我慢できなかった。
どんな体なのか。
プラスチックの服を
私はまた脱がしてしまった。
あぁ。
そうだったのか。
ここが一番恥じらう基盤らしい。
そりゃそうだ。
キーボードを押すたびに、
ここに電気が走るんだから。
感じてしまうんだ。センサーが。
そう、プログラムされているから。
こんな風になっていたんだ。
ここを押すと、電気が走る。
エロい。
卑猥な形をしているじゃないか。
これが、
こんな風になっているのか。
ぷにぷにしてて、
押すと、先端がコリコリしている。
吸盤のように指に吸い付いてくる。
これがあのキーボードの気持ちいい
感触を生み出していたんだ。
首筋のボタンには、
アルミのようなものが、
中に入っている。
こんなにたくさんの突起がついていて、
より感じやすくなっている。センサーが。
これをボタンの中で突くことで、
センサーにまでイクようになっている。
中に何か書いてある。
君は「M」というのか。
世に出る前は、Mだったんだ。
Enterキーはこのように取ることができる。
Enterキーには、他のキーにはない、
唯一、くびれを持つ。
まるで反り返ったような姿。
Enter押したら、出ちゃう、
次の行に。
今はまだ次の行にいきたくないのに、
いっちゃうことがある。
ここに電気が走ることで、
基盤に電気がいく。
そこで、回路の中に流れ出て、
出力されていく。
今回は、キーボード。
プラスチックの服を脱がせると、
中はこんな風になっていた。
キーボードとしてはもう捨てられる道でも、
これだけ価値ある商品が集合してできている。
人間もどんな、くそやろうでも、
中にはたくさんの器官が一生懸命がんばっている。
この中身を使って、
何かできそうなんだけれど…