はじめまして。ニッキー・ミナージュと申します。
今年の夏のある日、新着記事を読み漁っていると、
これからALISをはじめていきます
という旨のご挨拶投稿を目にしまして、なんとなく心地よい文章でした。
さてさてどんな人なのだろうとプロフィールに目を向けると、私の仕事であるグラフィックデザインと関係の深いお仕事をなさっているようだったので気になって、毎回ではないですがふと思い出した時には読ませてもらうようになりました。
グラフィックデザイナーというのは扱う仕事の幅が広いので、案件によっていろんな業種の方と付き合うんですが、その方のお仕事は、私が扱うどんなタイプのお仕事だろうと全体の流れで必ず必要になる工程を専門とされいているようでした。
と、ぼかしながら書いているうちにお相手がALISでチラッと触れてくださってたからもうよかろう
この方です。
校正をされてる方です。
校正がピンとこない方向けに一応簡単にご説明すると、作ったものに間違いがないか確認する仕事です。
確認くらいわざわざ人に頼まなくたって自分でキッチリやれよと思う方もいるかもしれませんが、はっきり言ってそんなの無理です。
時間的な問題なら気合や効率化でどうにかするところですが、つくり手にはその制作物の誕生に携わった者の先入観というバイアスがどうしてもかかります。
修正した原稿が指示通りになおっているかどうかの確認です。
また、気の利いた人はコッチのページでは「うんこ」って表現してたのにコッチでは「うんち」になっているといういわゆる「ゆらぎ」というものも確認するんですが、その場合、膨大なページ数になってくると超大変。
「うんこ」だけならそれに集中して確認すればいいハナシですが、そのカタログには「ちんちん/おちんぽ」や「げろ/ゲボ」等、様々な言葉や表現が複合的に存在し、それらを網羅的にチェックしようとするとそれなりの経験値が要ります。
経験値というより、個人的には「才能」みたいなものだと思ってます。
私はどちらかと言うとできない側の人間なのですが、ある程度のものは人の作ったものを校正したりもします。ある程度の分量なら不自由はしません。
しかし、できる人の仕事を目の当たりにすると本当にこれは「才能」の領域だと感じます。
具体的には、原稿にこういう「赤字」を入れる仕事です。
伝わったか不安ですが校正とはそういうお仕事です。
中規模以上の制作会社にはそれを専門に行う人を雇っていることがほとんどですが、弊社は小さな会社なので制作者か営業マンしか存在しません。
その案件の制作者以外の者が校正を行うというかたちでなんとか回しています。
なので下手をすると本来の業務と同程度の時間を校正に費やすことになります。
しかし、これはなかなか外注できる仕事でもないのです。
信用のおけない人間に確認をさせることほど無意味なことはないでしょう。
しかも先述の通り、経験や才能のいる仕事です。
おいそれと見知らぬ人に委ねることはできません。
であるからして中規模以上の制作会社は内部で専門スタッフを抱えるのです。
ということはそもそも発注できるフリーランスが少ないということでもあります。
グラフィックにおけるデザイナーやカメラマン、イラストレーター、ライターなんかはアーティストの域でもない限り、実はいくらでも替えがききます。
簡単に外注できます。それはもう簡単に。
しかし、どんな制作物にも必要な工程である「校正」はなかなか難しい。
小さな会社は内部でやるしかない。もう気合いです。
そんなわけなのでogawaさんのプロフィールに目がとまった次第です。
本名すら知らない相手でしたが、
ogawaさんのALISの記事でたまに出てくる仕事の話、
そこから仕事へのこだわりや信念のようなものが感じられたので、思い切ってこの度の発注に至ったわけです。
ALIS記事へのコメントでの打診も考えましたが、オープンな場では突っ込んだ話もしずらかったのでTwitterのDMで相談しました。
期待以上の仕事をしてくださり大満足です。
本日その案件は納品に至りました。
本当に感謝。
で、さっきTwitterを見てたらogawaさんがALIS繋がりの人と仕事したよという旨のツイートをなさっていたので、
▼クロサワのツイッターです
決して仕事の人と繋がってるアカウントでつぶやいてはいけない内容ばかりです。
と思ってこの記事をかいている次第です。
こんな人が言ってもマイナス効果かもしれませんが、あえて言います。
先日の記事でもお仕事募集されてるようでしたので、お困りの方はコンタクトをとってみては?
私が保証します。
そう
変態の作品(業務外)が見たい方はこちら▼
ご存知イラフォトコンテストに応募中の作品なので絶対にいいねしてください。絶対に。
いつもなら何度か読み直しながら最終的に大幅改定して投稿するんですが、今日はあらがきのまま、勢いで投稿します。
校正について、
あとから読み直したらだいぶ語弊がありそうなのでこれだけは補足します。
校正は本来の意味では、ある原稿が指示通りになおっているかどうかの確認程度までを指します。
文章が正しいかどうかという確認は「校閲(こうえつ)」というレベルの仕事です。
校正と校閲の境界線について、本来の意味は正直わたしもイマイチ言語化できないくらい人によってあやふやに語られるのですが
(もちろんおがわさんみたいにそれを本業にされてる方は明確にわかってるはずですが)
おがわさんがあまりにもサラッと校閲に近いことまでしてくださっちゃったので、本稿ではやや校閲よりなニュアンスでかいてまいました。
おがわさんスゲーってハナシ
本日はこんなところで。ひとつよしなに