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前回はくりぷ豚に触れながらデジタルの御守の可能性についてお話しいたしました。この話は1寺社と企業との開発に繋がる話で、例えば「御守ウォレット」なる暗号資産を全国の寺社の標準にできれば、十分に可能な事業かと思います。ただそのインフラ整備を誰がやるのか、という問題が残ります。
一方で今回提案するのは「四国八十八ヶ所霊場で使える地域通貨をブロックチェーンで作ってはどうか」という話です。私は暗号資産について、本格的に勉強をしたことはありませんので、概念的に捉えているくらいと思ってこの話にお付き合いいただけれがと思います。またさらに技術的なことや法律的なことなど、気づかれたことがありましたらぜひご指摘ください。建設的な場にしたいと考えています。
この話をするにあたって、大きく5つに分けて話をしてきたいと思います。がしかし、まずは「四国八十八ヶ所霊場って聞いたことあるけど何?」って方もいらっしゃると思いますので、本稿では四国八十八ヶ所の説明と準拠しながら、次の5項目についてブロックチェーンを含めお話したいと思います。ちなみに前にもお伝えしましたが、kontonGのお寺は四国八十八ヶ所霊場の1つです。
「四国八十八ヶ所霊場」とは弘法大師(空海)さまが42歳のとき、自身の生まれ故郷である讃岐を含む四国の地を巡り、後学の仏僧のために八十八ヶ所の寺院を定めたものといわれています。その距離は1200kmほどとなり、車で10日以上、徒歩であれば40日以上かかるといわれている、世界でも類を見ない規模の巡礼地です。そんな四国八十八ヶ所霊場とブロックチェーンについて私なりに次の5項目にわけてお話ししたいと思います。
四国霊場を巡礼する巡拝者のことを「お遍路さん」と呼び、お遍路さんは白装束を身に纏い、頭には菅笠、手には金剛杖を持つのが一般的なスタイルです。しかし、近年では普段着の上に上半身だけ白衣を纏いお参りする方が多くみられます。
お遍路さんは自分がお参りをした証として「納め札」というものを各寺院に納めていきます。これは自身のお願い事と共に名前や住所を記したもの。参拝回数に応じて色が変わり、1~4回は白、5~7回は緑、8~24回は赤、25~49回は銀、50回~は金となります。この納め札は現在は紙でできたものですが、もともとは木の札でした。これを各寺院のお堂に打ち付けてお参りをしたのですが、今は簡便化され紙札になっています。四国霊場の寺院を回ることを「打つ」といいますが、これはこの木札を打ち付けることからできた言葉です。
お遍路さんは八十八の寺院を巡り、各寺院の本堂と大師堂をお参りして納経をいただきます。本堂とは各お寺の御本尊がお祀りするお堂、大師堂とは弘法大師さまをお祀りするお堂です。納経とはお参りをした証で、「経を納める」ということ。つまり本堂と大師堂でお経を収めたという証です。主には「般若心経」を読経、または写経したものを納めます。
お遍路(四国霊場)の代名詞でもあるお接待。地域の方がお遍路さんへなにがしかの品物など遍路の手助けとなるものをあげる行為をいいます。この行為は単純にお遍路さんに差し上げるのではなく、遍路ができない自分の代わりにお遍路さんにお願いを託す行為。金銭や食べもの、宿泊や移動などその形態は様々です。
四国八十八ヶ所霊場は四国をくるりと一周取り囲むように、約1200kmの行程となります。これは四国の経済圏を取り囲み、現状その決済を支えるのは現金です。
以上の項目について、それぞれお話していきたいと思います。
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