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日本のキャッシュレスの現状に思うこと

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  • kentylog
  • 2022/05/07 06:22

1.はじめに

日本のキャッシュレス比率は世界各国に比べて低いと言われる。
2020年時点では29.7%と10年前から比べてると倍になっているが、
先進国各国の平均は40~60%という中でみるとやはり低い。

特に隣国の中国と韓国では特に進んでおり、
中国で約80%、韓国に至っては95%となっている。
(本当とかなと疑ってしまう程の数値だ。)

今回はこの現状を踏まえ、キャッシュレス化に対する思い
を文章にしていく。

2.きっかけ

そもそも、私がキャッシュレスに対して興味を持ったのは、
オランダに行った際での出来事が関係してくる。オランダはEU圏内で英国などに並びキャッシュレスが普及している国の一つだ。

その街の中でも大きいスーパーに行ったのだが、そこでは買い物カートに商品をスキャンすることができる機器が備え付いてあり、買い物カートに商品を入れるタイミングで、スキャンをするというものだった。

支払いは、商品を選び終えた後、店舗を出る前のゲートにカードをかざす(or カードを差し込む)ことで済ませる。

顧客の利点としては、
・レジに並ぶ必要がない。
・金額が事前に分かる。 と利便性の向上が主であり、

店舗の利点としては、
・レジに人手を割かなくても良くなる というところだろう。

スーパーにも関わらず、接客をしている店員が多いと感じたのだが、
レジに人手を割く必要がなく、代わりに接客に力を入れているのかもしれない。

少子高齢化や、特に地方での働き手の不足が問題とされている日本において、
キャッシュレスの可能性に魅力を感じた瞬間であった。

日本でもセルフレジなども増えているが、
レジで決済をするという概念が変わるまでには至っておらず、
新たな顧客体験はまだ生まれていない様に感じる。

こんなスーパーでの何気ない体験が自分の人生に大きな影響を与えるとは、、
人生分からないものだ。

3.日本の問題点

さて、本題に入ろう。
日本のキャッシュレス比率がなぜ低いのか。

理由は様々考えられるが、今回は店舗目線と消費者目線で一つずつ紹介する。

 

【店舗目線】

キャッシュレス決済の際に発生する手数料高さだ
これは一番の問題点と言っても過言ではない。

決済手段によっても変わるが、日本の平均的な手数料は3%前後と言われている。

1万円の売上に対して、現金だったら1万円がそのまま収益になるものが、
仮にクレジットカードで決済をされると、9,700円となるのだ。

粗利が低い業種、スーパーやドラックストアなどでは、特にこの手数料がネックとなるケースが多い。

めっちゃクレジットカード会社儲かってるのでは、、
と思われるのだが、一概にそうとも言えない。

クレジットカード会社(アクワイアラー)は手数料が全て収益になるわけではなく、ここから、
・消費者が利用したクレジットカード発行業者への手数料(平均2%程度)
・VisaやMasterなどへのブランド利用料
・店舗の口座に売上金を振り込む際の振込手数料
・決済ネットワークの利用料
などがかかってくる。

このコスト構造全体を見直し、
店舗がキャッシュレスを導入し利用を促す流れを作らない限り、
どこかで頭打ちがくるだろう。

 

【ユーザ目線】

あくまで私の感覚的なものも含まれる点をご了承いただきたい。

今やクレジットカードを1枚も持っていないという人や、PayPayなどのQRコード決済を聞いたことがない人はほとんどいないだろう。

そして取扱可能な決済ブランドは店舗によるが、キャッシュレス決済を全く使えないという店舗の方が見かけることが少なくなった。
肌感覚だと、何かしらの決済手段が利用可能な店舗が7割といったところだろうか。
(地方に行くと5割程度の印象。)

認知はできていて、環境も整いつつある状況であるが、キャッシュレス比率は30%。

他国に目を向けると、キャッシュレス決済を活用すると所得控除が受けられたりと税金が安くなる(韓国の例)であったりと国が主導となり、推し進めたという背景があるが、日本の場合は「お金に対する価値観」が大きく関わり、キャッシュレス比率が伸び悩んでいるのではないかと感じる。

その価値観とは、「お金を持っていることに価値がある。」というものではないか。

お金は持っているというより、使えるということに価値がある。

現金は使ったら目に見えて減る。財布にあったものが無くなるのだから当然だ。
ただ、クレジットカードだと使っても一時的には何も減らない。
(お金を持つことに意識があると、使用後、減るはずのものが減らないということに対して奇妙な感覚があるだろう。)
加えてクレジットの場合、支払いが、いわゆる借金に近いものとなり、
借金に対しての、「悪」というイメージプラスがつきまとう。

2019年〜2020年の期間でキャッシュレス・ポイント還元事業があった。
これにより、店舗・消費者共にキャッシュレス決済を利用するきっかけになったことは間違いがない。ただ、もちろんその短期間だけではお金の価値観まで変えることは難しい。

「お金は使えることに価値がある。」となれば、その手段はより便利で管理が容易いものに寄っていくのではないか。

4.最後に

オチのない文章になってしまったが、キャッシュレスに関わる業界で働いている
日々の中で、感じることを書いてみた。

お金が好きであっても、嫌いであっても、お金と関わりを持たず生活することは難しい。

これからどのようなキャリアを歩むにしろ、お金について向き合った経験は
価値のあるものになることを願っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

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