katakotoさんの「自分の信頼する人にその人の推薦する記事を紹介してもらってリレーを繋いで行こう!」という呼びかけで始まった「ALISバトン」を頂戴いたしましたので、僭越ながら繋がせていただきますね。
あ、「ALISバトン」って私が勝手にネーミングしちゃいました。
要するに、ALISISTAによるALISISTAのためのテレフォンショッキング(懐っ)という企画ですね。(ならタモリ役は誰?)
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まずはここまでの流れのおさらいです。
katakotoさん
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sphiarno-88さん
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milkyshadows
sphiarno-88さん、目に留めてくださってありがとうございました!
「風魔」の記事は、届く方にだけ届けば構わないと思って少々高額な有料設定にしておりましたから(現在は無料でお読みいただけます)、正直なところこうして注目を集めるのは望外で狼狽しているのですが、ここはもう意気に感じてALISの輪を紡いでまいりましょう。
ということで、少し語ります。以下おつき合いくださいませ。
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みなさんお察しの通り、「風魔〜」は神奈川県小田原市のごくごくローカルな、いわゆるマチオコシ的なテーマを地に置いて書かれたエントリーです。
大きく2つの背景がありました。
1つは、秀吉の小田原攻めで滅ぼされた後北条氏に仕えたとされる風魔忍者を観光誘致のためにキャラクターとして仕立てる動きがあること。そして2つめは、そんな矢先に小田原ジャンパー事件(2017年)が起こって世間を騒がせたこと。
この2つの事象が一繋がりの物語であることを明らかにしようとしたレポートが「風魔〜」だったのですが、残念ながら私の声は全く小田原の方々には響きませんでした。観光誘致の立場から見れば不都合な真実ですし、福祉行政の方の耳には場違いなファンタジーとしか聞こえないし、そもそも稗史はいかがわしく臭うので一般受けはしないのです。
結局のところ、「風魔〜」の物語に響いたオーディエンスは風魔的な魂を胸に抱くアウトサイダーたちだけでした。しかし彼らは既存の価値観や時代の同調圧力から一歩身を置いた生き様を信条にしていますから、雨粒は地に染みこむばかりで決して大河へと合流することはないのです。
そういった次第で、私は一縷の望みを託してALISの海にガラス瓶を投じることにいたしました。それがこうしてみなさんのスクリーンに拾われるとは、あぁ何たるセレンディピティ!
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…などとしみじみ感じ入っている場合ではないので、さっそく良記事マイニングに挑んでみました。キーワードとして想定したのは、ズバリ「地域通貨」です。(ALIS的かつ風魔的でしょ?)
ノミネート記事を3本、一部を引用しながら紹介いたします。
asakazeさん (公開日:2018/07/05 獲得ALIS:19.23)
エンデがこの世を去る前の年に、「根源からお金を問う番組を作ることができないか」とNHKに提案したのが「エンデの遺言」と言われるものです。
エンデは、お金の基本的な性質である「物と物とを等しい価値で交換する」という原点に立ち返るべき、と訴えました。
その対極にあるのが、資本主義世界で猛威を振るっている株式市場やデリバティブなどの、金融マーケットに流通している資本としてのお金です。
「根源からお金を問う」ことを提言したエンデの思想は、おそらくマルセル・モースが『贈与論』で紹介した「互酬的な贈与の経済」が下敷きになっているのでしょう。
つまり、私たちは「富」を「お金」という記号に象徴させて交換の媒介を委ねているに過ぎないはずなのに、いつのまにか記号が実体を飲み込んでしまってはいないか?とエンデは問うたのですね。
Economies2.0さん (公開日:2018/11/21 獲得ALIS:33.40)
“既存の価値を再定義・再発見し、新たな経済圏を産み出す”
ブロックチェーン技術を用いたクリプトエコノミクス(トークンエコノミー)の価値はこのように捉える事もできます。
しかし、サトシ・ナカモトによるビットコインの論文が発表される30-40年ほど前から、資本主義貨幣経済に代わる、オルタナティブな経済圏を作ろうとする動きは、実は世界の各地で存在していました。その1つが“地域通貨”です。
1999年に『エンデの遺言』がNHKで放映されると、日本でもあちこちで雨後の筍の如く地域通貨の試みが起りました。しかし残念ながら、圧倒的なグローバリズムの流れに抗って非中央集権型の経済圏を構築することは困難で、成功例としては記事で紹介されている藤野市の「萬」の他、早稲田・高田馬場を発祥とする「アトム通貨」、香川の「めぐりんマイル」 などが報告されるくらいでしょうか。
そこで今こそブロックチェーンの技術がブレイクスルーをもたらすのではないか、というワケなのですね。いつの時代も人類は技術によって時代を画期してきたのですから。
msfmnknsさん (公開日:2018/05/01 獲得ALIS:50.43)
西成(釜ヶ崎)には独自通貨「カマ」がある!
カマがコミュニティ内の支援と感謝を媒介することによって、助け合うという仕組みを機能的に補助しています。
ただし、その社会実装のためにはスケーラビリティの問題があり、その点がトークンエコノミーと共通しています。
西成の地域通貨「カマ」についてのコンパクトなルポルタージュです。
ブロックチェーン技術によってトークンエコノミーを社会実装するための方法論が確立されつつあるものの、どうやら鍵穴を整備しないことには鍵が鍵として機能しないということなのでしょうね。
せめてALISが成功事例を積み上げてトークンエコノミーの苗代になれれば面白いのですがね…。
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ということで、この3本のいずれかに次なるALISバトンをお繋ぎしようと考えたのですが、ここでふとsphiarno-88さんが「『菜根譚』のもう一つの魅力」の中でこんなことを書かれていたのが目に留まりました。
フレームを同じにして中身を変えることで多様性を打ち出す。
構造を決めて中身だけ変えるという方法は、同じ部分があることでかえって異なる言葉が強調された感じになることだと思うのです。
「菜根譚」はこのように構造を拘束していることでカラフルな風景や雰囲気を表現しているように感じます。
ふむふむふむ。構造(ブロックチェーン)を決めて中身(地域通貨)を変えればカラフルになる、と。
ナルホド〜。ならば「地域通貨」にこだわらず、もっと自由に想像力を解発させるような記事はないかしらん〜とノミネート記事の周辺をマイニングしてみると、あったあった、あるではないか、光り輝く原石がっ!!
さぁさみなさま、ここまで遠回りにおつき合いくださってありがとうございました。いよいよ発表させていただきます!!!
私がお届けするALISバトンはコチラです!
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msfmnknsさん (公開日:2018/10/10 獲得ALIS:48.07)
物語自体が分散して広がっていくような世界観を作れたらいいなと思っています。
ある描き手の物語を抽出して編集したり、もしかしたら途中から他の描き手の物語に移行するような編集にしたり、描き手がどんどん変わっていくような離れ業的な編集をしたりして、物語を俯瞰的に紡いでいくのも面白いかもしれません。
色々なアイデアが入ってきて、繋がっているけど広がっているような物語が作れたら嬉しいです。
現代の私たちは、リオタールが「大きな物語の終焉」と喝破し、スティービーワンダーが「まさに迷信だ」とシャウトしたように、社会を丸ごと正当化するための理屈や幻想から解き放たれる反面、個々が断片化され、まるでさざれ石のように小さな物語を生きているかのように見えます。
果たしてこの世界は一つなのか? 断片なのか?
いえ。選択肢は2つきりではなく、両者の間に無数にあるはずなのです。
「繋がっているけど広がっているような物語」
コードからノードへ、noteからALISへ、ですね。
私はmsfmnknsさんの志に溢れるコチラの記事にALISバトンをお渡しさせていただくことにいたします。
ではmsfmnknsさん、しばらくALISから離れてらっしゃるご様子ですが、次なる良記事マイニングをよろしくお願いいたします。