最近、又神社巡り熱がぶり返し、週末千葉から茨城方面を攻めています。
前回、延喜式神名帳をベースにしたランキングのお話をしました。
今回は「国史見在社」(こくしげんざいしゃ)についてです。
「国史見在社」とは六国史に記載のある神社のことです。
当時の日本政府=大和朝廷が飛鳥時代から平安時代にかけて編纂された六国史に記載のある神社のことで、具体的に六国史は「6つの史書」のことをいいます。
(六国史(りっこくし)一覧)
『日本書紀』
『続日本紀』
『日本後紀』
『続日本後紀』
『日本文徳天皇実録』
『日本三代実録』
基本的に、国史見在社の多くは式内社(延喜式神名帳に記載された神社)なので、一般的に「国史見在社」と明示するときは、ほとんどの場合「式外社」かつ「国史見在社」である場合をいいます。
『国司見在社について』(三橋 健著 国立歴史民俗博物館リポジトリ)によれば、「国史見在社とは「六国史に見在する式内社以外の神社」と定義される。」とされています。
延喜式神名帳に記載はないものの、非常に格式が高い神社として評価されている神社です。
「国史見在社」はその他「国史所蔵社」又は「国史現在社」という呼び方もします。
(「国史見在社」も「「国史現在社」もいずれも「こくしげんざいしゃ」と読むそうです。)
「式外社」であっても「国史見在社」は非常にメジャーな神社が名をつらねれています。
例えば京都の石清水八幡宮などがそれにあたります。
石清水八幡宮の宮司さんは神社本庁の総長をしておられるほどの地位にあります。
その他、天皇家と関係の深い神社であれば福岡県の香椎宮なども式外社かつ国史見在社にあたります。
一方、「国史見在社」も上述の六国史に国名や神名の記載しかないため、「延喜式神名帳」以上に「論社」=当該神社の候補が複数あるケースが多いようです。
国司見在社の一つである茨城県の「息栖神社」ですが、ここは『日本三代実録』に於岐都説神と記載されています。(常陸国 正六位下 於岐都説神 従五位下 授ける。)
神社というのはやはり太古の昔より多くの人が思いを寄せてきた場所であるため、いろいろなケースが存在しています。
今現在大規模な神社ではなかったとしても、太古の昔より多くの人が思いを寄せ、歴史の波の中で結果として寂れてしまった神社も多いのです。
皆様それぞれ信仰している宗教があったりなかったりすると思うのですが、そうした信仰とは別の世界として、この日本列島に生きた過去の多くの人々が思いを寄せた施設が数多く存在し、それが今現在どういう状態にあるのか、をリアルに見ることが出来るのが「神社」なのです。
さあ、この週末、身近な神社に、もしかしたら御朱印はいただけないかもしれませんが訪れてみませんか?