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今回は「お坊さんが暗号資産に辿り着いた理由」その2、「子宝の神様 木村さん」を通じて、アセットについてお話ししたいと思います。
まず「子宝の神様 木村さん」について
2000年頃のことです。木村さんという方が中国の深センに住んでいたとき、とある村の民芸店に飾られていた泥人形に一目ぼれして日本に持ち帰ったのが始まりです。
中国のお土産として友人のSさんにこの人形をプレゼントしたところ、なんとSさんがオメデタ。さらにSさんが不妊で悩んでいる友人夫婦にこの人形を見せたところ、なんと8組中7組が半年以内に妊娠したそうです。人工妊娠手術でもできなかった人にもご利益があったというから驚きです。ちなみにこの人形のことをSさんが「木村さんからもらったやつ」と呼んでいるうちに、口コミでいつのまにか「木村さん」と言われるようになったそうです。この噂を聞いた木村さんもSさん宅でこの人形にお祈りしたところ、なんと奥さんも妊娠したそうです。「これは子宝に恵まれる不思議なパワーがあるかもしれない」ということで木村さんが自身のホームページに掲載したところ、全国各地からオメデタ報告が多数寄せられるようになりました。
このような由来で「子宝の神様 木村さん」のサイトは成り立ち、今でも沢山の方がで絵馬を奉納したり、妊娠報告をしたりとインターネット上の神社のように機能しています。私もこのサイトを知ったのが5年以上前だったのですが、「よくできたサイトだなぁ」と関心したくらいです。
それがある時を境に脅威へと変わりました。それはkontonGで安産祈願をされた方がお礼参りに来られたとき、「これも一緒にお焚き上げしていただいていもいいですか?」と依頼されました。
インターネット上でもてはやされているものが現実の世界に落ちてきた瞬間でした。「分かりました。ではお預かりをしてこちらで供養させていただきますね。」とお応えしましたが、内心は「えーーーっ!木村さん!?えーーーーーっ!!」ですよ。
正直私から言わせるとプリントした写真です。でもこの方の中ではkontonGへ参拝し祈願された御札や御守と木村さんをプリントした写真が同列なんです。
これをきっかけにデジタルな御守というものを模索するようになりました。それ以前に「学生達が合格祈願を記した絵馬を写真にとって御守代わりにする」とニュースで見たときは、「なるほど」と理解できました。そこには参拝者のストーリーがあるからです。
しかし、こと木村さんに関しては前述のストーリーのみで、「これからはあなたが作るストーリー」なわけです。100歩譲っても「子宝の神様 木村さん」はwebマーケティングの実験サイトでした(これ重要)。それが信仰に繋がっている訳ですよね。これが脅威でなく何なのか?お坊さんへこの話をしてもピンとくる方に出会ったことがありません。しかしおそらく今後このような流れが重なって、1つの大きな潮流になることは想像できます。
かといってkontonGのサイトで「この画像持ってたら安産になりますよ~、500円です」とダウンロードしていただく訳にはいきません。私はそのデジタル画像にアクセスできるご祈祷を知りません。そんな私に一つの可能性をもたらしてくれたのがブロックチェーンという技術なのでありました。
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