おひさしぶりです!ぴゅーぱです。
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たぶん初めましての人も多いだろうから過去記事URLはっときますね。
さて、いまTwitterなどで話題の「例のグラボ」ってご存知ですか?
昨年末からパソコンショップに画面出力ができないグラボが安価で出回っているということで話題になっているものです。グラボなのに画面出力ができないってなんだよって話ですが、なにやらもともとマイニング用に販売されたグラボが業者によって手放され、格安で中古販売されているとの噂。しかもゴニョゴニョすると映像出力もできちゃうじゃないかということで話題に拍車をかけています。今日はこの「例のグラボ」の可能性を探ってみたいと思います!
※この記事は本グラボの改造を目的とするものではないのでご容赦ください。
・グラボとは?
グラフィックボードの略で、ざっくりいうとPCにおける画像処理を担う部分。「GPU」という言葉を聞いたことがある人はほぼ同じ意味で捉えてとりあえずはOK。高解像の3Dゲームや動画のエンコードの処理には高性能のグラボが必要になります。仮想通貨のマイニングの計算をグラボを用いて行うことができるため、ブームの際にはグラボ価格の異様な高騰がおこりました。
噂をききつけて早速秋葉原にあるパソコン工房 秋葉原BUYMORE店で「例のグラボ」を1つ購入してまいりました!店員さんからは特殊なグラボであること、マイニング用の切り替えスイッチがあるという説明を受けました。補償は初期不良や動作不良に対して1ヶ月有効で改造などを行った場合は保証を受けられないとのこと。まあ当たり前だよね。
Sapphire Radeon RX 470 8 GB gddr5 Mining Quad
\5,980(税別)
バルク品なので箱や説明書、ドライバ等の付属品はありません。
AMD製のRadeonシリーズのミドルクラスGPUを搭載したグラフィックボードです。性能としてはNVIDIA製品と比較するとGeForce GTX970や1060 3GBには劣るが1050Tiよりは高性能である程度だそう。定価は発売当時(2016年夏)で\35,000ほどで、現在の中古市場でも\13,000~18,000ほどの価格帯の製品なのでこのお値段で手に入るのは衝撃ですね。
ちなみに店舗以外だとパソコン工房の通販サイト(https://www.pc-koubou.jp/)や仮想通貨決済でおなじみのパソコンショップアークの通販サイト(https://www.ark-pc.co.jp/i/41209217/)で在庫があり(1/28現在)値段も店舗とほぼ変わらず入手できるようです。
早速中身を見て見ますがご覧のとおりそもそも映像を出力するための端子がありません。miningと名のつくだけあって無駄な機構は省かれているようですね。
実は完全に映像出力機能が失われているわけではないようで、ブラケットをはずしてみると隠されたHDMIポートが出現するらしいです。怖いし初期不良あったら補償うけられないかもだしやめときます。
まあ開けたところでこのポートは物理的にGPUとつながっていないためこのままでは使用することはできません。コンデンサと抵抗をはんだ付けし、ブラケットの一部を切断してポートを露出させれば映像出力も可能であるそうです。チップコンデンサのサイズは1.0 mm×0.5 mmととても小さいため上級者向け。もちろん補償対象外の完全自己責任なので自信のある方は例のグラボ等で検索して工作してみるのも面白いかもしれません。
私は半田付けや金属板をカットする技術は持ち合わせていないので、無改造での活用法を次項から探ってみます。
Twitter等の情報を参考にしたところ無改造での活用法は主に以下のようなものがあるようです。
①Crossfireのセカンダリとして使用する
②内臓GPU経由で使用する(Win10)
③動画エンコードやマイニングに使用する
①Crossfireのセカンダリとして使用する
すでにRadeon RXシリーズのグラボを使用しているのであれば、Crossfireという機能を利用してパワーアップを図ることができます。2枚目であれば出力ポートは必要ないため無改造で用いることができます。NVIDIA製品とは組み合わせることができませんが、Radeon RXシリーズであれば必ずしも同じGPUを積んだボードでなくても大丈夫なようです。ただ、Crossfireに対応しないゲームやアプリケーションでは無意味であることと、初期設定ではうまくいかない場合があるとの報告も見られたため要注意。
・Crossfireとは
AMDのRadeon RXシリーズのグラフィックボードを複数枚用いることで性能をあげる方法。NVIDIAのSLIはハイエンドチップセットを搭載したマザーボード(Zシリーズなど)でないとサポートしていない場合が多いが、Crossfireは多くのマザーボードがサポートしている。またSLIブリッジのようなインターフェースも必要なく安価で導入可能だが、組み合わせや環境によっては十分に効果が発揮されないこともある。
②内臓GPU経由で使用する
これは実際調べるまで知らなかったのですが、win10の昨年のアップデートで複数のGPUを搭載するPCにおいてアプリごとに使用するGPUを個別設定できるようになったそうです。出力のコネクタはオンボードグラフィック(iGPU)に接続しておいて、設定したアプリケーションでは追加したグラフィックボード(dGPU)をそのまま利用することができます。
本来は2 in 1のノートPCなどにおける利用環境向上のための機能と考えられますが、今回のような状況にも活用できそうだということです。
③動画エンコードやマイニングに使用する
直接映像出力を必要としない用途では特に改造する必要もなく使用できます。AMDのGPUはイーサ(ETH)やモネロ(XMR)のマイニングが得意のようですが、現状の価格ではなかなか利益がでそうにもないですね・・・
日本の取引所で換金できる通貨では厳しそうなので値上がりが期待できるPoW通貨があればチャレンジもいいかもしれません。
また、このグラボを複数枚搭載してマイニングリグを構築した場合、同等のハッシュパワーを発揮するハイエンドグラボで構成されたリグと比較するとどうしても消費電力が大きくなってしまうので電源の容量や電気代等のランニングコストにも注意を払う必要がありそうです。
私はRadeon RXシリーズを持っていないどころかいまのPCを組み立てたときに購入したグラボはマイニング特需のときにうっぱらってしまった(ちなみに新品価格よりも高値で売れた)ので、②の利用法を試してみたいと思います。じゃあグラボ使ってないじゃんって話なんですが今回は完全に好奇心で購入しました。男のロマンを感じたのと流行りにのりたかった。
・今回の環境(必要そうなとこだけ)
OS : Windows 10 Home
MB : ASUS PRIME H270-PRO
CPU : Intel Core-i5 7500
メモリ:8GB(4GB×2)
電源:500W
なんてことない普段使いのPCです。
さて、実際にグラボを取り付ける前にいくつか準備をします。
まずAMD公式サイト(https://www.amd.com/ja/support)からRadeon RX 470のドライバをインストール。
このままではGPU出力が優先されてしまうため、UEFIの設定からiGPU Multi-MonitorをEnabledにします。またこの状態で起動しても正しく出力が確認されなかったためPrimary DisplayもAutoからCPU Graphicsに変更しました。
それでは実際に普通のグラボと同様にマザーボードにとりつけていきます。8pinの補助電源をつける必要があるのでお忘れなく。(線きたねえ)
このグラボには4つのBIOSを搭載できるようで、2つのスイッチの組み合わせで変更が可能です。とりあえず初期状態でスイッチを入れ起動します。
電源はまともについたのでデバイスマネージャーから確認すると問題なく認識されていることがわかりました。とりあえず成功です。
<設定方法>
Windowsの設定⇒システム⇒ディスプレイ⇒グラフィックの設定
アプリケーションごとに使用するGPUを変更することができます。RX470を適用したいアプリケーションには高パフォーマンスを選択します。
これで設定は完了!
3Dゲームなどは普段あまりやらないため確認しようもないのでFF15ベンチマーク(http://benchmark.finalfantasyxv.com/jp/)を使用して「標準画質 1920×1080 ウィンドウ」で計測してみます。
結果は・・・
まともに動きましたね~。左下をみてもしっかりRX 470として認識されています。
その後高画質モードも連続で計測して負荷をかけてみましたが、温度も50℃程度まででしたのでたぶん問題なし(熱暴走する初期不良の個体が結構あるそう)。
他グラボのスコアと比べるとこんな感じ
やはりGeforce GTX 1060 3GBや970には及ばないもののGTX10世代のエントリー~ミドルクラスである1050Tiより高パフォーマンスを発揮しているようです。1050Tiは中古価格で\13,000くらいはしますのでコスパよさげ!
ただ、RX470の参考値に比べて数値がでていないのはやはりiGPU経由だからでしょうかね。設定いじったりすればもう少し向上が見込まれそうですが個人的に満足いく結果になったのでおっけー。
ちなみにiGPU経由の出力の場合無改造RX470を2枚さしたCrossfireは不可能みたいです。
あとはマイニングに酷使されていたことが予想されるので長持ちすることを祈るだけですね。
仮想通貨界隈が下火になったことでGPUを製造しているメーカーも収益を激減させています。NVIDIAのCEOは仮想通貨後遺症(Crypto Hangover)などと表現していますが、ユーザーにとって思わぬ後遺症の副産物が誕生したこととなりました。無改造でも使いようによっては高いコスパを発揮する商品ですので検討してみてはいかがでしょうか。今回はたまたまトラブルなくうまくいきましたが、マイニング以外はいずれも想定された利用法ではないためあくまで自己責任でお願いします。
<参考>
Windows 10でアプリごとに利用するGPUを切り替える方法ーkiritsume.com
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