひ放送してほしい作品だとと思いました(ちょいちょいグロいので無理だけど)。
ここから下には「来る」の魅力を箇条書きで書きますが、ちょっとしたネタバレを含む可能性があるのでまだみたことない方はご注意ください!
ストーリーの序盤はホラー要素も少なく田原夫妻(妻夫木・黒木)が結婚し幸せになっていく過程を見せられるんですが、この前半部分も幸せは幸せなんですが不穏な空気というか、どことなくイラつくように演出されている感じがあります。そこから一気にホラーに巻き込まれていくわけですが、安心できるシーンかと思ったら突然絶望的になったり、いい人と思った人が悪人だったり、緩急のつけ方がうまく、ジェットコースターのようにストーリーが進むので、2時間以上あるのですが飽きずに観ることができました。私はこの映画を前情報なしに見て、田原家が周囲の力を借りて怪異と立ち向かい家族愛を深めていくような映画だろうなあとぼんやり見ながら考えていたのですが、思いもよらぬ結末になったののもポイント高かったです。
また「ホラー」と「笑い」は紙一重という、オカルトファンならよく知られるフレーズがありますが、この作品でもちょいちょい笑かせにきます。霊感タレントの逢坂セツ子(柴田理恵)のテレビシーンとか、除霊の邪魔だからと比嘉琴子(松たか子)にワンパンKOされる野崎(岡田准一)とか怖いシーンでも思わず爆笑してしまうことが何度かありました。公式でも「どやさ」の今くるよとコラボしてたりその辺わざとやってるんだろうなと思いました。
物語のメインとなる5人の登場人物は「岡田准一さん」「黒木華さん」「妻夫木聡さん」「小松菜奈さん」「松たか子さん」が演じていますが、主役級の俳優・女優さんが揃っていますね!
特に個人的には妻夫木聡が演じる田原が良かったです。田原は外面はとてもいいけどみんなにその本性を見透かされているイクメンという役どころなのですが、イケメンなのになんかイライラして絶対に友達になりたくないタイプと思わされ、薄っぺらい男を演じさせたらナンバーワンじゃないかと思うくらい妻夫木くんははまり役でした。ただそんな田原もストーリーを通して見ると家族を守ろうとした気持ちや娘への愛は本物で意外と愛着わきました。
また松たか子さんは意外性ありすぎて誰だかわからず観てました(笑)。最強霊媒師の役なのですが、スマホでスト2やってたりちょいちょい庶民性あるところがよかったです。あと比嘉琴子(松たか子)が画面に出てる時の安心感がすごいです。寺生まれのTさんかよって思うくらい安心感あります。漫画ワンパンマンに出てくる戦慄のタツマキ感ありますね。
あとメイン以外だと霊感タレントの逢坂セツ子(柴田理恵)も印象深かったです。どのキャラクターも2面性があり、脇役にいたるまでそれぞれストーリーがありそうなところが良かったです。
「来る」はホラー苦手な人にもおすすめですが、怖いところはちゃんと怖いです。来るにでてくるアレ(ぼぎわん)と呼ばれる怪異は基本的に田原の実家近くの山に住んでおり、たまに田原家にちょっかいかけに来るような感じなのですが、序盤単なるポルターガイストやろwwと舐めプした人々を返り討ちにしていき、実はある種の神レベルに強い存在であることが明らかになっていきます。どんどん事態が理不尽に悪化していくので絶望感がしゅごいです。個人的に一番怖くて好きだったシーンは映画冒頭と劇中に二回シーンがある一家の主、田原とアレの対決シーンです。家族を守るために一人家に閉じこもり、最強霊媒師の比嘉琴子からの電話の指示で部屋で迎え撃つ準備を整える田原。いよいよ準備万端で招き入れる瞬間にかかってくる一本の電話‥。電話をかけてきた相手は自分が今携帯で話している比嘉琴子だと名乗る‥。いったいどうなってしまうのか!??ハラハラドキドキでした。
そしてホラーといえばおばけや怪異以外にも怖い存在がいますよね!そう!人間です。ストーリーが進むにつれてどんどん人間の本性が明らかになっていきます。前半部分に貼られた伏線が解消されるにつれ、娘の千紗ちゃんを巡る環境が悪化していき、ジメーッとした後味の悪さを感じるようになっていきます。娘の千紗ちゃんはかわいい女の子なんですが基本ほとんど泣いてるのも子を持つ親世代としては嫌な気分になりますよ‥。
ちなみにぼぎわんにはあの貞子もビビるらしいです(笑)
最終的には事態を収集すべく最強霊媒師の比嘉琴子がアレと直接対決をすることになります。政府中枢にある琴子のコネクションを利用して、周辺一帯を封鎖したり、全国各地から仲間の有能霊媒師を集めてくるのですが、アレも曲者なので霊媒師が来る前に逆に撃墜していきます。この辺りのシーンの名もなきキャラの強キャラ感が熱いです。特に新幹線で移動してくる神主たちがイヤな予感を感じてバラバラに移動し「生きてたらまた会おう」というシーンがジャンプ味溢れてて最高でした。ゆた、神主、お坊さん、女子高生巫女、そして逢坂セツ子まで勢揃いで迎え撃つシーンはあまりホラー映画では見られないエンターテインメント感あり、これまでの不安や恐怖が和らいでいく感じがあって良かったです!そして最後の結末も意外性があり!
以上、簡単ではありますがホラー映画「来る」の感想です。なにかオススメのホラー映画などあればぜひ教えてください!!