もずくです。
ALISの《いいね》のロジックが本当に記事の質(≒書き手の信頼度)を反映しているのか…という話はたびたびALIS記事のテーマになっているかと思います。
いまのところの私の印象は、
ファンダメンタルズを軽視してテクニカルに偏重したトレードみたい…
というものです。
ファンダメンタルズは「記事の内容」に対応していますが、テクニカルっぽいというのは「このローソク足の形は上がりそう…!」というのと同じ感覚で「この書き手の《いいね》は上がりそう…!」で《いいね》している人が多いのではないか…ということです。
ロジックを見たときからそうなるんじゃないかな…とは思っていましたが、先日、ハッカー部から提供されたデータを見てさらにその思いを強めました。
まず以下の記事から時間帯と《いいね》のデータを引用すると…
上のグラフは《いいね》が20以上の記事数です。平日(青色)だと通勤時刻に大きな山があり、昼休みに小さな山があります。
ちなみに、投稿数と時刻のグラフにはこれと同じ山はありませんので、投稿数に比例して山ができているのではなく、純粋に《いいね》の多い記事がこの時間帯に増えるということになります。
一方、《いいね》が20未満の記事数(下のグラフ)は全体的に平坦で、20以上のグラフと比較すると深夜0~3時が相対的に上がっているくらいです。
単純に考えると、通勤時刻や昼休みに長い記事をじっくり読む時間は少ないにも関わらず、その時間帯に《いいね》を集める記事が集中しているということは、個々の記事の評価を短時間で下している…ということになります。
つまり、記事の内容ではなく書き手だけで判断しているのではないか…という邪推ができます。
「そんなことないよ、通勤時間ほどゆっくり記事が読める時間なんてないよ」という人ももちろんいると思います。
確かに私も、家にいるときより通勤時間のほうが長い記事を読んだりしています(大抵はTwitterかsolaをいじっていますが)。
では、もう一つのデータを見てみましょう。以下の記事から、《いいね》の時間変化のグラフを見てみたいと思います。
上のグラフは不動のNo.1人気である毛根女子さんのデータ、下が5/18に人気No.1だったookamiさんのデータです。
このデータからは「あ~、人気記事って《いいね》の増加速度(グラフの勾配)で決めてるのね~」ということがわかりますが、それは今回は置いておいて…
毛根さんとookamiさんのグラフの形状に特徴的な違いがあります。
毛根さんのグラフの形状は、最初にかなり急な勾配があり、そこから綺麗になだらかになっていきます。
これは、投稿されてすぐに大量の《いいね》が押されたあと、既に押された《いいね》数に応じて《いいね》を押すのを諦める人が増えていることによる形だと推測できます。
ここまで綺麗な形になるということは、大衆が共通した基準で《いいね》を押すかどうかを判断している、つまり、毛根さんの記事は内容に依らず《いいね》が期待できる…という前提の下、自分が記事を見つけた時点での《いいね》数のみによって《いいね》を押すかどうかを判断している…と邪推できます。
普通ならookamiさんのように、人気記事の順位に影響を受けつつ、少し歪んだ形状でじりじりと《いいね》を増やしていくはずです。
ここで一つ、絶対にお伝えしておかなくてはいけないのは、
毛根さんの記事に内容がないと言っているわけでは決してありません。
毛根さんの記事は面白いです。最近どんどんキレが増しているように思います。
まずはそういう面白い記事が書けないと、内容を見ずに《いいね》をもらえるようにはなりません。実力があったからこそ、毛根さんの記事はテクニカルでいうところの美しい逆三尊になれたのです。そして一旦そうなってしまったら、その形を見ただけで大衆はロングポジションをとるのです。
もちろん毛根さんだけでなく、アリスマンさんやアンバサダーの皆さんをはじめ、その名前だけで《いいね》が押される人たちはたくさんいます。
そこまでの存在になれた実力を認めた上で、ただ現実問題として、ALISトークンを効率よく稼ぐために、大衆はファンダ(内容)を無視してテクニカルに取引を行っているのでは…ということです。
実際のところ、人気者の記事に限らず、ほとんどすべての記事は読まれずに《いいね》されているようにも思います。
なぜなら、ほとんどの人が、人気記事の中からまだ《いいね》の少ない記事を探して《いいね》しているだけかもしれないからです。
上記のookamiさんの《いいね》の時間増加のグラフを見ると、そういった裏の意図が透けて見えるように感じます。
その原因はALISの報酬ロジックにあると私は思っています。
少なくともALISのホワイトペーパーに掲載されているロジックには、そのような行動を許容する要因が含まれていると思います。
・5分間のインターバルをおけば、何度《いいね》しても構わない
・記事のページを開いてから《いいね》するまでの時間に制約がない
APIが公開されたので、この問題点をつくbotが登場するのは時間の問題だと思います。
例えば、深夜2時の寝ぼけた頭で考えた以下のアルゴリズムですら、内容を読んでポチポチ《いいね》するよりは効率よく稼げそうな気がします。
5分毎に、
記事の現在の《いいね》数の増加速度
÷ √その記事の《いいね》数
× その記事の書き手の平均《いいね》数
÷ その記事の書き手に対して前回《いいね》してからの経過時間
が最も大きい記事に《いいね》する。
※各項に掛ける係数は調整する必要があります。
このALISのロジックが抱えている問題って、なんだかPoSの“Nothing at Stake”問題に似ている気がするんですよね。
ALISでは《いいね》することに何も賭けなくて済みます。損がないから気軽に攻撃が仕掛けられるわけです。
だから解決策もPoSのアナロジーをとって、Casper(Slasher)のような懲罰的アルゴリズムを導入するのがいいのかな…と思ったりしています。
たとえば、《いいね》の伸びない記事に《いいね》すると報酬が減るようにするのはどうでしょう。
報酬を(ウォレットから)減らすというのは難しいですが、上記のような行動をとったらその後の報酬が目減りする仕組みならいけそうな気がします。
それに加えて、《いいね》の頻度に応じて報酬が減るようにしておけば、botを使われたときの損害も少しは押さえられるように思います。
…というような話は、2~3月頃の公式Discordでよく挙がっていたように思います。
当時、ALISのWhitePaperにロジックが掲載されていることすら知らなかった私は、勝手に以下のようなロジックを考えて投稿したりもしました。
それをぴゅーぱさんが清書してくださったのですよね。当時は「ぴゅーぱ」という名前ではありませんでしたね、懐かしい。
私は未だに書き手の信頼度と読み手の信頼度はわけたほうがいいのでは…と思っていますが、その話までしだすと長くなるのでまたいずれ:)
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