難関校をめざす「受験生諸君」!
キョウダイセブン
私は今までに7つの予備校や塾で勤務経験があり、それぞれの塾では指定されたテキストを使ってマニュアルどおり指導にあたってきました。だって、塾長に逆らったらクビで職を失いますもん。
でも、還暦を過ぎて自塾だけの経営になってから失業のリスクがなくなった。だから、今なら自由に経験したことを書ける。
この文章を読んで見える方は、難関校を志望している方ですよね。
「どうやれば、志望校に合格できるのか?」
を、どうしても知りたいのですよね。
誰に尋ねますか?実際に合格してみせた経験者に聞きたいよね。
たとえば、京大を志望する場合を例に説明させてもらいます。まず、先生についてです。
1,「京大卒なら大丈夫?」
いいえ。京都大学のボーダーは65%程度(年度変動あり)。合格者の平均は毎年70%程度です。あなたの先生(予備校講師)が京大卒でも8割を狙う医学部受験生の指導には、英語力が足りません。
2,「英検1合格なら大丈夫?」
いいえ。私は英検1級に合格していますが、英検スタイルで解答を書いたら70%程度の得点獲得率しかありませんでした。英語検定の問題は、和訳と英作文だけではありません。過半数の問題は、穴埋め選択問題で出題形式が京大二次試験とは大きく異なります。
3「TOEIC満点なら大丈夫?」
いいえ。TOEICは、リスニング100問、リーディング100問、合計200問に答えるマークシート方式の客観テストです。和訳と英作文で評価される京大二次試験と、出題形式が大きく異なるので、TEIC満点でも、京大二次の対策を指導できません。
4,「帰国子女なら大丈夫?」
いいえ。皆さんは日本生まれの日本育ちで、日本語がペラペラかもしれません。では、全員同じ日本語レベルは同じでしょうか?英語の日常会話が話せることと、入試の場でライバルを打ち負かすレベルの英語が書けることは別問題です。
日本には塾や予備校系の「受験英語」、英会話学校系の「資格英語」、そして、ネイティブ信仰とも言える「ネイティブ英語」の三種類が存在しています。
受験英語
受験英語というのは、学校で教えている英語ですね。私がアメリカの中学校で教師をしている時に使ったら
「なんで、ミスタータカギはジジイみたいな英語を使うの?」
と言われた英語です。授業中に、ネィティブの教師が私の授業を中断して
「今、ミスタータカギの使った単語は」
と解説を入れられた英語です。
なんで、そんなことになったか考えたことがあります。受験英語は、何を基本にしているかというと難関大学の入試問題が源です。科学論文や文学作品。それも、ある程度の評価を勝ち取った論文です。
その著者の多くは高齢。それが出版されて、評価を受けるまで年月が流れ、それを読めるように日本の受験参考や問題集が書かれるわけです。出版社は売れないと潰れるので肩書のある人に参考書の執筆を依頼する。
昔なら大学の教授。今なら大規模予備校の講師たち。そして、その参考書が評判を得るまでに、また時間が流れる。
全部で、タイムラグは50年くらいになるのでしょうか。
私は台湾旅行をした時に、日本統治時代に日本語を習得したおじいさんに会いましたが、とても懐かしい日本語を話されました。50年、60年も経つと言語の変化は激しいのです。
たとえば、「-は当然だ」という英語を日本の受験生に尋ねると、みんな
「知ってる。 take it for granted that --」
と言う。でも、私はそんな表現を見たり、聞いたりしたことは稀です。多くネイティブは、it is natural that -- と言います。
資格英語
私は大学時代は、ECCに通っていました。大学では、ネイティブの先生についてLL教室で英会話を教えてもらっていました。NHKの基礎英語という番組も長い間、聞いていました。
多くの場合は、日常の買い物や学校での出来事を英語にしてあり、それを何回も繰り返して覚えていくという手法で英語を教えていました。受験英語のように、文法的な解説より、暗記中心でした。
でも、ある時に気がつきました。
「これって、オウムや九官鳥のように話せるような気になっているだけでは?」
訳も分からず、ひたすら暗記では自分の考えを伝えることが出来ない。それでも、私は名古屋大学を現役で合格したので受験英語の上に資格英語を重ねたので救われる気がしていました。
受験英語は、論文などの難解な構文や単語に偏りすぎています。逆に、資格英語は日常の生活にこだわりすぎて中身がスカスカで、高度な内容の表現ができないわけです。
しかし、世の中は
「合格できないヤツは、黙ってろ!」
という世界。とりあえず、英検1級くらい合格しないと発言権され得られなかったのです。
ネイティブ英語
そこで、私はアメリカに渡ることにしました。ユタ州のローガン中学校で教師をする機会に恵まれたのです。周囲にいたのは、教師たちと中学生。職員室での会話は、知的なものでしたし、中学生たちは日常の生きた英語がどういうものか教えてくれました。
それは、受験英語でも資格英語でもありませんでした。だから、私は帰国後にCNNやABC放送を聞くようにしています。日本の教材はダメなのです。名古屋の大規模予備校、塾、専門学校で英語講師を14年間やりましたが、出会った英語講師の中に英検1級に合格している人に会ったことがありません。旧帝卒の講師も一人会っただけでした。
「現実の英語がどういうものか知らない人が英語を教えている」
という実態は、結構ショッキングでしたね。でも、日本社会は有資格でないと認めてくれないので、英検1級、通訳ガイドの国家試験、国連英検A級、ビジネス英検A級など、当時知られていた資格試験に合格して見せました。
京大英語
ある時、京都大学の医学部を志望する子が塾に来てくれました。他学部なら、ボーダーが65%くらいですが、医学部だけは80%ほどです。京都大学の英語で8割を越えることができる英語講師はどれくらいいるのでしょう。
アメリカで生活し、英検1級を持ち、名古屋大学卒業の私でも
「本当に、この英作文で8割を越えられるのですか?」
と、不安を与えていたようなのです。だから、実証するしかありませんでした。
でも、考えてみたら京都大学の医学部を卒業して予備校講師や塾講師になる人などいないでしょう。医者か研究者をめざすのが普通ですから。アルバイトでやっている人は、京都近辺にはいるかもしれませんけど。
地方には、学校教師、予備校講師を含めて、指導できる先生はいないと思う。
それで、自分で京都大学を受けて
「京大では、どんな英語が評価されるのか」
を実証してみようと考えました。40代の後半の頃のことです。
私は、受験指導を行っているので「受験英語」を熟知しています。また、英検1級を初め各種英語の資格試験に合格しているので「資格英語」も書けます。アメリカで教師をしていた関係で「ネィティブ英語」も大丈夫。
「この実証実験は、私にしか出来ない」
という思いがありました。
私はこの世界は神によって創造されたと信じている。多くの天才科学者が解き明かした美しい数式の数々を知ると、この世界がカオスではないことが直観で分かる。
この世界は、壮大な設計図の如きものに立脚して成り立っているようです。
しかし、神に直接会うことは出来ない。そこで、私たちはあれこれ実験して神の壮大な設計図を知ろうとしています。それが「科学的方法」と呼ばれるものだと思う。
受験も「合格」したいなら、その問題作成者や採点官を知るのがベスト。ただ、それは機密事項なので受験生は誰が問題を作り、誰が採点しているか知ることは出来ません。それで、私は科学者の方法で調査したわけだ。
その結果は、以下のようでした。
平成18年、20年(文学部) 正解率の平均 66%(受験英語)
平成21年、22年(教育学部) 正解率の平均 76%(資格英語)
平成24年、25年(総合人間) 正解率の平均 79% (ネイティブ英語)
私がこの実験を実施したのは2006年から2013年までの間で、実験結果をブログに書いたのは2014年のことだった(私が50歳の時から58歳までの間のこと)。
実践編
自分の知った京大合格のためのノウハウを、自分の塾生に伝授しようとしたら
きれいに二種類の反応が現れたんですよ。一つは、
「なるほど」
と、納得して合格してくれる子。
もう一つは
「この参考書によると・・・」
と、反論してきて耳を貸さない子。
受験英語にこだわり、
「この文節は、どこに修飾しているのでしょうか」
と、すぐに文章をバラバラに解説して欲しがる子。資格試験のように
「とにかく、模範解答を教えてください。暗記しますから」
と言う子。
前者は高学力の子に多く、議論を挑んでくる子は学力が低い子に多い。ネィティブ英語というのは、そういうアプローチと根本的に異なります。考えてみて欲しい。
英作文を書くのに、主語が補語がという受験英語は無力だろう。また、資格英語のように暗記主体できた子も呆然とするしかない。自分で考えるしかないのだから。
有効な対策は、
「ある程度、自分で書いた英作文を添削してもらう」
しかない。だから、ある程度英語が書ける子でないと指導ができません。だから、大規模塾では無理な指導。添削するためには
「京大の二次試験で評価されるスタイルの英語はどのようなものか」
を、明確に知っている必要がある。でも、そんな講師は滅多にいない。
実証実験
自分の主張が正しいか否かを実証してみないと説得力に欠ける。それで、2つの方法を考えてみた。
(1)、Youtube やブログに自分の考えを書いて反応を調べる。
(2)、全国に通信生を募り、合格者が出るか調査する。
(1)については、動画再生回数が50万回を越えた(複数動画の合計)。アメブロ「受験生」ランキングで1位になった(当時)。通信生は、北海道から鹿児島まで申し込みがあり、合格実績は以下のようになりました。6年連続(2018年現在)で、京都大学に合格者がでた(うち、3名は医学部医学科)。
〇合格実績
2023年度 大阪大学「医学部」3名
2022年度 京都大学「医学部」 京都大学「経済学部」
2021年度 京都大学「理学部」 京都大学「経済学部」
2020年度 京都大学「工学部」2名
以上の結果により、高学力の子たちには自分のコメントが歓迎されたことが分かる。一方、
「学校の先生(有名予備校の講師)と言うことが違う。おまえごときが」
という反応もあった。
確かに私は無名の田舎の塾講師にすぎません。唐突ですが、皆さんは旧約聖書の以下のお話をご存じだろうか?
旧約聖書にある「青銅のヘビ」という話
エジプトを脱出したイスラエル人は、飢えと乾きに苦しんでいた。嘆きと不平を神とモーゼに訴えると、神は怒って炎のヘビ(毒蛇)を送った。毒蛇にかまれて死者が出たので、人々は
「神に逆らう罪を犯してすみませんでした。どうかヘビを取り除いてくださるよう、神に祈ってください」
とモーゼに頼んだ。すると神は
「燃えるヘビを作り、旗さおの上に付けよ。噛まれた者はそれを仰ぎ見れば、生きる」
と告げた。モーゼは青銅のヘビをつくって言われたとおりにしたら人々だけが、生き残れた。
信じる者は救われる。私の言うことを信じて英作文を書いたら、校内テストや模試の判定が改善されるはずです。試してもらえたら、受験戦争で生き残れるでしょう。
受験生の方の通信添削を何十年もやっていると、中には難関校受験生の中でも「単数・複数」や「三単現」のミスがある方に出会うことがある。そして、それを指摘すると
「そんな基本的なことではなくって、もっとカッコイイ構文を教えて下さい!!」
とクレームが来たりする。どうも、難解な単語や構文を用いると合格できるといった誤った指導を受けてきたらしい。
気の毒だけど、そのような方が難関校に合格したのを見たことが無い。
難関大の学生の方は、家庭教師のバイトをする方が多い。他のバイトより儲かるもんね。そんな時に、三単現とか冠詞のミスをしたら
「なんだ、京大生ってこのレベルか」
と、言われてしまう。そんな事態を京大の先生方が見過ごすワケがない。名声が地に落ちてしまう。だから、
「そんな基本的なミスをする生徒は、大学の威信にかけて絶対に落とす!」
なんです。
どうか、誤った指導をスルーして一人でも多くの受験生の耳に私の言葉が届きますように。そして、見事「第一志望校」に合格できますように。
高木繁美。「高木教育センター」塾長。
名古屋大学卒業後、アメリカユタ州で中学校教師をした後、帰国。英検1級、通訳ガイドの国家試験、国連英検A級、ビジネス英検A級などに合格。京大二次試験英語81%の正解率。少林寺拳法二段。ジャッキー・チェンの前でヌンチャクを披露したことが自慢。「私の京大合格作戦」(エール出版)2020年度版から2022年度版に漫画化されて掲載。チャットワークを用いた質問無制限の通信添削を全国の難関校受験生対象に募集中。「高木教育センター」検索。桑名市役所前の塾でも指導中。