教育・子育て

私の「お金が足りない不安」を解消してくれたのは、たった1つのことだった

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  • key-tadano
  • 2020/04/14 05:02
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私の一番の問題は「人生のお金が足りるのかどうか」だった。

必死にお金を貯めても、不安だけが渦巻いている。

「みんな一緒だよ」と言うけれど、みんなと一緒に足りなくなるなら不安でしかない。

いつも口を開けばお金の話。

周りの人も苦笑いしているのが分かるけれど、どうしようもない。

私自身を形作っているのは「お金」だった。

 

お金の不安が消えない

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遅くに結婚・出産したので、お金がないと本気で焦っていた。

さらに病気で職を失ってから、私がパートしかできなかった事もお金の不安に拍車をかけた。

 

毎日使ったお金を記録して、今月はいくら残った、来月はこれだけ残そう、って必死に計算していた。

一円単位で家計簿をつけて、使徒不明金が1,000円を超えると必死で出どころを探した。

家計簿をぴったり合わせてもお金が増える訳じゃないと言うけど、無駄なものは見えてくる。

生きるのにいらない出費は限りなく減らした。

 

子どもの洋服はほぼもらいもの。

みかねた両親が買ってくれる洋服以外、3歳になるまで買ったことがなかった。

入浴剤もハンドソープも贅沢品に見えて、石鹸に変えた。

それでも毎月出ていくお金が惜しくて仕方なかった。

 

そんな生活を10年続けて、そこそこの小金を貯めることができた。

このまま行けば、子どもの教育費も多分足りるし、老後もつつましやかに暮らせるというくらいのお金がある。

 

あまり人に言えないが、こっそり貯金額を言うとびっくりされ、それだけあれば大丈夫でしょ?贅沢しても良いじゃない、と言われる。

 

でもお金の不安が消えない。

毎日の食費が気になるし、電気代が気になるし、おもちゃ代が気になる。

このまま貯金を続けたら大丈夫だと頭では分かっているのに、心が不安になる。

 

お金に執着する理由

 

なぜ私がここまでお金に執着するのか、ある日分かった。

母だ。

 

母は節約家だった。

人には使うが、自分のためには一切使わない。

いつも最安値のものを買い、「迷った時は買わない」のが口癖だった。

外食は行ったことがなかったし、おもちゃは誰かのお下がりが普通。

 

そんな母がガンになったと分かった瞬間に、アパートを建てようとした。

以前にかけた自分の保険金でアパートの建築費を払い、毎月入る家賃を私と兄の教育資金に充てるつもりだった。

 

母は、自分が死んだら父が再婚すると確信していた。

なので、継母が子どもの教育費を出さなかった時のために、アパートが必要なんだと父を説得し続けた。

母は本気だった。

 

結局、アパート計画は頓挫し、母のガンは治った。

そして私には、自分の命よりもお金が必要だった母の姿が残った。

お金はいくらあれば安心?

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貯金は貯まったし、毎月増えている。

これだけ貯めれば大丈夫という目標額を、毎年更新し続けている。

そしてなぜか、お金が増えるたびに不安が増えた。

 

教育資金は大学費用まで貯めた。

でも、もし私立に行ったら?留学したら?一人暮らししたら?

貯めれば貯めるだけ、足りないお金が浮かび上がる。

 

老後資金は貯まった。

でももし失業したら?病気したら?火事になったら?

必要なお金が見えない。

 

目標額はどんどん増えて、いつまで経っても到達しない。

まるで長い長い階段を登っているようだ。

 

外食しても、旅行に行っても、いつも不安になる。

こんなに使って良いのか。これから足りるのか。

そう思って、つい最安値を選んでしまう。

 

夫に、君はお母さんに似ているねと言われて、なぜかショックを受けた。

 

母との決別

私は分かってなかった。

無意識に、母と同じ考えをしていたことに。

 

母からお金の貯め方は習ったが、お金の使い方を習ったことがなかった。

母は自分の服も買わず、旅行にも行かない人だった。

家で内職をして、ほとんど家から出ない生活をしていた。

 

旅行に行くたびに罪悪感があったのは、お金を使ったからではなく、お金を使わない母と違うことをしたからだった。

 

自分自身にお金を使うことは悪だと、母の背中が言っていた。

でも少しずつ、違和感は膨らんでいった。

 

お金の勉強をして見つけた答え

 

お金って貯めたら幸せになれるのか。

そもそもお金とはなんだろう。

 

そんな思いで、お金に関する本を読み漁った。

FPの貯蓄本や経営学の本、果ては自己啓発まで行き着いた。

 

そして分かった。

お金は、ただの紙切れだった。

 

お金で幸せにはなれない。

お金は目指す人生を達成するために必要な手段でしかない。

 

私の家庭では当たり前じゃなかった。

自分の人生にお金を使うなんて教えはなかった。

お金は貯めた人が偉い。使った人は悪い。

そう思っていた。

 

お金を貯めることより使うことを意識した

 

まず、お金の使い方を見直した。

 

お金を使うときに「高いか安いか」で買っていたが、それは違うと知った。

なぜなら、私の判断基準は「お金」だったから。

 

本当に判断すべき基準は「本当に欲しいかどうか」ではないか。

それが本当に欲しければ、高くても買って良い。

そんな基準に、少しずつシフトした。

 

最初は痛みがすごかった。

なんせ、「自分が本当に欲しい」ってどう言うことか分からなかったからだ。

欲しいって何?

可愛い服も雑貨も、安かったら買えるものじゃないか。

高いものは最初から欲しいって思ったことがなかったことを知った。

 

変な話だが、まずは自分の中の「欲しい」の感覚を見つけ出すのに苦労した。

一番のリハビリは、旅行だった。

 

ムダの塊から脱出した旅

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病気になったときに、元気になったら必ず行こうと思ってた場所がある。

ヴェネツィアだ。

 

本で読んだだけのその都市は、まるで生きてるように美しかった。

駅に降り立った時の感動は、今も覚えている。

 

水の音だけが響き、駅から流れていく船。

水の上に直接立ち上がっている建物。

足元の石畳。

 

ただ来たかった。

それだけで行って良いんだと、自分を許すことができた。

 

もちろんこの旅行はものすごい費用がかかった。

今まで生きてきた中で、一番お金がかかったものだ。

 

でも、そのために何を削っても良い。

ここに行くために、私はお金を貯めて良かったと心から思った。

 

お金は人生だ

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もちろんお金がないと生きていけない。

お金は大事だよ。とアヒルも言っている。

 

でも、その大事なお金を何に使ったかで、人生が決まる。

 

会計事務所に勤めていた時、社長のお金の使い方で人柄が見えた。

 

ある社長は、毎日キャバクラの領収証を持ってきた。

ある社長は、家族旅行を慰安旅行だと言い張った。

ある社長は、自分の弁当を雑費に計上してた。

 

そしてある社長は、自分の費用が全くなかった。

 

一緒に飲みに行った時、「領収証は要らないよ」と言った。

領収証がいらないということは、自腹で払うということ。

社長はお金に無頓着だったけれど、その会社はどんどん大きくなった。

 

お金の使い方は人柄を表す。

私の領収証を見た誰かは、私のことをどう思うのかな。

 

子どもにも、お金以外の何が残せるのかを考えている。

教育費や、旅行や、美味しいものを食べた喜び以外に残るもの。

そんなことを考えながら、日々お金を貯める。

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