音楽ものや、ドキュメンタリーと来て、
次に目に留まったのは、池袋の新文芸坐の特集。
新文芸坐、知ってたけれど行ったことなかった。
朝10時前に池袋の新文芸坐に近づいたとき、細い十字路周りに、灰色な人のかたまりがあちこち・・・
なんか、怖いっと周りを見回すと、パチンコ屋の開店待ち。
ふと見ると、ストリップ劇場もある・・・
新文芸坐は、パチンコ屋の上にある。お年寄りが朝からぞくぞくと集まって来ていた。
椅子に座ると、なんだか、タバコの煙臭いような気がした・・・
その日に私が観に行ったのは、ショーケンの2本立てで、神代辰巳監督の作品。
恋文(1985年)
(youtubeで動画あったけれど、全編だったので貼る気になれず・・・)
離婚しない女(1986年)
どちらも、倍賞美津子が出てるのだが、異なる性格の女性なので、連続で観ると、不思議な感じがした。
「恋文」は、昔の恋人が死にかけているのを知って、今の妻に別れてくれとかいうところから始まるのは、説明書きで知っていた。その印象としては、どうしようもない男の話か!って感じなのだが、
神代辰巳監督の映画では、ストーリーは枠組み、舞台でしかなく、その中で、登場人物の説明できないような感情の動きが物語。
死にそうだってことを伝えに来た元カノの心情。
どうにもならないけれど、本心を選ぶ男の心情。
許せないけれど、愛してる、女の心情。
母親や自分よりも愛人を選んだ父への子供の心情。
元カノ役の女優が、うわーーーーーーって思う、これはまーーー、男はこういう感じに弱いのかなー 昔の技術だから、フォトショップとか使ってないわけだが、なまめかしさやわらかくそれでいて、百合のような、なんとも可愛い&色っぽい。
倍賞美津子のダメンズぶりが切なすぎるし、ショーケンの、この腹立たしいのか、可愛いのか(ダメンズ好きにはこういうのがやばいんだよね)むかつくけれど、許してしまう、そういう男像。
あらすじ聞くだけなら、ふん、ダメな男と、病気の女、不倫された妻の映画か~くらいなのに、終りの方では、涙涙涙~~~
号泣!
・・・・一人で観に行って良かった・・・
休憩でトイレ行ったら、まぶたまっか・・・
老女がおめかししてきていたのは、ショーケンファンかな・・・・
二本目の「離婚しない女」
また全然違う感じで倍賞美津子が出てくるが、ショーケンはまたしても、女の好意を素直に受け付けない、何を考えてるのか分かりにくい男。
言葉少ないが、時々乱暴。
・・・・今どきだったらモテないかも。言葉少ないだけか、粗野な感じだけならまだしも。こういう、優しそうでほとんど優しくしないような男って、何を考えてるんやら、、とか、北海道って観光的には素敵だけれど、実際暗くて寂しい季節には、いつになったらこの季節が終わるんだろうという辛い気持ちにもなるのだろうかと思いつつ見ていた。
それにしても倍賞千恵子の男性の感じる魅力ってなんなのだろう。自分には色気としては惹かれなかった。美人、確かに周りの一般人に比べたら美人なのだろうが。
「幸せの黄色いハンカチ」は大好きで3,4回見たけれど、あの映画では違和感なかったのに、この映画では、美人奥様役がなんともしっくりこない、、、
でも役として、お人形さん的存在というのをよく表しているとも言える。
この位置に合わないのに、人形のように置かれている、妻。
倍賞美津子はこの映画ではおとなしめで、一貫して水平に進むような役だった。
冷たい海のシーンや、人間関係のどろどろする場面など、
氷の世界の中にふさがれた中で展開する・・・そこに引き込まれる。
簡単に人は死ぬ・・・つまらない狂気で。
こちらも、「台風クラブ」と同様に、短い期間に狭い場所で起きた、なぜそうなったのか・・・と思わせる映画。
説明できないものに動かされる人間像というのかなぁ。
・・・・友達と一緒に行っても、終わった後、感想言い合い難い映画。
どっちも、観て良かった。