全豪オープンテニス2021もいよいよ大会終盤に差し掛かり、男女ともシングルス4強が出揃いました。
男子はジョコビッチ vs カラツェフ、メドベージェフ vs チチパスの準決勝。
女子はムホバ vs ブレイディ、大坂なおみ vs セレナ・ウィリアムズの準決勝。
ベテランの域に入っても尚強いBIG4の1人・ナダルが、若手チチパスに2セットアップから逆転勝利を献上する波乱に見舞われ準決勝進出ならず。
と書いたものの、チチパスの実力からすればナダルの敗戦自体は波乱ではなく、負け方にひと波あったなという印象です。
特に第3セット、ここを取ればストレートでナダル勝利という状況下で起きた、まさかのスマッシュミス2本+安易なミスが致命的でした。宇宙人とも形容される、アンダー・プレッシャーでも正確無比なショットを誇るナダルが見せた綻びを、チチパスは逃しませんでした。
試合後半にはスタミナ(フィジカル)の差が如実に表れるシーンも増える中、それでもファイナルセットはゲームカウント5-5までサービスキープを続けたのだから、ナダルの底力はやはり驚異です。
勝ったチチパスは、ロシア同胞対決を制したダニール・メドベージェフと。
チチパスとメドベージェフといえば、コート内外で衝突を起こしたこともある「因縁」の対決。今では仲直りしたと両者とも公言していましたが、実際のところどうなんでしょうか...。
メドベージェフのぬるっとしたテニス(ひたすら返球され、気がつけば形勢逆転でアンフォーストエラー誘発)の術中にはまって、フラストレーションが溜まれば、チチパスもジョコビッチみたくラケット破壊に走ってしまわないかと少し心配です。
ナダル戦で見せたフォアのアングル強打など、思い切りの良さが良い方向に出れば、善戦も期待できるのではないでしょうか(あとはメドべの足の状態次第ですかね、ルブレフとの試合後にマッサージを受ける珍しいシーンがありました)。
ルブレフの強打を全く苦にせず跳ね返したメドベージェフ。
フィジカルの状態も考えると、優勝候補筆頭と言ってもよいでしょう。
さて、一方のトップハーフ。
一躍時の人となっているカラツェフは、ディミトロフとの一戦では運に恵まれました。
第1セット、今大会好調で久々に上位進出を果たしたディミトロフに圧倒され、良いとこなくセットを落としましたが、第2セットに入るとディミトロフに異変が。
立つことすらままならない様子で、苦しみだしたディミトロフ。明らかにアクシデントに見舞われていました。
後からわかったことですが、試合前の時点で痙攣に悩まされていたというディミトロフ。錦織しかりラオニッチしかり、なぜあの世代は大事なシーンで怪我に泣かされてしまうのでしょうか...泣
様子のおかしい相手をしっかりと攻めきって勝つのは簡単ではないことは、ムホバに逆転された第1シード・バーティを見れば分かりますが、カラツェフには無関係でした。
昨シーズン、チャレンジャーで3大会連続ファイナル進出、ATPカップでの仲間の活躍も間近で見て自信を相当に深めてきているカラツェフの強打が収まる気配はなく、思い切りの良いウィナーが最後まで決まり続けて、ついに予選から勝ち上がってベスト4進出です。
ライブランキングでも錦織圭を上回る驚異のジャンプアップで、TOP100圏外から一気に42位まで浮上しています。
カラツェフはオジェ=アリアシム相手に2セットダウンから逆転勝利を飾るなど、観客の歓声を味方につけて集中力を保てる力も証明済み。ジョコビッチ相手といえど、本調子でないジョコならもしかして...と思わせるだけのパフォーマンスを見せてきています。
そのジョコビッチですが、クライノビッチ戦で負傷した脇腹の状態次第です。
ズベレフとの一戦は手に汗握る攻防が続きましたが、やはり要所を締めるのはジョコビッチ。
全ての配球に意図が感じられるような、詰将棋のようなテニスは手負いであっても健在です。
また、何故かズベレフ戦で今大会自身最速となる207(208?)キロのサービスエースを叩き込むなど、相変わらず人間離れした動きを見せているジョコビッチ。
ラウンドが進むごとにギアが上がってくるのは平常運転。
カラツェフ戦は、身体の状態に心配がなければ、負ける心配はまずないでしょう。
女子はトップハーフは当日に調子の良い方が勝つでしょうが、ブレイディがラリー戦で優位に立つ中でムホバがどう反撃の糸口を掴むのか...といった試合展開になるのではないでしょうか。
ムホバは3回戦 vs プリスコバでも、ゲームカウント0-5から7ゲーム連続奪取でセットを取ってしまうなど、試合中の波が激しい今大会なので、セットが終わるまで、試合が終わるまで安心できない相手ですね。
一方のボトムハーフは...事実上の決勝戦です。
もちろん大坂なおみの勝利を願っていますが、今大会のセレナのテニスは、全盛期にかなり近づいています。ショットセレクトもプレースメントも言うことなしで勝ち上がってきているので、ストローク戦では互角か、ややセレナに上回られる恐れもあります。
ここぞの重要局面で、いかに良いサービスを入れてフリーポイントを増やすか。
どれだけ試合を長引かせて、体力・集中力を消耗させるか。
そのあたりがキーになってきそうです。なんとか勝って決勝進出を果たして欲しいものです。
さて、全豪が盛り上がりを見せていますが、錦織圭の動向も見逃せません。
GAORAでは、週末の土曜に特別番組にて錦織も出演するスペシャル番組が放映されます。
<番組概要>
■番組名:
「男子テニスATPツアー2021開幕スペシャル~錦織選手・西岡選手・内山選手に色々聞いてみた~」
■出演:
錦織圭、西岡良仁、内山靖崇
佐藤朱(AKB48)、鍋島昭茂、近藤大生
■放送日時:
2月20日(土) 21:00 ~ 22:30 ほか
鍋ちゃんこと鍋島さんのナレーションでしょうか?
AKB卒業で話題になっていた佐藤朱ちゃんも登場ということで、諸々楽しめそうですね。
次戦はロッテルダムにて、ATP500とは思えないほど豪華メンバーの中で試合をこなす予定の錦織圭(因縁のカレーニョブスタは既にウィズドローしてますが)。
きっかけを掴んで、ランキング上昇を果たしてくれますように。
本人が言うように、TOP10に返り咲ける可能性は十分にあると思っています。
錦織圭の最新情報については、まとめ記事も是非ご覧ください。
まずは佳境を迎えている全豪オープンテニスの観戦に集中したいと思います!
ダラダラと長文失礼いたしました。