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300名山 白木峰の春・夏・冬

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  • odkTmの道
  • 2019/04/17 09:32

私の好きな白木峰はおわらの町八尾の奥にある山です。八尾の人にとってはふるさとの山でしょう。2018年に訪れた春と夏と冬の白木峰山行を紹介します。

 

 

春・BGMが流れる貸し切りの白木峰

2018/5/20日
8:15 国道ゲート前よりチャリ 
9:00 登山口
10:20 小白木峰
11:50 白木峰 12:20
14:30 登山口よりチャリ
14:45 ゲート前

チャリ距離 11.8km
登山距離 11.2km
高度上昇 1453m

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杉平キャンプ場から先の林道は使わず、国道(酷道)471号を進む。まだゲートが閉じているので、チャリを持ち込んだ。

 

 

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取水施設の裏に登山口あり

登山口まで距離は約6km、30分ほどで行けるだろうと思ったが、標高差370m、かなりきつい勾配もあり手押しして歩いたところもあった。きつかった〜。

で、到着すると車が止まっている。岐阜県側が開いてるのかな、先行者? チャリを置いて取水口建屋のトンネルを通って登山開始。

 

 

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登山道は最初は斜面をトラバースしていく。倒木も多く、道はくずれて危ないところもある。危険箇所を抜けたら尾根を直登。イワカガミがたくさん咲いていた。先行者の足跡が見当たらないので、どうやら車の主は釣り人だろう。山はガスがかかっていて幻想的だった。次第に晴れてくるだろう。

 

 

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急登を登り切ると平坦になり、池塘が現れる。ちょうどその頃青空も見え始めた。

ここからの登山道にはショウジョウバカマ、イワナシ、バイカオウレン、ツバメオモトなど、目を楽しませてくれる。

 

 

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小白木峰のピークを過ぎて、ブナ林を出たり入ったり。どんどん雲が取れていき、青空が広がって新緑が美しく映えた。この辺りの木々は今が芽吹きのころだ。

 

 

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山頂方面

白木峰の稜線は標高1500m前後と低いのだが、2000mの高原を歩いているような感覚を味わえる。雨上がりの今日はやっぱり空気が澄んでいて、北アルプスから乗鞍、御嶽、南アルプスも見えた。さぁ、山頂は近い。

 

 

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剱岳、立山、薬師岳

山頂はやっぱり貸し切りだった。写真を撮ってのんびりする。なぜこんな手軽でよいところに誰も来ないのだろう。誰もいなくて実に静かでよい。静かとはいえ、この山頂では鳥の澄んだ鳴き声が、遠くから、近くから、姿は見えない。美しいBGMが流れるように響き渡る。

は〜、ずっとここにいたい。

 

 

 

日が差して暖かくなった高原を戻る。帰りは池塘をゆっくり観察していった。

一つめの池塘は、数匹のカエルがコロコロコロ、コロコロコロと競い合って鳴いていた。足音を立てないようにそ〜と近づいたが、残念、ピタッとやんでしまった。

 

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二つめの池塘ではサンショウウオの卵だろうか、枝に着いた白い物体が池塘の中央に向けてどんどん伸びていくようだった。

 

三つめの小さな池塘ではサンショウウオが浮かんだり沈んだりして、遊んでいるのかな。近づいても気づかないのか、見ていても逃げない。楽しげに泳いでいた。

 

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最後の池塘は一番大きく水も澄んでいて見晴らしも良い。

回りをぐるりと一周し、周囲の景色も楽しんだら、ブナの尾根を走って下山した。

 

 

 

 

夏・コバイケイソウ満開 白木峰

2018/6/24日
6:05 杉ヶ平P
6:50 登山口
8:55 白木峰1596m
9:40 浮島 9:55
10:22 白木峰
12:00 杉ヶ平P

距離 13.6km
高度上昇 1180m

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ブナ原生林

杉ヶ平キャンプ場のゲートはまだ開いていなくて車は入れない。訪れる人はきっと少なく静かな山行が期待できるだろう。ゲートの先の林道をしばらく歩き、登山道に入って樹林帯の急登を黙々と登り、七合目登山口を過ぎればブナ林となる。足下に花も現れゆっくり歩いた。

 

 

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コバイケイソウと避難小屋

八合目駐車場から一登りすると展望が開ける。今年はコバイケイソウの当たり年だそうだ。山登りを始めて5年、こんなにもたくさんのコバイケイソウを見たのは始めてだ。

 

 

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ニッコウキスゲの向こうに200名山の金剛堂山、さらに向こうは白山
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山頂方面

白木峰はいつ来ても期待を裏切らない。北アルプスは少し霞んで御嶽は山頂が雲に隠れていたが、いいのである。今日の主役は花なのである。

 

 

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ニッコウキスゲはこれからも見頃は続きそうだ。花は一輪ずつ順番に咲く。つぼみはいっぱいついていた。

 

 

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いつもは山頂の展望にしばし見入るのだが、今日は素通りである。山肌を覆う花の彩りが変化する様を楽しみながら進む。コバイケイソウはもう満開だった。

 

 

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北アルプスの展望台、ワタスゲが揺れる浮島の真ん中で、女性がひとり静かにコーヒーを飲んでいた。ゆっくり一回りする。

あとから男性が来て無言で端に座る。

僕も腰を下ろし、iphone で小さくパクキュヒのトレモロを流した。

風に揺られるワタスゲをぼんやり眺める。

 

 

 

 

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そうして癒やされていたら、ドヤドヤと後続が大勢やってきた。次から次に人が来て、なんで? ゲートが開いたのかな? と思ったくらい。

みんなこの花の景色を見たくて、下からせっせと歩いてきたのだった。

 

 

 

 

冬・激闘の7時間ラッセル 白木峰

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2018/1/14
6:20 大長谷温泉P
7:40 790m林道
8:30 940m林道
10:15 1170m林道
11:00 P1334
11:50 1420m林道
13:25 白木峰1596m 13:50
15:10 大長谷温泉P

距離 10.5km
高度上昇 1138m

 

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大長谷温泉に車を止めまだ暗い中、国道をしばらく歩く。初っぱなからブーツラッセル。橋を渡って小屋のあるところから取り付いた。少し登ると杉の植林地、地図に無い作業道もありたどって行った。

 

 

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左側に水が流れる広い谷を登っていく。藪も無く樹林間も広くて、スベスベなパウダー斜面、帰りが楽しみ。空は雲も流れてしまって青々とし、絶景も期待できた。

 

 

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しかしながらラッセルはきつい。膝から斜度が増すと腿ラッセルになる。ずっと谷斜面を登るので展望も少なく、似たようなところが続き単調だった。

 

 

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西側の斜面なので、10時を過ぎてようやく日の目を見た。

 

 

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1170m登山口からのブナ原生林

ブナ原生林は、初夏には新緑のブナと足下に可愛らしい花々が咲くのだが、趣がまったく違った。高いブナの木々がとても低く感じる。雪は3m以上は積もっているのだろう。

 

 

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1334mポコは右から巻くべきだった。左から巻こうとして失敗。帰りの登り返しを作ってしまった。

ポコを過ぎれば明るい尾根となる。強い風の通り道なのだろう。雪の造形が見事だった。

 

 

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最後の林道に合流し、やっとここまで来た〜とホッと一息。なんとか山頂まで行けそうだ。予定ではそのまま林道を進み堰堤から山頂へダイレクトに登ることにしていたが、見ると林道はすっかり雪で覆われ、わからない状態。あの斜面をトラバースするのはあまりに危険。やむなく戻って、夏道近くを登ってみる。

 

 

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きつい斜面はスキーが外れ、雪の中をもがいたりずり落ちたりした。自分の技術じゃ無理。スキーを担いで、ストックで雪を崩しながらつぼ足で登った。手がすごくかじかんだ。しばらくポケットに手を入れ太ももで温めた。自分の体温があったかい。防寒テムレスだったが、雪を触るような時はインナーをしないとだめだ。

 

 

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山頂方面

苦労して登ってようやく山頂が見えた。11時には着くだろう、12時かな、いや12時半かと時間は刻々と過ぎていってもう13時近く。途中、撤退も頭をよぎったが、ここまできたら行くしかない。山頂が待っている。

 

 

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ラッセルは最後まで続いた。激闘の7時間ラッセルだった。雪が固かったのは風の強い山頂近くだけ。

 

 

山頂着!

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板はBDのカーボンメガワット
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避難小屋と仁王山

4年前、スノーシューで仁王山からの周回コースを、吹雪のため小屋で撤退したのが懐かしい。あの時の雪辱をようやく果たせた。雪だけにまさに雪辱だった。

 

 

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いやらしい雲があんなところに。微妙な高さの筋雲が北アルプスも乗鞍も御嶽も隠していて、絶景とは言えなかった。青空と下界と日本海はよく見えるのに。まぁ、こんなこともあるさ。

 

 

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金剛堂山と白山は拝めた。午前中に着いていれば、日が照ってより美しかっただろう。さぁ、時間も遅いので、のんびり食べようと持参したカップ麺とコーヒーは我慢して、写真を撮ったらとっとと下りよう。ゼリー飲料だけ飲んで滑った。

 

 

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すいすい滑って、林道に合流すると、なんだ? スキー跡がある。4〜5人のパーティーらしく、斜面はズタズタになっていた。林間バージンパウダーを楽しみにしていたのに!

後から来てトレースをちゃっかり利用して、おいしいところを持って行くなんて・・・・、と憤っていても仕方が無い。こんなこともあるさ。

白木峰はいつも私に山の素晴らしさと教訓を与えてくれる。

 

 

下山して、スキーを脱いだらそこは温泉

 

 

 

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