【突然の倒産と遠距離通勤】
前の会社で自分の「天狗」から、クーデターを起こされた自分は
その時、たまたま母親が体調を悪くしたので
地元に帰り、同じく遊技機の開発会社に転職します。
社員5人程度の小さな会社でした。
あと転職するにあたって、自分のプロフィールを少々盛りましたw
「プロデューサーをやっていた」
ディレクターまでしかやっていなかった自分がプロデューサー!?
と思うかもしれませんが、その転職先を見た時、
プロデューサーまでやらないといけないと思ったんですね。
でもプロデューサーは正直やったことがありませんでした。
そこで頭に浮かんだのが、最初の会社にいて、自分の面倒を
良く見てくれた先輩&上司プロデューサーの事。
(W氏としておきます)
色々な場面で
「Wさんならどうするか?」
と考えるようになりました。
プロデューサーの仕事から、企画アイデア、ディレクションまで。
全てにおいてW氏になって考えるようになりました。
(時々Wさんに電話をして、相談させて頂きました)
あと前回のクーデターの件もあり、
「今度はスタッフを困らせない」
という思いで、自分から企画書作成し、予算付けをして
メーカーに赴き提案したりなど、とにかく動き回りました。
おかげで入社3か月で2つのメーカーから開発の仕事を取れそうに
なった時…
会社の動きがおかしくなります。
元々は小さな会社なので、実際役員は社長のみ。
自分が転職した年…2004年は6月でスロットの4号機が終わりを迎える為
4号機駆け込み申請が大変な状態でした。
(申請の予約が取れない!)
ただし、もし申請が取れたら、絶対に売れる!という時でしたので
パチスロ開発に手を出す素人メーカー(部外会社)が多かったのも事実でした。
その時在籍していた会社は、自分が入社する前から
4号機スロットを、スポンサー会社(遊技機経験全くなし)から出資をうけて
開発していました。
一応開発も完了し、後は申請の予約を取るだけ、という段階になって
社長がその手続きをしないのです。
社長と付き合いの長い、人の良い部長もさすがに会議で
「早く予約取らないと!なんで電話しないの!?」
と怒るのですが、社長は「う~ん」と黙ってしまう。
そして自分がプロデューサー会社から呼ばれて、東京でこの申請出さない状態の
4号機スロットを見せてもらいました。
見た瞬間…
(これ、申請出せないじゃん)
とにかく絶対あるべきものが付いてなかったりして、
スロットとしての体をなしていなかったのです。
(そもそも出玉表示のセグさえもなかったですからw)
そして結果、6月末を過ぎ、申請は出されず、
そのスロットは全くの無駄スロになってしまいます。
さらに7月に入り、社長の動きがおかしくなります。
・夜中の2時に会社にやってくる。
(指紋認証のセキュリティ履歴でチェック済)
・書類だらけで汚かった社長室が小ぎれいになっている。
(シュレッダーかけた跡があるけど、そのシュレッダーのゴミがない)
・知らない人がやたら出入りを始める。
・社長がやたら外出する。
(〇〇さんの所に行ってくると出かけますが、実際には行っていない)
それでもメーカーから2機種の開発を取れそうだったので
他のスタッフと協力して、準備を進めていました。
ちなみに6月に入って…
給与が未払いになりましたw
そして7月初旬。
メーカーの仲の良い担当者さんから呼び出しがありました。
そして助言してくれたのです。
「早く会社を辞めた方がいい。会社もうほぼ倒産状態だよ」
実は取引するにあたって、内部調査を入れていたようなのです。
それを部長に相談したら、部長もびっくり!
社員全員でたまたま居た社長に詰め寄ります。
しかし社長は黙ったまま。
まぁキレましたね(苦笑)
この業界に入って、初めてキレました。
さらにそこから社長の言動もおかしくなります。
「みんなで会社をもう一度、盛り上げていこう!」
と言った次の日に
「明日でみんな退社してほしい」
と言い出したり。
全く連絡がつかなくなったり…。
そして4号機スロットに出資していたスポンサー会社からも
連絡が入り、
「社長の行動を監視してほしい。変な行動をしたらすぐ連絡して」
(いや、すでに変な行動しまくりですがね…w)
そしてそれから1週間後の7月29日…。
社長は弁護士を連れて自己破産をしました。
その時、自分はメーカーさんとの打ち合わせやビデオコンテを
作ってくれている協力会社さんとの打ち合わせの為に、東京に向かっていました。
会社には若いスタッフ2名が社長の行動を監視するために、
朝早くから出社していました。
(社長から数日前に「明日から会社に来ないで」といきなり言われていたので)
社長と弁護士に会社を追い出されたスタッフが自分に電話してきました。
「社長が自己破産しちゃいました!」
そこからはメーカーや取引先、アポを入れていなかった
協力会社さんに急遽連絡を取り、各社で土下座しまくりです。
メーカーさんには開発の穴をあけてしまった。
協力会社にはそれまでの開発費が払えない。
本当に土下座しましたね。
ただ、何処の会社もメーカーさんも、自分や他の社員の今後の事を
気遣って頂き、涙が出ました。
そしてその時、申請できなかったスロットのスポンサー会社からも呼び出され
社長以外の全員が集められます。
ビックリしました…。
初めて探偵(興信所)の資料を見ましたが、
超至近距離で社長の行動を写真に撮っているんですねw
社長、金策に回ると言って、パチンコ屋に入り浸っていました。
結果、社長は元役員達や怪しい業者と結託して
詐欺まがいの事をしていたようです。
そして最初から計画的に倒産し、お金を持ち逃げしたようでした。
ちなみに申請出せなかったスロット開発費でしたが
スポンサー会社に2億円貰って、開発していたようです。
(自分の見立ててでは2000万円がやっとというレベル)
そのお金は社長の母親名義のマンションに変わっていました。
そこから仕事が無くなったスタッフ陣でしたが
まず他のスタッフの再就職先を部長と探しました。
全員が決まったのが、倒産から2か月以上経った時でした。
さて、自分の就職どうしよう?
その時に、先に「会社倒産するよ?」と助言してくれた
メーカー担当者さんや、東京時代の知り合いの社長さんの推薦で
プランナーがいない?車で片道50キロ以上!の遊技機&ゲーム開発会社に行くことに
なりました。
電車だと2時間強…。
この会社での出来事が、また一つのターニングポイントになります。