つい先日ノートルダム大聖堂が火災の被害にあい、多くの部分を消失してしまったという悲しい事件が起きた。そのノートルダム大聖堂とはアートとしてどのような価値があるのか知っている方はいるだろうか?この記事ではノートルダム大聖堂とは歴史的、アート的にどのような価値があるのか説明する。そして、もしVRヘッドセットを持っていれば、知った上でノートルダム大聖堂の360度動画を視聴して擬似訪問を楽しめるようにしていただきたい。
なので今回はまずはノートルダム大聖堂の概要を知ってもらい、そのあと歴史を語る。歴史を知るのはやっぱり大事だと思うので。そして見所について語ったあと、VR持ってるひとはVR動画でノートルダム大聖堂に訪れてください!(本当にすごいから)
ノートルダム大聖堂とはパリにあるゴシック建築の原点である建物だ。ゴシック建築とは12世紀後半に花開いたフランス発祥の建築様式である。「パリのセーヌ河岸」という名前で1991年に登録された世界遺産である。200年近くの歳月がかけられて完成した建物である。
ノートルダムという名前はフランス語で「我らが貴婦人」という意味を持ち、聖母マリアのことをさしている。またディズニー映画「ノートルダムの鐘」の舞台ともなっている。(この映画は正直知らないけど)
パリ発祥の地シテ島に位置しているこのノートルダムはパリの歴史とは切っても切り離せない関係にあります。次はこのノートルダム大聖堂の歴史について見ていく。
ノートルダム大聖堂はシテ島に建てられている。このシテ島とは紀元前の昔から聖地として考えられていました。前300年に島に定住したケルト人のパリシイ族は、この場所に守護神の祭壇を建てたほどです。6世紀のはじめ、フランス最初の王朝メロヴィング朝がキリスト教を国教とするとこの場所には初めてキリスト教の聖堂が建てられた。
そしてこのシテ島を中心にパリはヨーロッパ中心の都市として発展していきました。12世紀中頃にはシテ島に王都にふさわしい大聖堂を建てようとなりました。大聖堂とはカトリックの司教の座る椅子のある聖堂のことである。
このノートルダム大聖堂はパリの象徴的建造物として存在していたのだが、18世紀後半にヨーロッパでは理性や思想が尊重され始める時代が到来します。フランス革命の時代です。鐘は溶かされ、内部の彫刻は引き摺り降ろされ、散々な目にあい、1975年には閉鎖されてしまった。
しかしあのナポレオンはこの大聖堂に注目し、1802年にミサ(カトリックのお祈り)を復活させました。そして2年後にはノートルダム大聖堂で戴冠式を行なった。
また作家のヴィクトル・ユーゴは「ノートル・ダム・ド・パリ」の中で聖堂が荒廃しパリ市民の心の支えが失われていることを強く訴えることで、ついに1843年に修築が開始されました。1864年にノートルダム大聖堂は修復が完了した。
大迫力!!正面にある3つの入り口にはそれぞれテーマが設けられており、中央は最後の審判を、向かって左は聖母マリアを、右側にはマリアの母聖アンナをテーマにした彫刻がなされている。
しかし、なによりもこのステンドグラスが一番の見どころ!
ゴシック建築では交差ヴォールト呼ばれる方法が用いられており、これによって壁の面にかかる屋根からの圧力が軽減され、このようなステンドグラスを搭載することが可能になった。もともと暗かった聖堂は、このステンドグラスの導入により陽の光が入り明るくなった。
またこのような放射状のデザインの丸窓を「バラ窓」と呼ぶ。バラは聖母マリアのシンボルでもあり、窓の透過光は処女性のシンボルでもあるのだ。光を神の愛とみなしていたことから、「なにも破ることなく注がれる神の愛」としてステンドグラスから通ってきた光は聖母マリアの処女性の象徴であったのだ。
交差ヴォールトの図
つい先日ノートルダム大聖堂が炎上してしまったことが話題になった。ここまで説明してきて、見どころ!とか言ったけれども修復されない限りはもう訪れることはできない場所となってしまった。
幸いにもノートルダム大聖堂を360度動画で収めたものがある。Oculus Questを購入し、その動画を見てみると本物とまではいかないだろうがその規模感や美しいステンドグラスの景色などを感じることができた。VR世界でその偉大さを知ることで、今回のノートルダム大聖堂の炎上で人類がなにを失ったのか気付かされた。
360度の動画 => https://youtu.be/_4kBntxPUic
Oculus Quest買った人はぜひ見てね