ミカヅキが知人のF氏(男性)に聞いた話を紹介します。
これは僕が小学校高学年の時の実体験です。
僕は学校が終わると、よく仲の良い男子数人と外で集まって遊んでいました。
その日の放課後も3,4人ほどで遊んでいました。
誰が言い出したかは忘れてしまいましたが、近所にある墓地に行って肝試しをしようということになり、僕らはノリノリで墓地に向かいました。
墓地は多少気味が悪かったものの、友人達もいるし、まだ日が高かったのでそれほど怖さは感じず、僕らはどんどん墓地の中へ入っていきました。
墓参りする人もなく墓地の中には僕らしかいませんでした。
しばらく歩き回りましたが、やはりおかしな現象などに遭遇しません。
このまま終わるのも面白くなかったので、僕はあることを思いつきます。
「墓石の中を見てみない?」
僕は友人達に言いました。
友人達は、不安と興味が半々な態度を示します。
僕は墓石の前の蓋をずらせば骨壺を置く納骨棺(カロート)が現れることを知っていたので、蓋を動かしやすそうな墓を探して、蓋の石を動かしてみせました。
友人達は内心怖がりながらも、初めて見るカロートやそこに安置されている骨壺を見て興奮した声をあげました。
僕は友達が驚いている姿を見て、ついつい調子に乗ってしまい、もっとすごいものを見せてやろうという気になりました。
今思うと本当に非常識で無礼千万な行為なのですが、僕はカロートの中に安置されていた骨壺の蓋を取り、中に入っていた遺骨をひとつ取り出してみせたのです。
それを見た友人達は、慌てた口調で僕に元に戻すように言いました。
僕も、ちょっとやりすぎちゃったかなと思いました。
僕が墓を元通りにすると、みんなで手を合わせて心の中で謝罪し、墓地を後にしました。
もともと僕は幽霊というのを信じていませんでした。
でも今は霊障とかバチが当たるとか、そういう不思議な現象は本当にあるのだと考えるようになりました。
なぜなら偶然にも、あの日、僕がお墓でいたずらをしていた時間に弟が交通事故にあっていたのです。
弟が自転車で道路の脇を走ってた時に、後ろから来た車にはねられたということでした。
弟は幸い足を骨折しただけですみましたが、これは僕が墓をいたずらしたことに対する警告だったように思えるのです。
皆さんは、ただの偶然だと思いますか…?
(終)