今回はいつもと趣を変えてちょっと真面目な話をしたいと思います。
日本はバブル崩壊後、20年以上にわたってデフレに悩まされてきました。
しかし、日銀の量的緩和とアベノミクス政策によって少しずつですが、日本経済はインフレに転換しようとしています。
日本人は長年デフレの状態に置かれているため、インフレがどのようなものなのか、イメージできない人も多いと思います。
けれど、日本経済が本当にインフレに転換したとすると、これまでの景色は一変します。
インフレ時代はお金儲けのチャンスでもあるが、一気に資産を失う可能性もある危険な時代でもあります。
インフレとは
インフレとは、モノの値段が上がることです。モノの値段が上がるということは、反対に考えれば、お金の価値が下がるということでもあります。
日銀は年2%のインフレを目標としていますが、もしそれが実現すると、物価は毎年2%ずつ上昇していくことになります。
つまり、100万円の自動車が来年には102万円になります。
では再来年には104万円になるかというと、そうではありません。
毎年2%の上昇なので再来年には2%の2%という複利になり、正確には104万400円になります。
この複利の効果が絶大で、毎年2%物価が上昇すると、20年後には物価が1.5倍になります。
インフレになると誰に影響がでるのでしょうか。
インフレの影響を最も受けるのは、資産を銀行預金で保有している人です。
2%のインフレでは、20年で物価が1.5倍になります。
なので、相対的に銀行に預けている人の資産は実質約3分の2に減ってしまうことになります。
2%という穏やかなインフレならまだましです。
これがもし数%というインフレになると、物価は何倍にも上昇します。
事実、太平洋戦争直後、日本は何十倍にも物価が上昇しているインフレを経験しています。
このとき、現金だけで資産を保有していた資産家は、ほとんどの資産を失ったといいます。
つまり、インフレ時代において現金は大敵なのです。
インフレ時に資産を守る基本は、まず現金を保有しないことです。
次にしなければならないのは、物価の上昇に合わせて価格が上がる株や不動産へ投資することです。
同時にインフレとは日本円の価値が下がることでもあるので、外貨という手段もあります。
また、仮想通貨もインフレ対策の手段として考えましょう。
実際に、ハイパーインフレが起こっているベネズエラなどでは仮想通貨の需要が高まっているといいます。
しかし、全ての株や不動産の価格が上昇するとは限りません。
インフレが進むと経済が混乱するので、かえって株が暴落したり、不動産価格が下落したりすることもあります。
ただ、確実に言えることは、株や不動産の価格は、長期的には、物価の上昇を追っていくということです。
長い目で見れば、こうした投資は資産の防衛につながるということになります。
インフレを利用して、資産防衛以上の効果を狙う人もいます。
もちろんリスクはありますが、インフレ時代はチャンスでもあります。
先ほど、株や不動産は最終的に物価の上昇に追いついてくると言いましたが、そのタイミングは同じとは限りません。
投資対象によって価格が上昇するスピードが違うのです。
このタイミングの違いを利用して、大きな利益を上げた事例が過去にいくつもあります。
ピンチはチャンス。
広い視野をもって客観的に物事を見る力を養っていきましょう。