「新しい声を聞くぼくたち」
河野真太郎 著
講談社
変わりゆく時代と世論の中で、人々はどのように適応していけばいいのか。
ジェンダーや性を取り巻く「新しい声」に、多数派に属する男性「僕たち」たちがどう適応するべきかというだけの書籍ではありません。
もちろん新しい声に向き合い対応することは大切ですが、僕たちの中にもさらにグループがあり決して男性とひとまとめにして考えられる問題ではないということを軸にして話が展開されています。
エンタメや映画などを通して男性問題を紐解く書籍です。
正直なところかなり難解な本だった。表紙はとっつきやすそうだったけれど中身はかなりアカデミアに近い印象です。用語などが学術的というか日常触れる機会がないものが多く、メモやマーカーは必須です。
誤解を恐れずに言うのであれば、よく講談社からこのような作品を出版したなと思いました。現状フェミニズムや男女平等の観点から女性の地位向上やサポートなどの議論がされている中、男性の性問題に焦点を当てているのはチャレンジングだなと感じました。
エンタメ商品、鬼滅の刃などのアニメや近年話題の映画などをベースに現実世界の状況を検討すると言う手法をとっています。海外の作品を参照している場合も多く、日本にもそのまま適用できるかどうかは疑問視する部分もありました。著者も触れていますが、、、
注意しないといけないのはフェミニズムに反対して男性を擁護しているわけではないのです。単純な二項対立の構造をすべきではなくもっと細分化もしくは多数派の中の少数派にも考慮すべきという論調かなと思いました。
世論の変化や時代の変化を直感的ではなく、人に説明できるレベルで理解するための手助けとなる書籍でした。
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「オッサンの壁」
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Mr.Children 「GIFT」
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