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ファーウェイの方のお話を直接聞いてみて、ネットワーク技術者として考えた5Gの未来について

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  • masayuki502
  • 2019/06/30 15:35

 2019年6月14日に、幕張メッセで開催されたinteropというネットワーク技術者向けのイベントに参加してきました。どのようなイベントかというと、ネットワーク技術に携わる業界の人たちに向けた、アニメ業界でいうコミケであり、ゲーム業界でいうE3のようなものです。今回は、AmazonのイベントAWS Summitとの同時開催でもあったので人がとにかく多かったです。2つのイベント両方をみてまわっているひとも結構みかけました。会場に着くとこんな感じです。幕張メッセは東京ディズニーランドよりも少し遠くにあるのだなぁ、と来るたびにいつも思います。

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今年、一番展示スペースが大きかったのはファーウェイでした。というよりも、イベントの入館ストラップ自体が完全にファーウェイ仕様で、ファーウェイがいかにこのイベントの大きなスポンサーであるかかがわかります。

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小型化された5G用のネットワーク機器などがたくさん展示されていて、とても興味深かったです。ファーウェイの基調講演を聞いた後に少し気になったことをこのブースの技術者の方に質問したり、実際の製品を見せてもらいながら、丁寧に教えて頂きました。こんなサービスできたら僕の仕事なくなっちゃいますね〜という半分本気の愚痴をぶつけたら、少し笑ってくれました。

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展示ブースとは別に、基調講演のセッションがあって5Gをテーマにそれぞれ第一線の企業が語るという感じのものです。僕の聞いた講演は、5G市場のトップシェアを持つ中国のファーウェイ(Huawei)と北欧のノキア(Nokia)、そして世界一大きなアメリカの通信会社ベライゾン(Verizon)とネットワーク機器のトップシェアを持つメーカーのシスコ(Cisco)です。ネットワーク業界の最前線にいる企業代表の方のお話は、とても色んなことを考えさせられました。5Gベンダー、通信会社、通信機器ベンダー、それぞれ立場が違いますが、これからの課題や、やらねばならないこと、そして最も印象深かったのはこれだけ凄い企業ですら、多分こうなるだろうという未来予測はできないほどに、産業構造が大きく変わってしまうだろうという事実です。

 5Gはサービスやシステムごとに求められるネットワークの要件が、それぞれ全く異なります。4G×スマホで世界は大きく変わりましたが、スマホが5Gにアップデートされてもあまり意味はありません。立場上それを敢えて口に出してはいませんでしたが、世界で一番初めに5Gサービスを開始したベライゾンですらそのようなニュアンスを隠しきれていませんでした。5Gは、今までのようにスマホを持った人間だけではなく、モノやサービスやシステムそのものと直接接続します。そして、自動運転ネットワークと、遠隔医療ネットワークと、全自動化された物流や製造工場や農場のネットワーク、ARやVRを利用したリアルタイムなネットワーク、このようなものを作って運用するためには、同じ5Gでも全て個別設計が必要で、そのサービス事業者と共に0から一緒に開発設計をしなければいけませんし、泥臭く現場にまで踏み込んでトライ&エラーを繰り返しながら協業していく必要があります。金融のネットワークなんて、障害が起きたところで別に人が死ぬわけじゃないけど、自動運転用ネットワークだと、ネットワークの大規模障害が起きたら人がたくさん普通に死にます。誰が、どの業界がまとめていくのか、はとても難しい問題になっていくと考えています。

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 ここの展示スペースは、shownet といってinteropの一番根幹を担う展示です。世界中の最新ネットワーク機器と技術(ベータ版のもの含む)と、専用回線やAmazonのAWSなどのクラウドサービスと相互接続をして、幕張メッセ会場のネットワークを実際に全部設計構築して、その機器構成をラックごとみせて、さらに運用までするというものです。下記が公式の説明です。

ネットワークにつながるすべてのモノについて、Interoperability(相互接続性)を検証する場、それがInteropの原点です。I Know it works because I saw it at Interop.実際に動いているところが見たい。ここに来ればそれが分かる。上記のフレーズは、1994年にはじめてInteropが日本で開催された時のキャッチフレーズであり、Interopの原点とも言えるべき表現です。ネットでの情報収集が当たり前になった今でも来場者の皆様の欲求を満たすために開催されるのがInteropです。

これが最終的な幕張メッセのネットワーク構成図です。出展社から提供された2600台以上のネットワーク製品と、450人くらいのエンジニア達(半分はボランティア)が参加して作ったものです。立場や専門領域も異なる様々なバックボーンの方たちが、様々な国や企業のネットワーク製品と最新技術を使って、一つの繋がったネットワークを作るって、純粋にいいなぁって思いました。そしてこれからの次世代ネットワークは、こういう何かの目的に向かって、多様なバックボーンを持った人たちが現場で協業して作り上げていくことが、重要になっていくのかなぁ、そんな気がしました。

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