❝・・・than ~ ❞ の ~の部分に“可能系”の単語( can ,possible , enable 等)があれば、「~できないほど・・・だ」と訳すよう今まで言われているんですが、今回そうすると二重否定になってしまいます。 このような場合、無理にこのようにする必要はないのでしょうか?
私は上記のアドバイス(ルール、文法書?)を聞いたことがありません。
たとえば、肥満の患者さんにお医者様が
「1日に5000歩をめざしましょう」
と言ったとします。目標は健康維持ですね。もし、この患者さんが嵐の日も体調が悪い日も5000歩にこだわったら本末転倒です。健康を損なうでしょうから。
文法も同じです。京都大学の採点官も上記のような、誰かの考えたアドバイスの存在を知らない可能性の方が高い。気にするのは「分かりやすいか否か」だけだと思います。受験生は必死なので、私たち講師もよく「絶対に失敗しない訳のルールはありませんか?」と尋ねられます。でも、そのようなルールはありません。
私はよく「文法学者ではないので」と書くでしょう。それは、アメリカに渡って中学生を前に授業を始めたら
「ミスタータカギは若いのになんでジジイみたいな英語を使うの?」
と、尋ねられたのです。英語が通じないと生きていけないので、私はそれまでのガチガチの受験英語を捨てました。文法などどうでもいいので、とにかく相手に分かりやすい表現をしないと生きていけませんでした。
帰国後に、ネイティブ英語になり果てた(笑)英語が日本の資格試験や受験英語で通用するのかチェックする必要がありました。それで、英検1級や通訳ガイドの国家試験を受験してみました。合格しました。京都大学の二次試験を7回受けて「受験英語」「資格英語」「ネイティブ英語」に書き分けて実験しました。その結果は、もちろんネイティブ英語が最も高い評価でした。
数学でも「絶対値がついていたら二乗するとうまくいく」と教える講師が多いですが、それは一般論で京大レベルになるとそんな思考力を放棄したような問題はあまり出題されませんよね。あくまで数学的な論理性が貫徹しているか否かが大切。
「誰かのアドバイスに従っている」かどうかではなく「京大の採点官に分かりやすい」かどうかを判断基準にして下さい。