特に山中、山里に神社参拝に行くと、「●●大権現」の扁額を見かけます。また、神社とお寺が隣り合っているところも多いです。
お寺は仏教、神社は神道。融合と分離の歴史を経て、今の参拝形態ができあがっています。
●神仏習合(神仏混交)
・仏教が6世紀半ばに公式に伝来したのち、8世紀の奈良時代から神仏習合の状態が徐々に形成されました。
・神道には教え(教義)が無かったために洗練されていた仏教に融和していきました。
・神道では死をケガレとして忌み嫌う一方、仏教は死者を弔うことに優れていました。
・仏教は先端医療技術を持っていました。
・仏教では有名な僧侶(最澄、空海、法然、親鸞、日蓮、一遍、栄西、道元など)がたくさん居ました。
・天台宗や真言宗などの密教勢力と習合の道を歩みました。
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神道の神々及び信仰 本地仏・習合先
天照大御神(あまてらす) → 十一面観音菩薩/大日如来
大国主大神(おおくにぬし) → 大黒天
市杵島姫(いちきしまひめ) → 弁財天
素戔嗚尊(すさのお) → 牛頭天王(ごずてんのう)→薬師如来
応神天皇 → 阿弥陀如来
伊弉冉尊(いざなみ)+火之迦具土神(かぐつち) → 勝軍地蔵
木花開耶姫命(このはなさくやびめ) → 大日如来
白山妙理権現=伊弉冉尊(いざなみ) → 十一面観音菩薩
大行事権現=菊理媛神(くくりひめ) → 聖観音菩薩
大汝権現=大己貴命 → 阿弥陀如来
伊弉冉尊(いざなみ)他2柱 → 千手観音
伊弉諾神(いざなぎ)他2柱 → 薬師如来
国常立命(くにのとこたち)他1柱 → 阿弥陀如来
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神仏習合が進むと、古神道(山岳信仰)と仏教が習合化した日本独自の混交宗教、修験道が生まれました。修験道では、山伏、または修験者と呼ばれる行者たちが、日本各地の山々で厳しい修行を行い、験力(げんりき)と呼ばれる不思議な呪術を用いるとされてきました。
別当寺(一部の神社の寺院の管理下のお寺)では、権現(ごんげん)を用いて、神仏の両方に対して拝むことを可能にしていました。神が仏になるために現れた仮の姿として偶像崇拝されました。「権現」は「権」が「仮の」を意味し、「現」が「現れる」ことを意味します。
寛文4年(1664年)江戸幕府が寺請制度(檀家制度)を施行。
これはある意味、現代の戸籍制度に代わるもので、民衆はその証明がなければ、旅行にも行けませんでした。このため、各家庭に仏壇が置かれるようになり、法要は僧侶が行う慣習がこの時代に定着化しました。
明治時代に入り神仏分離令。
明治維新が国学を推進する立場から、国家神道として、天皇を軸とした古代神道への回帰を促す必要がありました。
結果、神社を選択した寺社では、数多くの仏像が廃棄されました。このため、神仏の区別は徹底的に行われ、現在、仏像が境内に安置されるような神社はほとんど見られなくなりました。ただ、風習は残り、今でも厄払いが神社、寺のどちらでも行われるといった習慣に表れています。
(寺から神社への転向例)
象頭山松尾寺金光院(香川県)→金刀比羅宮
白山寺白山本宮(石川県)→白山比め神社
秋葉寺(静岡県)→秋葉山本宮秋葉神社
感神院祇園社(京都府)→八坂神社
金亀山与願寺(神奈川県)→江島神社 など。
上記さまのHPを簡略化して載せさせて頂きました。
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