「10時間編集した動画が全く見られない!」
「配信しても視聴者が増えない!」
「コメントで叩かれる!」
YouTubeを継続することは本当に大変です。
初めは「よし、やるぞ!」とモチベーションに溢れていてもいつしか「あー、めんどくさいなぁ」となってしまいますよね。
しかし、残念なことにYouTubeで成果を出すには「活動の継続」っていうのがもう必須条件になってしまっています。
今トップを走っているインフルエンサー達も、コツコツとした下積み時代を経て今の人気があります。
そこで、今回はYouTubeのモチベーションを上げる3つの方法について幸福学の観点から解説していきます。
これを身に着ければ、YouTubeのモチベーションを上げるだけでなくYouTube以外の仕事のモチベーションも上げることが可能です。
【参考文献】
「幸せ」について知っておきたい5つのこと エリザベス・ダン
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そもそも私たちは、なぜモチベーションが湧かないのでしょうか。YouTubeを本気で伸ばしていくためにも、YouTubeを本業または副業の仕事として捉えて解説していきます。
まずあなたが仕事、つまりYouTube活動のどこに満足を覚えているかを測定してみましょう。
イェール大学のエイミー・レズネフスキー准教授は、人と仕事の関係を3つに大きく分類しました。
「Job(ジョブ)」
-「報酬」のために働く仕事。
「Career(キャリア)」
-「経歴」や「向上している」という実感のための仕事。
「Calling(コーリング)」
-「天職」と感じている仕事。
自分のYouTube活動が「ジョブ」「キャリア」「コーリング」どれに当てはまるのかについて考えてみてください。
最後の「コーリング」、これが仕事を「天職」と感じている人です。コーリングに属する人達は、報酬なしでもこの仕事がやりたいと思う傾向が強いそうです。
コーリングに属する人達がこの分類の中では最も幸福度が高く、ストレスが少なく、集中力が高く、仕事にに取り組めます。
恐らく、ほとんどの人が「ジョブ」または「キャリア」に該当するのではないでしょうか。なかなか「報酬なんて無くても仕事をやりたい」と心から思えるようになるのは難しいです。
しかし、ある方法を使えば、わざわざこの仕事を変えなくても、このコーリングという意識状態に私達はなることができるという理論があります。
その方法とは「ジョブ・クラフティング」というものです。
ジョブ・クラフティングとは、ポジティブ心理学において仕事に対する意識を修正していく理論のことをいいます。言ってしまえば、今の仕事を「天職」だと感じられるようになる技術です。
わざわざ天職を見つけに行く必要はないということですね。
つまり、裏を返せば「僕はちょっとYouTube向いてないんじゃないかな」とか、「VTuberやっぱり向いてないなぁ」と今感じていたとしても、「YouTube、VTuberってめちゃくちゃ楽しいよね」という形で、天職と感じることができるようになるという方法論です。
ではどうすればジョブクラフティングで意識を変容することができるのか。その方法は大きく3つあります。
1.社会的な交流の質や量を修正する。
2.仕事の意義を広げる。
3.仕事の内容に手を加えてみる。
この3つを実践することで、あなたの仕事に対する意識を変容することができます。
1.「社会的な交流の質や量を修正する」
人間は社会的な生き物ですので、孤独に1人きりで仕事をするのには向いていません。
仕事の中で意識的に他者と関わり合うようにすれば、より仕事に対する満足感を覚えやすい、というものです。
YouTubeで言えば、例えばいろいろな実況者とコラボしてみる。または配信で視聴者と密に触れあう。YouTubeのコメントに返信する。ツイッターのリプライにしっかりと返す、またはファンクラブでファンと交流する、などが考えられます。
これは私も経験があるのですが、コラボだったり自分を応援してくれるファンの方とのふれあいって、すごく楽しいんですよね。
こういう活動を意識的に増やすと、YouTubeのモチベーションが保たれるはずです。
2.「仕事の意義を広げる」
これは「自分の仕事の役割を、広い範囲で再認識すること」です。
行動経済学の用語では「リフレーミング」とも言われます。
一つ例を挙げてみます。
あるところに駐車場と空港ターミナルを往復するシャトルバスの運転手がいました。
このシャトルバスは短い距離を往復するだけの単調な仕事でした。にも関わらず、運転手は自分の仕事について、「自分はこのシャトルバスの運転手が最高の天職だ。こんな素晴らしい仕事はない」と感じていました。
なぜそういう意識を持っているのか、この運転手に取材をしました。
すると、その運転手は自分の仕事のことを「自分の仕事は家族同士をつなげる仕事だ」という認識をしていました。つまり自分は「運転手」というよりは「家族同士をつなげる」という仕事をしているのだ。
これはどういうことかというと、シャトルバスを利用してお金を節約することで、より多くの人が旅行に行けるようになると。
だから私の仕事は素晴らしい仕事なんだ、と認識していました。
つまりYouTubeにおいても、「仕事の意義」を広げることでモチベーションや満足度を上げることができるというわけです。
では具体的にどうすればいいか、考えてみます。
「ユーチューバーとは」「VTuberとは」「配信業とは」
これらの仕事が生み出しているものを広く再定義してみましょう。
ゲーム実況の場合だと、「多くの人にエンターテインメントを届ける仕事」と言い換えられますね。
仕事で疲れて帰ってきた人は、ゲームをする時間や体力がない。そのような人でもゲームの楽しさを疑似体験できるようにする非常に高尚な仕事、と言い換えられます。
歌動画を出している人は、音楽の力で世界中の人々に活力を与える。私はミュージシャンなんだ。と再認識できます。
ASMRの配信者の場合は人々に「癒やし」という精神的満足を与える、「リラクゼーション」の時間を届けている。日本の未婚率が上がり少子高齢化が叫ばれている時代において、孤独で荒んだ人々の心を癒しているんだと認識できます。
私の場合だと、実用的な知識をVTuberという体を使い、エンタメ風にお届けすることで「日本の教育水準の底上げ」、「幸福度の上昇」に貢献しているんだ、と再認識してみました。
この「仕事の意義を広げる」、つまり「リフレーミングする」という作業は、別に人に言う必要はありません。
自分がそう思っていればいいので、別に「本当にそれが正しいかどうか」はあまり関係が無く、「自分がどう思うか」は、自分の心の中だけにとどめておくのが一番です。
3.「仕事の内容に手を加えてみる」
これは「今やっている仕事を少しだけアップデートしていく」という作業です。これによって仕事の満足度が上がるという研究結果が出ています。
例としては、ある看護病棟の清掃員が、壁に飾ってある2枚の絵を入れ替えたそうです。
なぜ入れ替えたかというと、毎日同じ廊下を見ていると、患者の人たちの心が退屈する。だから少しでも日常に変化を加えてあげることで、いい影響があるのではないか、と考えたそうです。
絵を入れ替えた清掃員は「自分の仕事とは関係ない作業」でしたので、まさに「コーリング」、つまり、自分の仕事に誇りを持っている人しかできない行為であったと、この行為は解説されています。
YouTubeにおいては、日々動画や配信をアップデートしていくという気持ちが大切です。
「いつもより少しテロップを多くつけてみた」「いつもより5分長く配信してみた」など、些細な変化で自分の仕事の満足度が上昇します。
最後に大切なことをまとめると、仕事は「ジョブ」「キャリア」「コーリング」の3つに分けられます。
「仕事は報酬のため」という「ジョブ」。
「仕事は踏み台である」と考える「キャリア」。
「仕事は自分の天職である」と考えている「コーリング」。
私たちはこのコーリング、「報酬なしでもやりたい仕事」を目指すべきだというものです。
そのために必要なのが「ジョブ・クラフティング」による意識変容。
その方法は、
1、社会的な交流の質や量を修正する。
2、仕事の意義を広げる。
3、仕事の内容に手を加えてみる。
YouTubeに限らず、様々な職種で活用できるテクニックかと思いますので、ぜひお試しいただければ幸いです。