悩みに悩んだ結果、「好き」という思入れの部分に重きを置いて選んだ。
もちろん思い入れを抜きにしても素晴らしい本であることは間違いない。
だが、おそらくこれが、僕が本に没頭するという体験をした最初の本ではないかと思われるので、印象が強く残っており、後にも先にもこの本以上に本の世界の冒険にワクワクしてのめり込んだものはない、と僕の記憶は言っている。
主人公たちはみんなネズミで襲ってくるイタチと戦うのだが、完全にネズミになって読んでいるものだから、このイタチがまあ怖いのなんのって。
子供の頃はそんなことを意識して読んでいたわけではないが、仲間とは何か、仲間のために生きるとはどういうことか、仲間のために死ぬとはどういうことか、そんなことが全て書かれているように思う。
あんまり言うとネタバレが激しくなるので、読んだことがない方がおられましたら、是非読んでみて欲しい、大人が読んでも面白いに違いない。
そしてこの本は挿絵も素晴らしい。ちなみにアニメ化されているのだが、僕は原作のリアルなネズミの挿絵が好き過ぎてアニメは受け入れられなかった。アニメはアニメで名作と言われているらしいが、原作とは別物として名作、という評価らしい。なのでアニメだけ知っているという方も原作の方も是非読んでみて欲しい。
どうですかこの挿絵、めちゃくちゃ良い。こいつはイタチの親玉ノロイだ。
仲間達だ。やはり僕はこの絵でないとダメだ。
そういえば機関車トーマスも原作が好き過ぎてアニメが受け入れられなかった。新しいドラえもんの声も未だに受け入れられない。やはり子供の頃の思い入れというのは強力なものでアイデンティティの一部だと言えるかもしれない。
そんなわけで思い入れの強い「冒険者たち」を「一番好きな本」とさせていただきたいと思う。そして実は3部作の1作目なので、後2冊も是非。