いじめの「重大事態」調査をしないのは違法――。
2015年4月から埼玉県川口市立中学校に通っていた元男子生徒の加藤健太さん(仮名・19)が在学中に不登校になったのは、サッカー部のグループLINE外しや部員からの暴行、嫌がらせ、部活顧問による体罰、そして学校や市教委の対応が不適切だったとして、市に対して550万円の損害賠償を求めている訴訟で、12月15日、さいたま地裁(岡部純子裁判長)は、部顧問による体罰と部内の孤立状態から不登校や自傷行為に及んだと認めた。さらに重大事態の調査をしないことは国家賠償法上、違法であるとして、市側に55万円の損害賠償を命じた。
私がブログで「部活動は自由にすべき」と書くと反対のコメントやブラックメールが届いたりする。その内容は部活の意義を説くものや、自分の楽しかった部活の思い出を語るものが多い。しかし、現実を見てほしい。全国的にイジメは陰湿化して、その場の多くは部活なのだ。
「自分が嫌だと感じることは他人にするな!」とは、よく聞く言葉だけれど片手落ちだと思う。自分は平気でも、同じことが死ぬほど嫌だと感じる人もいるわけだ。
また、不作為の教師がいる。問題を隠蔽しようとする教師もいる。そういう指摘に対しても、
「いや、そんな教師は一部でほとんどの先生は真面目に勤務している」
と反論される方が多い。
しかし、隠蔽教師を指導するはずの教育委員会も同じ穴の狢ではないのだろうか。だから、裁判所は「調査しないのは違法」と断じざるをえなかった。これは、イジメ問題だけの話ではない。エロ教師の問題も
「そんな問題教師はごく一部で、ほとんどの先生は真面目に勤務されている」
と、擁護する人も多い。
ならば、なぜ「わいせつ教師対策」の法律を立法しなければならなかったのか。
児童生徒にわいせつ行為をして懲戒免職となった教員に対し、失効した免許を再交付しない権限を都道府県教育委員会に与える新法が28日、参院本会議で可決、成立した。現行の教育職員免許法では、失効後3年が経てば申請して再交付が受けられた。公布1年以内に施行される。
私は塾講師なので、日常的に中学生や高校生と接しているので学校の様子が比較的よく分かる。賢い子たちは教師が
「みんな仲良く協力して」
と指導しても、危なそうな子には近寄らないし関わらないようにしている。勉強ができない、性格が弱い子がイジメの標的になりやすい。そういう子がSOSを発しても、教師も教育委員会も調査すらしない。
そういう現実を訴えても、
「そんなことはない!」
と反論されてお終いでは、イジメによる自殺者は減るはずがない。そういう警告が裁判所や国会から出ていても自分が正しいと信じる人は変わらないのでしょうけどね。
高校からはランク別になるので安心感を持つ生徒が多いです。保護者は「いじめ」ではなく「殺人」だと認識しているでしょう。