大型台風が過ぎ去ったが、台風後に沢登りは行けない。当初100名山の魚沼駒ヶ岳にしようと思ったが、地図を眺めていて隣の荒沢岳が鎖場多数で面白そうだ。銀山平温泉白銀の湯で汗を流して車中泊しよう。
登山口にはとってもきれいなトイレがあって車中泊に最適だが、駐車場が狭くて暑そう。女性の先客もいたので、奥只見湖畔の空き地に移動してのんびりした。蚊取り線香を焚けば虫も来なくて快適だった。
2019/8/17土
5:15 荒沢岳登山口
6:45 前グラ下
7:50 前グラ
9:20 荒沢岳1960m 9:50
12:40 登山口
高度上昇 1450m
距離 10.6km
登山口から少し進むと立派な水場があり、ボトルにたっぷり水を補給する。そこから急登の始まりだ。300m位登ると三角点を過ぎ、ミズナラ、ブナロードとなる。なかなか感じが良いところをアップダウン。紅葉の時期に来ても良いなと思う。
アップダウンを繰り返してようやく前グラ下に到着。ここから鎖場が連続する。雨露に岩が濡れて滑りそうなところもあった。下りに神経を使いそうだ。
岩はしっかりホールドできるので、あまり鎖に頼らずに登ることができる。台風一過で快晴を期待したが、あいにくの曇り。垂直にも感じる鎖場は上も下もガスで覆われ、おかげで高度感を感じず怖くない。
しかし鎖をひとつ終えるとすぐまた次の鎖で、え〜またかよと、だんだんうんざりしてくる。ガスって展望がないからひたすら登るしかない。晴れていればきっと駒ヶ岳もよく見えるんだろう。
前グラに到着してようやく鎖場終了。ちょうどタイミング良く雲が流れて荒沢岳本峰が現れた。山頂に着く頃には晴れるかもと期待が高まる。
振り返ると銀山平のコテージ群や、奥只見湖も確認できた。
三角点も見えてさぁ山頂だ。と、山頂の地面に止まっていたトンボが私の気配で一斉に舞い上がった。すごい数のトンボ。
山頂周辺は晴れていたが、周りは曇って期待した越後三山は拝むことができなかった。ビチョビチョに濡れた靴下を脱いで乾かしていると後続がやってきた。それは同じタイミングで出た5人組のパーティではなく、車中泊の女性だった。私が出る時にはまだ車の中にいたのに、たぶん私と変わらないスピードで登ってきたようである。5人組は途中敗退していた。
疲れた様子もなく、ザックからシャツを出してさっと羽織った。65才くらいだろうか、小柄だが佇まいを見れば山慣れた人かすぐわかる。話を聞くと、山にはしょっちゅう登ってる、100名山はすべて登って今は自分が登った山が見える山を選んで登っているという。中ノ岳も登ったというので、どこから登ったのか聞くとサッと山と高原地図を広げて教えてくれた。それから、
「これも登った、これも。この未丈ヶ岳も登った、つまんない山。」
と言った時にはおかしかった。話しぶりから竹を割ったような人で、きっと仕事もバリバリやってきたんだろう。
諏訪市から4時間かけて来て、ひとり車中泊して登る。年を重ねてもそういうモチベーションは持ち続けたいものだと思った。
見たことのない山野草が数々あった。