もずく powered by Web3.0 です。
DAppsゲームが盛り上がりを見せていますが、いまのところ、ERC721と親和性の高い育成ゲーム系が目立ちますね。
その他のジャンルのゲームもこれからどんどん登場すると思いますが、基本的にはERC721(やERC1155)によるアイテムやキャラのトークン化がその特徴になるかと思います。
そして、それらトークン化されたキャラやアイテムをETHやERC20トークンで売買する…というのがDAppsゲームの基本的な遊び方になりそうです。
それはそれでいいと思うのですが、トークンというのはDAppsの特徴の一つでしかありません。
パブリックなブロックチェーンに情報が刻まれて共有される…という部分がうまく活かされたゲームがまだ無いように思います(まあ調べてないんですけど)。
ブロック承認のコンセンサスも、PoWやDPoSなどをそのまま使うものばかりかと(もしくはプライベートチェーンか)。
そこで、もずくさんがDAppsの特徴を最大限に活かしたファンタジーゲームを提案したいと思います。
この提案はゲームだけでなく小説や漫画などファンタジー作品全般に適用できるので、「ファンタジー世界を共有するブロックチェーンプロジェクト」というべきかもしれません。
「ガンダム」というアニメシリーズを知らない人は少ないでしょう。
初代の「機動戦士ガンダム」から始まったこのシリーズは、その後に発表されたすべてのガンダムシリーズが同じ世界を共有しています。
それぞれのガンダム作品は、その世界におけるどこかの時代の話であり、他の作品の歴史や設定をきちんと受け継いで創られています。
ガンダムシリーズはすべて公式のストーリーですが、よくできたファンタジーの世界は、二次創作の舞台として共有されることがしばしばあります。
オリジナルのストーリーの未来の話や過去の話、同じ時代でもそのサイドストーリーなど、その世界観を受け継いで新たなストーリーを空想するのは楽しいものです。
そうやってみんなから共有されるファンタジーの“世界観”は、そのオリジナルとなったゲームや小説を離れて独り歩きしていきます。
次々と創り出される二次創作の中には、オリジナルを超える人気を博する作品も出てくるでしょう。
しかし、全員が好き勝手にオリジナルストーリーを拡張してしまっては、二次創作同士の整合性が取れなくなってしまいます。
また、意図的にオリジナルストーリーとの整合性を無視する二次創作者が出てくるかもしれません。
この問題を解決するには、新しく創られた作品が、きちんとそのファンタジー世界の歴史や設定と整合しているか、誰かが監視・検証する必要があります。
その検証にパスしたものだけを正式な二次創作として認めるのです。
とはいえ、ボランティアでそんな面倒な検証役を買って出る人はいるでしょうか。
その世界観の熱烈なファンなら有志でやってくれるかもしれませんが、その人たちの判断を他のファンたちが納得するでしょうか。
もしかしたら検証ボランティアが大人気になって、別の有志がどんどん手を挙げ、検証機関が乱立するかもしれません。
また、そもそも作品を検証したとして、その結果を誰が管理するのでしょう。
データベースを管理している人たちが、自分の趣味に合わせて勝手に変更しないとも限りません。
カンの良い方はもうお気づきかと思いますが、こういった問題はブロックチェーンの得意とするところですよね。たぶん。知らんけど。
私の提案する「ファンタジーチェーン」プロジェクトは、ファンタジー世界の歴史と設定をパブリックブロックチェーン(ファンタジーチェーン)に記録します。
ファンタジーチェーン上で発行されるファンタジーワールドトークン(FWT: Fantasy World Token)は、以下の役割を持ちます。
・ファンタジーチェーンへの作品登録手数料
・作品を検証するバリデータ(検証者)への報酬
・トークン保有者が作品情報をファンタジーチェーンに記録する際の保証金および報酬
・バリデータ選出の際の投票権
・ファンタジーチェーンに記録された情報への却下投票権
もちろん、グッズ販売や作者等への投げ銭などに使用することも可能です。
以下、ざっくりと流れを説明します。
ファンタジーチェーンでできることは次の3つです。
1. 新しい作品の検証とチェーンへの登録
2. 歴史・設定のチェーンへの記録
3. 不正や検証ミスへの対策
新しい作品の検証は数人のバリデータによって行われます。
作品が投稿されると、バリデータはファンタジーチェーンに登録されている情報との齟齬がないかを確認し、却下・再投稿・採録の判定をそれぞれが行います。
スマートコントラクトは2/3のバリデータから判定を受け取った時点で結果を集計し、多数決で最終判断を下します。
バリデータは、判定に参加するだけで報酬が得られ、最終判断と一致した場合には更に報酬が得られます。
また、創作者に対して詳細なレポートを書いた人には追加の報酬もあります。
このように、トークン報酬によるインセンティブを用意することによって、検証作業をボランティアではない形で実現します。
一方、2/3のバリデータが判断を下した時点でスマコンが最終判断を下すので、ゆっくりしているとバリデータなのに報酬がゼロになります。
また、後述するトークン保有者による不信任などによって、バリデータを降ろされたり、次にバリデータになりにくいような仕組みもあります。
ファンタジー世界の共有でもう一つ大切なのは、各作品の歴史や設定をファンタジーチェーンに登録していくことですが、この作業はかなり細かくて面倒です。
創作者本人が登録するのが一番正確なのですが、作品が却下されたり再投稿になったりする度に登録情報を改めて用意するとなると、創作意欲が萎えるかもしれません。
そこで、この登録作業はトークン保有者なら誰でも申請できるようにします。
各作品の歴史や設定を書式に従って一つずつ申請し、バリデータが検証して採択されれば、その申請者に報酬が入るようにします。
ミスや不正を減らすために、申請時には保証金を預け、問題が見つかったときには保証金を没収します。
おそらく、採録が決定した作者本人や作品を読み込んだバリデータが大部分の登録をすると予想されますが、その他のトークン保有者たちが残った細かい穴を埋めてくれることを期待しています。
最後に、バリデータが不正やサボりをしないようにトークン保有者が監視できる仕組みが必要です。
その仕組は、次の3つの投票・要求によって実現します。
・バリデータへの不信任投票
・ファンタジーチェーンに投稿された作品への取り下げ要求
・ファンタジーチェーンに登録された情報への取り下げ要求
不信任投票は直接的にバリデータを引きずり下ろすものですが、ファンタジーチェーンに登録された作品や情報が取り下げられた場合にもバリデータには汚点が残るようになっています。
バリデータの情報に汚点が残ると次に選出されづらくなるので、バリデータはできるだけ真摯に新作品や情報(歴史・設定)の検証を行うようになります。
どうせ「ユーザ=アドレス」なので、汚点のついたバリデータのアドレスは捨てて新しいアドレスでバリデータに立候補すればいいじゃないか…と思うかもしれません。
しかし、みんなが愛するファンタジー世界に新しく追加される作品を選ぶ立場にあるバリデータ(≒編集者)は、誰もが憧れる役職になるはずです。
汚点のついたアドレスを捨てるということは、同時に過去の実績も捨てることになります。実績のないバリデータ立候補者が選ばれることは難しいのです。
いかがでしょう!?
細かい部分の詰めはまだまだ必要ですが、誰かこのアイデアを実現してくれないでしょうか?
私は初期発行トークンの10%ほどもらえれば満足です:)
賢い人、よろしく😆
以下、細かい仕様です。(自己満足の世界)
数値はすべて暫定です。
過去に1度でもバリデータになったユーザ(=アドレス)には英数字によるIDが登録可能になり、検証等に関する履歴がすべてファンタジーチェーンに記録されます。
バリデータリストには、現バリデータの情報に加えて、バリデータに立候補中のユーザ(IDもしくはアドレス)もリストアップされています。
1. トークン保有者
1-1. バリデータリストを見て、いつでもバリデータに投票しておくことができる
1-2. 投票は各アドレスから最大16票とし、投票数だけFWTがロックされる
1-3. バリデータリストは投票数でソートされているので、現バリデータも含めて順位が常に分かる
1-4. バリデータへの立候補を取り下げたユーザへ投票していたFWTはその時点でアンロックされる
2. スマートコントラクト
2-1. 現バリデータが降りることを表明したときや、一定数の作品(6作品)を検証したバリデータが出てきたら、バリデータの再選出日時を告知する
2-2. 再選出日時になった時点のバリデータリストのランキングを基づいて次のバリデータを選出する(一定数の作品を検証したバリデータはこのターンには参加できない)
2-3. 新規にバリデータになったユーザにはIDを登録するよう通知する
ファンタジーチェーンに作品が登録されるまでの流れは次のとおりです。
また、報酬として与えられるFWTは不足分のみ新たに鋳造されます。
1. 創作者
1-1. ファンタジーチェーンの情報を閲覧し、ファンタジー世界の歴史や設定を確認する
1-2. 整合性を崩さないように自分の作品を制作する
1-3. 投稿手数料(36FWT)を添えて、ファンタジーチェーンのスマートコントラクト(以下、スマコン)に作品を投稿する
2. バリデータ(12人)
2-1. スマコンに登録された作品を読む
2-2. 作品のクオリティによっては却下とし、その理由と共に「却下」の評価をスマコンに送信する
2-3. ファンタジーチェーンの情報と作品の間に齟齬があれば、その内容と共に「再投稿」の評価をスマコンに送信する
2-4. 齟齬も却下も委任もなければ、書評とともに「採録」の評価をスマコンに送信する
3. スマートコントラクト
3-1. 2/3のバリデータ(8人)から検証結果が集まったら検証フェーズを修了し、その多数決により再投稿・却下・採録の判断を下す(同数の場合はより低い評価を優先する)
3-2. 「却下」の場合、却下と判断したバリデータの「却下の理由」を創作者に送信する
3-3. 「再投稿」の場合、再投稿と判断したバリデータの「齟齬の内容」を創作者に送信する
3-4. 「採録」の場合、創作者に対して採録を通知する
3-5. 検証結果を送信した全バリデータに3FWTを、最終結果と判断が一致したバリデータには更に12FWTを報酬として与える
4. 創作者
4-1. 却下の場合、参考になった「却下の内容」を記述したバリデータを最大2名まで選出してスマコンに送信する
4-2. 再投稿の場合、参考になった「齟齬の内容」を記述したバリデータを最大2名まで選出してスマコンに送信する
4-3. 採録の場合、参考になった「書評」を記述したバリデータを最大2名まで選出してスマコンに送信する
5. スマートコントラクト
5-1. 創作者からの返答を受けて、却下の場合には24FWTを、再投稿の場合には12FWTを創作者に返金する
5-2. 4で選出されたバリデータに12FWTの報酬を与える
5-3. 作品が採録された場合、作品のハッシュ・採録と判断したバリデータのID・作品を記録したIPFSのアドレス・タイムスタンプ等の情報をファンタジーチェーンに記録する
5-4. なお、創作者からの返答が一定期間(2週間)なかった場合、投稿料36FWTを全額没収し、採録の場合は作品のファンタジーチェーンへの記録も却下する
6. その他
6-1. バリデータは、新規に採録された作品の情報(後述)が概ね登録されたと判断したら、次の作品の検証にOKを出す
6-2. スマコンは2/3のバリデータ(8人)からOKが出たら次の作品の検証を受け付ける
6-3. チェーンへの登録情報が不十分な場合、以降の作品で齟齬が生じる場合があるのでバリデータは慎重に判断する必要がある(齟齬をトークン保有者に指摘されるとバリデータに不利益になる)
作品がファンタジーチェーンに採録されても、その作品の歴史や設定をチェーンに登録する作業が必要です。これはトークン保有者であれば誰でも参加できます。
1. トークン保有者
1-1. ファンタジーチェーンに採録された作品(IPFSにデータがある)を読んで、ファンタジーチェーンに追加したい歴史や設定を書式に従ってスマコンに投稿する
1-2. その際、保証金として2FWTをスマコンに送金する
2. バリデータ
2-1. 登録された情報を検証し、問題なければ「採用」の判断をスマコンに送信する
2-2. 問題があれば「却下」の結果をスマコンに送信する
2-3. すでに検証したものと同じ内容であれば、「既出」の判断と重複情報の識別子をスマコンに送信する
3. スマートコントラクト
3-1. 1/2のバリデータ(6人)から検証結果が集まったら検証フェーズを修了し、その多数決により採用・却下・既出の判断を下す(同数の場合はより低い評価を優先する)
3-2. 採用の場合、その情報をファンタジーチェーンに記録し、情報投稿者に保証金2FWT+報酬2FWTを送金する
3-3. 却下の場合、情報投稿者に保証金から1FWTだけ返金する
3-3. 既出の場合、投稿時にファンタジーチェーンに登録されていた情報であれば保証金の返金はなし、バリデータのみが持っている情報であれば情報投稿者に保証金2FWTを返金する
トークン保持者は、バリデータへの不信任投票や、ファンタジーチェーンに投稿された作品、情報(歴史・設定)への取り下げ要求をすることができる。
いずれもFWTをロックすることで投票や要求をする。
不信任投票はいつでも行うことができ、現在の不信任投票数はバリデータリストに表示されている。
1. バリデータへの不信任投票
1-1. バリデータへの不信任投票は各アドレスから最大16票(16FWTのロック)まで投票することができ、一定数の不信任票(4000票×N)が集まったらバリデータによる審議が実施される(N:そのバリデータが過去に不信任審議で信任を勝ち取った回数+1)
1-2. バリデータ内での審議は全バリデータによる多数決によって採決される(委任する場合は3FWTをスマコンに送金)
1-3. 不信任審議が終わったら、ロックされていたFWTは全額アンロックされる
1-4. バリデータが不信任となった場合は、直前のバリデータ選出の結果を繰り上げて補填する
なお、バリデータ内での不信任投票は匿名で実施され、信任/不信任の票数も隠される(結果のみ判明する)。また、不信任となった場合、その記録もバリデータ選出の際には公開される。
2. ファンタジーチェーンに投稿された作品への取り下げ要求
2-1. 作品への取り下げ要求は各アドレスから最大16票(16FWTのロック)まで投票することができ、一定数の不信任票(4000票×M)が集まったらバリデータによる審議が実施される(M:その作品が過去に取り下げ審議で取り下げ無しとなった回数+1)
2-2. バリデータ内での審議は全バリデータによる多数決によって採決される(委任する場合は3FWTをスマコンに送金)
2-3. 取り下げ審議が終わったら、ロックされていたFWTは全額アンロックされる
2-4. 取り下げ審議によって取り下げられた作品を「採録」としたバリデータ(のID)には、その旨が記録される
3. ファンタジーチェーンに登録された情報への取り下げ要求
2-1. 作品への取り下げ要求は各アドレスから最大16票(16FWTのロック)まで投票することができ、一定数の不信任票(1600票×L)が集まったらバリデータによる審議が実施される(L:その情報が過去に取り下げ審議で取り下げ無しとなった回数+1)
2-2. バリデータ内での審議は先着2/3のバリデータ(8名)による多数決によって採決される(委任する場合は1FWTをスマコンに送金)
2-3. 取り下げ審議が終わったら、ロックされていたFWTは全額アンロックされる
2-4. 取り下げ審議によって取り下げられた情報を「採択」としたバリデータ(のID)には、その旨が記録される
誰や、いま「暇人」言うたやつ…!