今回は私の好きな逸話。壁に当たり「常識の正反対に挑んだ男」のお話し。
人生、なにかと悩み、壁に当たります。仮想通貨の投資以上にね。
仕事に私生活などなど。
そんなときのために、ちょっと心に留めておきたいなってお話しです。
皆さん、走高跳びって知ってますよね。
今ではバーを背に跳ぶ「背面跳び」が主流ですが、約100年以上もバーを正面にして跳ぶ方式がずっと続いていました。
正面跳び、挟み跳び、ウエスタンロールやベリーロールなど。
しかし、1968年メキシコオリンピックで一人の青年が「非常識な跳び方」で金メダルを取ると、それまでの常識は過去の物となりました。
彼の名はリチャード・ダグラス・フォスベリーRichard Douglas Fosbury。
愛称はディック。
ディック・フォスベリーは、1968年メキシコオリンピックで、2m24cmの大記録で優勝します。
(1964年東京オリンピック金メダルの記録は2m18cm、ウエスタンロール)
彼は、当時主流のウエスタンロールがとても苦手で、大きな壁に当たっていました。
そこで、ウエスタンロール以前の跳び方である、挟み跳びで練習をしていたそうです。
ある時、2m近い高さを跳ぶために、足を思いっきり振り上げたところ、体が水平になるくらいになってしまいました。
かれは天を見たまま落ちました。
しかしバーは落ちてこなかった。
ディックが新たな可能性を掴んだ瞬間です。
これにヒントを得た彼は、試行を重ね、独自の跳び方の研究に没頭します。
しかし、周りの人々やスポーツ界は、常識の正反対である「仰向け」で跳ぶ彼を笑いました。
「至上最も滑稽な跳び方」
「道化(ピエロ)」
彼の出る大会は、彼の記録を応援するのではなく、面白い跳び方を見たい見物人で溢れました。
しかし、いくら笑われようが、ディックはこの常識の正反対の跳び方を止めませんでした。
1968年、彼の努力は実を結び、メキシコオリンピックに出場。
2m24cmの大記録で金メダリストとなります。
YouTubeにその時の映像がありました。
このメキシコオリンピック以降、背面跳びの彼を笑う者はもういません。
「フォスの魔法使い」と親しまれる人気者になりました。
「背面跳び」は、彼の名を取り「フォスベリー・フロップ」として世界に広まり、今も高跳びの「常識」となっています。
もちろん、彼のような常識に真っ向から挑む方法が、いつも正解とは限りません。
でも、可能性を秘めた「選択枝」のひとつ。
これから先、私にも、壁に当たり悩む時が何度も来るでしょう。
(パスしたいけどね)
・常識を疑ってみる
・人の目、世間体に左右されない
・自分を信じる
その時のために、彼のことを心の隅に留めておきたいです。
ありがとう、ディック。
写真:Wikipediaより
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