1-7【CoinCheck事件とセキュリティ対策】

2018年の1月26日、日本でマウントゴックスを上回る大事件がおきます。

渋谷のcoincheck(コインチェック)で仮想通貨のNEMがおよそ5.4億XEM(ゼムと読みます。NEMの通貨単位)、当時の時価レートでおよそ580億円という巨額の仮想通貨が盗難される事件が発生しました。仮想通貨のニュースが加熱していた時期も重なっていたため、世界中から日本に注目が集まりました。

この事件は最初にコインチェックのウォレットアドレスを見ていたユーザーが異常を見つけました。コインチェックのものと思われるウォレットから580億円分ものネムが消えているのを発見したのです。私はこの時リアルタイムでTwitterを見ていましたがみるみるうちにパニックが広がっていくのを目の当たりにしました。単にウォレットを移しただけではないかとか、これはすべて盗まれていてコインチェックが潰れるとか色んな噂が飛び交いました。結局その日の夜に公式発表が行われ本当にハッキング被害にあっていたと判明しました。

この事件では色んな学ぶべき点があると思いますが、まずNEMという仮想通貨自体には全く悪い点は有りません。コインチェック取引所におけるセキュリティの甘さが致命的なミスであり問題視されました。本来であればオフラインの「コールドウォレット」での仮想通貨の保存、さらに1人の秘密鍵だけではウォレットにアクセスできない「マルチシグ」の技術などを使用するべきでしたが残念ながら使われておりませんでした。

つまりコインチェックの対応不足です。ただしここで私は声を大にして言いたいのは、自分の大切な財産は自分で守らなければならないということです。もちろん一番悪いのは盗んだハッカーですし、対応不足であったコインチェックも責められる点は多くあります。

ただ取引所というのはお金の出し入れが盛んで、どうしてもハッカーから狙われやすいポジションにあります。人が管理する取引所に預けている以上、100%安全という事はありません。起きてほしくはありませんが、今後もおそらく世界のどこかでハッキングや盗難が起きてしまうと思います。

(暗号通貨は強固なセキュリティを持ちますが取引所にある段階では取引所をハッキングされたら終わりです)

その際に自分でどういった管理方法が有効なのかを考えることがとても重要であると思います。分散して保管する、Trezorやペーパーウォレットを使うなど色々と試してみて自分にあったものを使うのが良いと思います。

コラム:セキュリティ対策

セキュリティと使いやすさは基本的にトレードオフです。アクセスし使いやすいということは引き出しやすくセキュリティも弱いことが多いです。

私は日頃からビットコインキャッシュを買い物などに使っているため、iPhoneのウォレットに数万円、メイン資産はいくつかの取引所機能のないウォレットに分けて保存しています。

また、資産が億を超えるような方はペーパーウォレットやマルチシグを活用し、犯罪に巻き込まれる可能性を考慮して「気軽に引き出すことができない」状況を作っておくことも重要です。一番のセキュリティは資産が有ることを不用意に吹聴しないことですが。

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