知恵があるはずの老人がなぜだまされるのか？

老人が騙されて1,000万円取られた、とかいうニュースを見てたびたび思うことがあるんですね。

その前に騙し取られる1,000万円が手元にあるんだなあ、というのは置いておいて……。

老人というのは、犯人であるよくわからない若者よりも人生経験を積んでいて知恵の蓄積や人間に対する洞察ができているはず。なのになぜ騙されるのか？

なんてことを疑問に思うんですよ。物理的に脳機能が劣化していくのではないかと思ったこともありますが、別の可能性も考えられます。
それは、長年生きてきた老人自身が「自分は知恵があるはず」とか「知恵がある自分でなければいけない」と思っていることではないか、という可能性です。

そしてそこが悪い人たちに付け込まれるところになります。
「あなたでしたらならもうお分かりと思いますが、日本円はもう価値がなくなってしまうから、仮想通貨に全部替えておくのが賢いですよ」

この「あなたでしたらもうお分かり」でラベリングして素直に知らないと言えない状況を作り出し、「賢い」はずであるというプライドを逆手に取るんですね。

誰でも生きてると年を取ってしまうので、こうした罠に絡めとられないように工夫が必要かと思います。