台風15号・19号で各地にまたおびただしい枚数のブルーシートが張られた。壊れた屋根、壁をふさぐため、でも雨や風、暑さ寒さは防ぎきれないやるせない光景がまた増えた。
2016年5月、地震後の熊本を訪れたとき、着陸する飛行機で頭に浮かんできた思い。それ以来ずっとそう思っている。
「青が、痛々しい」
窓から見える民家の屋根に被せられたブルーシート。
民家の瓦屋根が崩れて、その上を「全く異質の青」が無数に覆う風景に
そう感じた。
「あの色を何とか変えられないかな?」
本来は、空や海の色を思わせるはずの「青」が傷ついた町や村でそこで失われた命や暮らしに当てられた包帯や絆創膏のようだ。
人間の肌の上に「異質な白(血の赤がにじんでいることも)」がかぶせられているのを見ると「痛い」と直感するように、日本が年に何度も災害に襲われるようになった今、あの「青」を「痛い」と思う方もいるのではないかな。
本来、建設などで使われるために生み出されたブルーシート(昔はオレンジだったそうです)それが本来の目的を離れて、「災害の風景の象徴」のようになってしまった今、他の色を考えてみてもいいのではないか…。
原発事故の汚染土が運び込まれた福島市内で「グリーンシート」を
見たことはあるけど、建設用である限り、色はさわやかな青か緑に限られているようで…。
壊れた屋根や壁を覆うため、比較的長期にわたる使用を考えたら、シートの色は、景観に溶け込む、もっと穏やかな色に出来ないか。「ベージュ「茶」「明るいグレー」など。
被害が見えにくくなるかも知れない。でも、被災者した人たちはあの目を刺す「青」を見ながら不自由な生活に耐えないといけない。せめてシートが優しい色になれば、 痛々しさを軽減する効果はあるのでは?絆創膏の色が(日本では) 肌色に近づけられているように。
海外の紛争地や難民キャンプでは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の
「ホワイトシート」をよく目にする。多くは土の色に覆われた難民キャンプで、この「白」はそこに「救いの手」が及んでいることを主張しているかのようだ。
日本の被災地に散らばる「青」はどうなんだろう?ブルーシートの色、なんとか変えられないかな。