「京大医学部4名合格講師」による受験対策講座(168)
もし、三重県北部に生まれて大学受験を考えたらどこを受けますか?自宅から通学という条件が付いたら1番は名古屋大学、2番が名古屋市立大学、3番が三重大学くらいだろう。では、名古屋大学に最も近いコースというとどうなるだろう?
まず、県立トップの四日市高校に入って上位1割くらいに入れば名古屋大学を狙うことが出来る。公立中学だと1学年100人くらいの中で上位2番くらいでないと四日市高校に合格できないからね。
つまり、5%の中の10%だから0.5%。200人の同学年の生徒の中で1番という計算になる。英検でいうと準1級くらいかな。数学は過去問で7割近い正解がないとダメと聞く。そのレベルの指導を受けられる予備校や塾を探すことになる。
私は名古屋の7つの大規模予備校・塾・専門学校で14年間英語講師をさせてもらったけれど、旧帝卒や英検1級を持った講師に出会ったことがない。現実は、名古屋大学に落ちて南山大学に行った講師が「名大コース」の講師をしていた。
英検1級の勉強をしている時に、名古屋のECCに適当なコースがないか尋ねたこともある。すると
「そんなコースがあるわけないですよ。指導できる講師が見つかりませんから」
とのこと。
なのに、三重県で最大と言われる塾の教室数は50教室を超えると聞いた。
「どうやって講師を確保しているのだろう?」
と不思議に思ったものだ。自分が予備校・塾業界に入ったら、そのカラクリが見えてきた。
要するに、“上げ底戦略”を採用しているらしい。イメージ戦略とも言う。駅前に立派なビルを建てて、チラシに
「コンシェルジュがご案内します。ハイブリッド講義で学力スーパーアップ」
といった意味不明の横文字を書き並べる。
講師の学歴は隠す。そして、何も知らない生徒やその保護者に一流の予備校・塾だと信じ込ませる戦略だ。200人に1人しかいない人材を50教室に配置するなんて不可能だから仕方ない。商売を維持するためには上げ底しか道はないのです。
でも、しょせん草野球のコーチレベルでは未来の大谷翔平のコーチができるはずがない。だから、本物の賢い子には授業を受けさせると
「これじゃダメだ」
と気づかれてしまう。
高木繁美
「高木教育センター」塾長。名古屋大学卒業後、アメリカユタ州のローガン中学校で教師をした後、帰国。英検1級、通訳ガイドの国家試験、国連英検A級、ビジネス英検A級などに合格。少林寺拳法二段。ジャッキー・チェンの前でヌンチャクを披露したことが自慢。「私の京大合格作戦」(エール出版)2020年度版から2022年度版に漫画化されて掲載。チャットワークを用いた独自の通信添削を全国の難関校受験生対象に行っています。「高木教育センター」検索。