通天閣の展望台にいた時に、日も落ちた。
人のいない寂しげな新世界をふらふらと歩き、そろそろ夕飯食べるところに向かおうかと。
大の仲良しさんが行きたいと思っていたらしい店に行くために、路面電車に乗った。
二駅くらいだったかで降りて、さらに人のいない道路を歩く。
東京で言えば、三ノ輪の辺りに似てなくもない、寂し気で灰色な道。
途中で、友人が、
「周り見ないで」と言った。
ここら辺やばいから、店の中とか覗き込まないでと。
やばいって?
吉原みたいなやばい場所ということのようだったが、自分の大親友が、一時期吉原の近くに住んでいたこともあったし、彼女と南千住や日本堤で飲んだりもしていたので、仲良しさんが、そんな緊張感走らせて注意してきても、自分は
そんなやばい場所なのか??と不思議に思うくらいだった。
到着。
「鯛よし 百番」
ここ?今夜のご飯は。
まず目に入ったのは、虎の屏風と、お風呂屋さんみたいな靴入れ。
静まり返っていた。
店員さんが現れた。インドかパキスタンか?そちらの方の青年かなと思った。
わくわくして、動きぎこちなく、店員さんについて行く。
静かだ。
なんか、すごい、室内装飾・・・
陽明門だ。
陽明門の先は、応接室?
暖簾の先、時代がかってていい感じ。
そっちじゃなくて、こっち、って感じで静かに案内される方に向かう。
気になる天井!
階段を上り、
左じゃなくて、右にぐるっと折れると
個室が並んでいた。
案内された部屋。
この置物、、、解体したお屋敷から持ってきたのだろうかw 外国人が選ぶ日本風のように見えないこともない。
こういうの並べるのって、考えすぎるとできないよな。
隣の部屋の声が凄く聞こえてきた。
元遊郭なのだが、こんなに隣の声聞こえちゃって大丈夫だったのか?
背中側の襖を開けて見て、閉めた。
”たまには やさしい妻と”・・・たまには?!
やさしいなら、毎日でもいいじゃん!
建物や周りは静かだが、隣からは男性の声がする。
でも意識しないと会話の内容まではわからない。
この店は、味はあんまりっぽいと、仲良しさんが言ってから、手を洗ってくると、席を立った。
さっきの店員さんが、静かにやってきて、お通しを置いた。
どこの人かって聞くのは不躾かなと思いつつも聞いたら、「スリランカです」。
お刺身もでたが、味、あんまりなんてことはない、普通に美味しい。
お酒も問題なし。
鍋コースである。すごい盛りだくさんじゃん!
アナゴまであったし。そしてどれも、変な味とかまずいとかっていうのはなく、いまいちって聞いていたのに、美味しかった。
東京の微妙な居酒屋より、ずっといい!
しかも、食事とお酒2杯で、5~6千円。ひとり。
コスパいいではないか。
食べ終えてから、建物見学。
東海道五十三次旅気分か。
客がいなかったので中を見させてもらった。断って。
渡り廊下。どきどき感があって、楽しい。
窓から中庭が見える。
テーマが色々あるようだが、
なんかちぐはぐかんがあって、傷んでいるところも多い。それがなんかちょうどいい。
しかし建物の中に鳥居とか橋とか、お化け屋敷みたいというか・・・
一階の大きな部屋の戸、立派。
違う時代に来たみたい。
こんなお店があるとはね。
後から加えてたであろう部分、寄せ集め的な感じがどうしてもするんだけれど。笑
それもアジア系外国人趣味のような。
大人しいスリランカ人の店員さんは二人いたのだが、最初に案内してくれた一人に見送られて店を後にした。
周辺の写真は撮らない方がいいらしい。