こんばんは、りんしです!
今回は少しだけ真面目な記事を書きます。
昨今の時代はテクノロジーの力によって急速に変化を遂げています。
時代の行く末について、誰もが興味を持っているものだと思いますが、誰1人としてその先をわかっている人はいません。
ただし、そんな中でも時代の行く末について、示唆をもたらしてくれるものは多くあります。
今回は心理学者アブラハム・ハロルド・マズローが唱えた欲求の階層構造から、今までとこれからを考察していきたいと思います。
アブラハム・ハロルド・マズローは1908-1970年に生きたアメリカの心理学者です。
彼が唱えた欲求の階層構造は、誰しも1度は聞いたことがあると思います。
欲求の階層構造は下位から並べると下記の通りです。
1.生理的欲求
2.安全の欲求
3.社会的欲求
4.承認の欲求
5.自己実現の欲求
それぞれについて説明と考察を加えていきます。
1.生理的欲求
生理的欲求は、人間が動物として生きる上で必須となる本能的な欲求です。
例えば食欲や性欲、睡眠欲等のいわゆる三大欲求と言われるものが該当します。
この生理的欲求は動物としての最低限の欲求です。
現代を生きる我々はこの欲求に留まっていることはありませんが、昨今で考えるなら、この欲求が存在したのは日本の第二次世界大戦後~高度経済成長期だと考えています。
詳細は2.に挙げる安全の欲求と共に考察していきたいと思います。
2.安全の欲求
安全の欲求は、生き延びる上で安全な場所を求める欲求です。
安全には身体的な安全も経済的な安全も含まれています。
こちらも1.の生理的欲求とあわせて、第二次世界大戦後~高度経済成長期が該当すると考えています。
第二次世界大戦後、戦争により何もかも失った社会で、十分な食料も安心して休める場所も持たない人が多かった。
だからこそ多くの人が懸命に働き、高度経済成長につながったと考えています。
現在はあまり意識することはありませんが、当時の人々は満たされていなかったからこそ動き、社会が変わっていきました。
3.社会的欲求
社会的欲求は、所属と愛の欲求とも呼ばれ、家族や友人等の自分が属するコミュニティから受け入れられたいという欲求です。
1.と2.の人間として最低限の欲求が満たされた上で現れる欲求であると言われています。
この社会的欲求は、高度経済成長期~2000年代のソーシャルメディア登場までが該当すると考えています。
高度経済成長期はとにかく子供の多い家庭が多かった。
それは1.と2.の欲求を満たすために、人手を多くする必要があったということはありますが、お盆やお正月には家族が一堂に会する等の縁故が今よりも重視されている時代でした。
時代が進み核家族化が進行していく上でも、まだ2000年代前は家族間のつながりが強かったのではないかと思います。
そこから更に核家族化や都心集中化が進み、1人1人が社会的な孤独を抱えるようになることで、ソーシャルメディアという身体的な距離を越えたコミュニティが生まれてきました。
4.承認の欲求
承認の欲求は、所属するコミュニティから自分が価値のある人間だと認められたいという欲求です。
この承認の欲求は、2000年代のソーシャルメディアの台頭~現代が該当すると考えています。
ソーシャルメディアの登場によって、身体的な距離を越えて他者とコミュニケーションをリアルタイムでとることができるようになりました。
孤独が埋められたことで、次に自分が相手にとって、社会にとって価値のある人間だと認められたいというステップに進んでいます。
ある種自分が生きている理由が欲しいと感じる段階です。
現代でもこの欲求を求めている方は多くいるのではないでしょうか。
この承認の欲求が満たされることで次の欲求段階へ進むと言われていますが、私は必ずしもそうではないと考えています。
詳細は次の欲求段階で述べていきたいと思います。
5.自己実現の欲求
自己実現の欲求は、自分の可能性を実現したい、自分の持つ才能を最大限に発揮したいという欲求です。
この自己実現の欲求は、まさに現代にあてはまっていると考えています。
先に私は必ずしも承認の欲求が満たされることで自己実現の欲求に進むわけではないと述べました。
それは、相手にとって、社会にとって価値ある存在になるために自分の可能性を実現したいと考えるケースも多いと感じるからです。
社会にとって自分が必要とされているかわからない、不安だ、だからこそ自分ができる最大限を発揮して社会にとって価値ある存在になりたい、そう考えることです。
現代では、ソーシャルメディアを通して自分の知識・技術・思想等を簡単に発信することができます。
そこで多くの共感を集められる人が、インフルエンサーと呼ばれる存在になっていくわけですが、その根底にあるのは4.承認の欲求と5.自己実現の欲求の双方があると考えています。
現代は多くの人が、自分のできることを通じて社会に影響を及ぼしていきたいと考えている人が多いのではないでしょうか。
好きなことで生きていく、という言葉は有名なyoutuberの言葉ですが、現代の多くの人がそういった人生を求めています。
6.自己超越階層
学校や会社での教育では自己実現の欲求までが主にとりあげられていますが、実は更に次のステップが存在します。
自己超越階層は、マズローが後になって発表した、自我を超越して目的に没頭する階層です。
私はこの階層がこれからの未来を示唆していると考えています。
あるいは、既にこの階層に向けて世は動き出しているのではないかと考えています。
テクノロジーの進化によって、人は仕事から解放されます。
働かなくても、生きていくことができるし、ソーシャルメディアを通して人とつながることができる、コミュニティの中で活躍することができる。
その次に求められることは、至高体験と言われる、自我を越えて没頭し、心から生きていて良かったと感じられる経験です。
それは、5.の欲求までとは大きく異なる存在であると私は考えています。
5.までの欲求はいわば、「自分の好きなこと」が中心にあります。
自分に何ができるのかを考える上で、誰しもまずは自分が好きなことを考えると思います。
食べることが好きであればグルメの情報を発信するし、旅行が好きであればおすすめの観光スポットを発信する。
それは自分の好きなことの延長線上にあります。
超越階層には全人口の2%程度しか到達していないと言われており、それが自分の好きなことの延長線上に存在している人はわずかだと考えています。
多くの人はまだ自分が知らない、経験したことのない世界に至高体験があるのではないでしょうか。
これから求められるのは、今までの自分が体験したことのない世界を体験することです。
だからこそエンターテインメントが流行すると思っています。
今まで価値を与えられなかったことが、価値に変わっていく。
自分の好きにとらわれず、常に新しい体験を得ることが、超越階層到達に必要なことなのではないでしょうか。
これから、世の中の人の多くが新しい体験を求める時代になっていくと考えています。
その体験の場を提供する産業こそが、これからの時代で発展していくものなのではないでしょうか。
多くの人が、新しい体験を経て、至高体験を得ることができるようになればと感じています。
その先にあるものは何なのか、私にはわかりませんが、多くの人が至高体験をすることにより、わかってくるのではないでしょうか。
ここまで、マズローの欲求階層を元に今までとこれからを考察していきました。
私が述べているのはあくまで1つの側面であり、異論や反論も多くあるものと思います。
ただ、この考察が誰かの未来を考える一助になれば幸いだと思っています。
真面目な記事でした。また何か書いた際にはご覧頂けると幸いです。
ではまた。