全国銀行協会が令和2年度税制改正へ要望を行いました。
https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/abstract/opinion/opinion310738.pdf
その中で、最初に上がっている要望が
です。
(ほかにもiDeCoの60才までを65才まで延長する要望などなど)
NISAは「NISA」と「つみたてNISA」がありますが、前者についての話ですね。
2014年1月に始まった税制優遇制度で、毎年120万円の非課税投資枠です。
株式や投資信託等の配当、譲渡益等が非課税となります。
非課税期間は最長5年、非課税投資枠は120万円×5=600万円までとなります。
また、「ロールオーバー」によって、期間終了後(投資から5年後)に新たな非課税投資枠を使って移管(繰越し)することも可能でした。
ただし、現行制度は2014年~2023年と定められているので、2019年以降の投資はローバーがもう出来ません。(2019年投資の5年後は2024年となり、制度期間後となるため。)
なお、最終年の2023年に投資したものは、2028年までの5年間は非課税扱いにできます。
・NISA:1,160万 口座、累積買付額16兆円
・つみたてNISA:130万口座、累積買付額1,330億 円
NISAとつみたてNISAを比べると、口座数は約7倍、累計買付額は約120倍。
NISAの方が先に登場したことと、つみたてNISAの年間枠が40万円と少ないこともありますが、これだけの利用に育ったNISAが後4年で終了することは、金融庁も投資による資産形成を啓蒙・推奨している中で、影響が懸念されています。
銀行の伝統的な収益源は、「預貸利ザヤ」「為替手数料」でしたが、日銀の「ゼロ金利・マイナス金利政策」により、融資での利息収入は大幅に落ち込みました。
為替も、取扱高はじりじりと右下がりで、Fintechによる銀行迂回の決済手段も今後は本格化していくでしょう。
そんな中、銀行が新たな手数料ビジネスとして積極的に扱うのが「投資信託」です。
銀行は、投資信託の購入時に(ネット証券の多くでは無料や格安の)「取り扱い手数料」を得ており、特に高い手数料を稼げる「アクティブ投資信託」に注力しています。
(同じ商品が、ネット証券では手数料無料で銀行では3%なんて例もあるとか)
NISA/つみたてNISAは、一人一口座しか持てません。
銀行にとっては、預金口座を持つ顧客に対し売り込みやすく、強力な囲い込みツールです。
銀行にとって、
なんですね。
もっとも私は、ネット証券で手数料無料や格安のものを選ぶので、
つもりです。
でも、NISAが延長されると、今年の購入分もロールオーバーも可能になるし、いろいろ運用の選択枝ができるので、
全国銀行協会、がんばれ(笑
■10月29日追記
金融庁もNISA恒久化を後押ししたのですが、2020年改正は見送りになりました。
「富裕層優遇だ」って意見があって消されました。
毎年120万円枠なんて庶民の資産形成補助ですよ。
富裕層は数千万~数億円を運用するのです。
NISAの手本の英国や欧米とますます差がつくだけで残念。
公的年金を補助する仕組みなのに、これを潰しといて年金制度は批判するんでしょうねぇ・・・。政策潰しか見せ場の無い方々は。
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