お盆に気をつける事、
川や海に近づかない。
これが一番有名ですよね。霊は水辺に集まりやすいと言われています。
特にお盆。
海や川に入ると、足を引っ張られる、連れて行かれる、といった迷信です。
実際には、水草も育ちやすい時期で、それらが足にからまったり、クラゲも多いので、刺されるので気をつけましょう!
といったところでしょうか。
どうも、HACHIMAN.Z です。
今回も、少しだけ不思議な体験をお話したいと思います。
あれは、まだ、私が今の仕事につく前。
20代でトラックの運転手だった頃の話。
私は、主に夕方荷物を積んで、夜中から朝にかけて走り、全国各地に届けるような仕事をしていた。
今回の配送先は四国。
九州で、荷物を積んで、大分県からフェリーにトラックごと乗り込み、四国へと向かった。
フェリーでは、トラックから降り、客室で過ごす。外はもう暗い。
22時くらいだったろうか。
四国のある港に到着した。
地図で言うなら西、左端の方だ。
トラックに乗り込み、夜の港を後にする。
四国にどんなイメージがある?
失礼だが、私は当時、うどん くらいしか思いつかなかった。
四国に着いたら、うどんを食べよう!
そんな事を期待しながら荷物を運んでいた。
期待は外れた。
嫌だなぁ、この道。。
見渡す限り、山だったのだ。
走っても走っても、山、山、山。
山なのか森なのか、真っ暗で分からないが、暗い山の中の田舎道、まさに漆黒の闇の中を、ヘッドライトの灯だけを頼りに走る。
トラックという乗り物は、登り道に弱く、坂道では全くスピードがでない。
フェリーから、一緒に降りた他の乗用車数台は先に行き、とっくの昔に見えなくなっていた。
深夜の山の中をトラック1台で走る。
すごく寂しい。不気味だ。
しかし、幸い、トラックには後部座席が無い。
代わりに運転席の後ろは、ベットのようになっていて、横になって眠れるようになっている。
高速道路のパーキングエリアなどで、トラックがエンジンをかけたまま止まっているのを、よく見かけると思うが、中で運転手さんが寝ている事も多いと思う。
なので、、、
タクシー運転手の怪談話のように、いつのまにか後部座席に知らない人が座っている。。。
なんて事にはならないのだ。笑
それでも、やっぱり、ちょっと心細くなってきた。
そんな時、
たまたま会社の先輩が電話をしてきてくれた。
ちょっとホッとした。
私
「もしもし先輩、四国って山ばかりで、なーんにもないですよ? うどん屋どころか、民家も無いです。」
先輩
「それが四国だ。笑 山を抜ければ、ちゃんと街にでるから、がんばれ。」
私
「はい。それで、先輩、どうしたんですか??」
先輩
「明日、朝一番の配送先があって、朝まで時間があるから、今、近くの高速道路のパーキングで時間潰しててね。 それで、
配送先は、朝まで長時間トラックを止められるような場所は無いから、今夜はここに泊まるんだよね。
で、
さっきから、助手席のドアミラーに人が映っているわけよ。
女の人がね。
後ろのタイヤ辺りに立っててさ。
乗せてくれって感じでミラー越しに立ってるの。
だけど、よく見たら、
体が透けてるっていうか、上半身しか見えなくてさぁ。。。やばくね?」
私
「先輩、それ、ヤバイやつです。移動した方が良いですよ。 絶対!!」
先輩
「移動って、どこに? 高速道路だぜ。 パーキング内しか動けないし。。 次のパーキングエリアは、届け先通り越してしまうし無理だ。諦めてカーテン閉めて、テレビ見ながら寝るよ。一応、誰かに言っておこうと思ってな。」
その時だった
白い車が、私のトラックを追い越し、目の前のトンネルに消えて行った。
私は、眠くて少し霞んだ目をギュッと瞬きして、追い抜いた車を、もう一度凝視した。
ここは、一車線道路だからだ。
抜けるわけない。。。
白い車は透けていた。
翌日の帰り道、私は大事故を目撃した。
おわり