2021年、シーズン最初のATPマスターズ1000である「マイアミ・オープン」がいよいよ開幕します。
⇒マイアミ・オープン(大会情報まとめ)
通常シーズンであれば、マスターズ開幕戦といえばBNPパリバ・オープン(インディアンウェルズ)ですが、2020年大会に続いて2021年大会も中止が濃厚(今のところ「延期」処置です)。
さて、マスターズなのでランキング上位選手は基本的に参加義務が課せられていることもあり、最新ランキング41位の錦織圭は当然シード圏外かと思いきや...
なんと、世界ランキング1位のジョコビッチなどを含む、錦織よりも上位ランカー9名が参加を辞退するため、第32シードに滑り込む見込みです(錦織32シードの情報は3/20時点、欠場者が出ればシード順が上がる可能性もあります)。
欠場者が出た分、繰り上がりで本戦入りする選手も多いわけで...日本人選手では、最新ランキング109位の内山靖崇までストレートインという異常事態です。
ノバク・ジョコビッチ(1位)
ラファエル・ナダル(3位)
ドミニク・ティーム(4位)
ロジャー・フェデラー(6位)
ガエル・モンフィス(14位)
パブロ・カレーニョ ブスタ(15位)
スタン・バブリンカ(21位)
ボルナ・チョリッチ(24位)
フィリップ・クライノビッチ(33位)
ギド・ペラ(48位)
リシャール・ガスケ(49位)
ニック・キリオス(50位)
アレハンドロ・ダビドビッチ フォキナ(52位)
パブロ・アンドゥハル(57位)
カイル・エドマンド(63位)
ジョー=ウィルフリード・ツォンガ(66位)
ジル・シモン(67位)
パブロ・クエバス(72位)
コランタン・ムーテ(74位)
エントリー選手一覧やドロー(トーナメント表)についてはこちら。
欠場者が多い理由の一つに挙げられるのが、コロナ禍でのプレーや調整が難しく、怪我や体調不良が蔓延している点です。
フィジカルを万全に仕上げてグランドスラムなど有力大会に参加する絶対王者ジョコビッチでさえ、全豪オープン2021の大会中に脇腹を痛めて一時満身創痍の状態に陥りました。
特に2021年シーズンは脇腹や腹筋を痛める選手が多く、今後のツアー転戦が心配されます。
また、マスターズが単体でアメリカ開催で、マイアミ翌週からのクレーコートシーズンはほとんどが欧州を舞台に開催される点も選手にとって懸念材料となっています。
ヨーロッパからアメリカへのフライト移動だけでも負担が大きいため、いっそマイアミをスキップして早い段階からクレーコートへの適応に時間を割く選手も多いようです(ティームはその代表例)。
アメリカ・フロリダ州の新型コロナウイルス感染拡大状況も心配な点です。
現地マイアミを含むフロリダ州は、コロナが収束しているとは言い難い状況が続いており、ピークは過ぎたものの未だに数千人/日の新規感染者が出ています。
以上のような理由から、マイアミ不参加選手が増えたものと考えられます。
どれも欠場やむなしの原因・理由なので、棄権する選手は責められるべきではありません(ポイントディフェンド分の喪失が半減されているとはいえ、欠場者は前回マイアミ分として保持していたATPポイントを失うリスクを負っています)。
日本人選手に目を向けると、特に錦織圭にとってはチャンス到来と言えます。
第32シードだと3回戦で第1〜8シードとの対戦が控えますが、候補選手にBIG4がいません。これは非常に追い風です。
鬼門の3回戦を突破できれば、一気にドローがオープンになってトーナメント上位進出に望みが出てくるでしょう。
おっと、つい皮算用してしまいますが、そもそも現在のATPツアーで簡単な相手などいませんので、試算はいけませんね。
ドバイテニス選手権では予選上がりのハリスに敗れた錦織。そのハリスは決勝まで勝ち上がっています。
コロナ禍の特殊なシーズンの影響なのか、新規勢力が一気に増えている印象です(ロシアのカラツェフ、ドイツのコプファー、イタリアのムゼッティなど)。
錦織と同世代の「ヤングガンズ」も、この状況でもう一度輝きを放って欲しいものです。
マイアミ・オープンは3/22(月)頃に、男女共催で開幕します!!
女子大会は大坂なおみが全豪オープン以来の実戦ですので、こちらもご注目ください。