人が行動力を失わないためにすべきことについて考えてみたい。
人生で最も重要なのは習慣である。毎日の積み重ねが明日の自分を作り続ける。
昨日できなかったことが少しずつできるようになり、いつしか当然のようにそのハードルが超えられるようになる。
この習慣を作るために必要なのが、僕は行動力だと思っている。
元気に振る舞っていた人が、ある日突然糸が切れたように、行動力を失ってしまうことがある。
これは何が原因なのだろうか。僕の原体験をベースに考えてみたい。
例えば、ある人が会社を退職したとする。その人の再就職先が決まっていればいいが、そうではないケースもある。
例えば、その人に毎月一定の可動で前職以上の収入が入るチャンスがあったとしよう。なかなか転職先も決まらないし、少しの収入でこれだけの金額が定期的にはいるのであれば、こんなに嬉しいことはない。
次の仕事を決まっているわけではないので、気持ちは焦っている。ただ、ここで収入を得ることになったらどうなるだろう。
僕は趣味ではじめたブログでサラリーマン時代の収入を上回る金額を得ることができている。
ここに少しのクライアントワークを合わせれば、食べるに困るということはない。
毎日、趣味のことについて執筆し毎日1記事だけ公開する。執筆時間は約2時間。たまの仕事も6時間以内には、全てが終わる。
そんな暮らしをしていると一体どうなってしまうのか。そう、新しいことへの行動力が薄れていくのだ。
あの日大切にしていた吟侍や美学。そうしたものが水の泡になって消えていく。そんな錯覚を覚えるほどに行動力がなくなっていくのだ。
ブレない美学を持つこと。簡単ではないが、自分の軸を持つということが大切なのである。
人は人に刺激されて変化している。他人の介入なしに人が成長するということはまず、ないだろう。
理由は簡単で何かをした結果の先にあるのも人だからである。
人は人に認められることで、価値を高めることができる。つまり、その先にいる誰かが側にいなければ成長の実感を得ることができないのだ。
これは結婚して伴侶がいたり、子どもがいれば話は別なのだが、常に1人でいることが増えると、何をしていても変化がないし、他人に笑わされる機会も極端に減るため、常に虚しい気持ちと背中合わせのような感覚になってくるのだ。
楽しくないから楽しいことを探そう。そんな感じ。
あれほど退屈だ。つまらないと思った職場環境ですら恋しくなる。
これがコミュニティの重要さであり人が環境動物として、日々進化、変化していくために必要な点だと言えるだろう。
失った行動力を取り戻すためにやることを3つ書いておこう。
これが最も手っ取り早く、行動力を生み出す源泉になる。人は承認欲求が強い生き物だ。TwitterやInstagram、Facebook、Tik Tok。ソーシャルメディアがここまで席巻したのは、この永遠のテーマに対してそっと寄り添ってくれることに他ならない。
自分がしたことに対する結果で誰かが喜んでいる。それに対して、労いの言葉をもらう。ただ、それだけで人は強くなり次へのアクションが生まれるのだ。
一方で、全く異なる価値観で動いている人がいることも事実だ。こうした人たちは、世界を見ている角度が違う。自分が納得して楽しいことができていればそれでよし、と考える人もいることを忘れてはならない。
自分がどっち側の思考を持っているか。この点を見極めることが重要である。
自分が自信を持っていることを他人から卑下されることはとてもストレスが溜まる。自信とはガラス細工のようなもので、とても繊細な器なのだ。
常に自信と表裏一体の領域にさらされていると、人は消耗する。目減りする。負けないという気持ちを強く持つことも大切だが、その気持ちが肥大化すると他人の意見を聞き入れないという癖が生まれる。
そこで、全然できないけど興味があることを始めて欲しい。ゲームでも楽器でもなんでもいい。学生時代に少しかじったことをまたスタートしてみるのもいいだろう。
できないことは恥ずかしいことじゃない。だってできないものはできないんだから。これは仕事でもそう。いきなり違うポジションに当てられて活躍できない人もたくさんいるはずだ。
そこで、自分を卑下してはいけない。自分を下に下げれば下げるほど行動力が失われ、結果的に今日本中を包んでいる嫉妬心の権化のような存在になってしまう。
できる人を嫉妬するのではなく、できない自分を受け入れ、周囲にアドバイスを問う。そんな簡単なことが年齢を重ねるとできなくなってしまうのだ。
リハビリしよう。全然できなくても誰にも迷惑が掛からないことをはじめて、色々な人に話しを聞いてみよう。その一歩が大切な行動になるのだ。
行動力が湧いてこない時でも好きなことはなんとなくやっているものである。動画を見る、漫画や小説を読む。ただ寝る。実はあなたがしていることは他人にとって有益な情報につながる可能性があるのだ。
動画が好きな人はキュレーターになればいい。撮影できる行動力があるならば、YouTuberでもなんでもチャレンジしてみればいい。
漫画が好きな人は感想を書いてみればいい。絵を描くことにコンプレックスがないのであれば、描いてみればいい。
寝るのが好きな人は睡眠の資格を取得してみると、見方が変わるかもしれない。
そうしたアクションを継続しているとフォロワーができてくるものである。
そして、1人、また1人と増える度にこう思うはずだ。
もっとたくさんの人に見てもらいたい。聞いてもらいたい、と。
一歩踏み出す勇気を持つことで、承認欲求を満たしてくれるフォロワーとつながることができる。そのフォロワーの方にとって数分間楽しい時間を提供しているのはあなたになるのだ。
何もしたくないというのは、外の世界が怖いということである。
ただし、人は外の世界とつながらなければ幸せになることはない。たった1人で生きていくこともできないし、寂しいとウサギだって不幸な結末を迎えるのだ。
行動力は魔物だ。
実力と関係なく、人付き合いが上手い。知名度があるというだけで仕事を取っている人は山ほどいる。
腹が立つだろう。納得がいかないだろう。ただ、それが現実なのだ。
ただ、そういう人たちも運がいいだけではない。その根幹にあるのが、行動力なのである。
今日、なんとなくしていなかったことをやってみること。そして、その結果をまず自分で自分を褒めること。そうすることで、人が行動力を失わないためにすべきことが自然と見えてくるはずだ。