どうもこんにちは、タクミと申します。
普段はYouTubeにてタクミナタクミ・チャンネルという名で、
【トレンドに流されない生き方】をモットーに
資本主義経済の観点からこれからのあるべき
【社会】【生き方】【働き方】 について解説をしております。
なお動画は毎週【土・日】にUPします。
本日取り上げるのは〜藤井 保文氏による
「アフターデジタル2 UXと自由」
前回のPart①で紹介をしたように、
これからのアフターデジタルの世界では、
産業構造そのものが大きく変わります。
https://www.youtube.com/watch?v=YQMjrKngnXM&t=4s
そこでPart②の動画では、これらの流れを踏まえてこれからの産業のキーとなる、
ペイメント、MaaS,コミュニケーションの3つ提供している
スーパーアプリについて、中国の巨大テック企業の最新事例を挙げて
その重要性を解説していきます!
最初に結論を述べると次になります。
・アフターデジタルな社会ではスーパーアプリが時代を制覇する
・従来の顧客との接点を持たない伝統的なメーカーの販売型の
企業のビジネスモデルは終焉する・いかに顧客との接点を持ちそこで得られたデータを活用するかが大事
<この動画の流れ>
①スーパーアプリの時代となる
②アフターデジタルの産業構造とは
③まとめ
今日の中国ではユーザーの生活インフラのための
スーパーアプリは既に完成しております。
ですからアプリによって何が実現できるのかが明らかとなり、
これからブランドとデジタルがどのようなUXを提供できるか
といった次のフェーズへ移行しているのです。
これからますますクロスセル・アップセルが広まっていくでしょう。
また別の見方をすると特定の大企業が
プラットフォームを独占していくことが想定されますね。
ただこのようなプラットフォームの独占に対しては、
アメリカのD2Cブランドにみられるようにプラットフォームを介さず、
直接顧客に自社の商品を販売する形態がトレンドであると言えるでしょう。
なおD2Cブランドは単に商品を売るのではなく、
世界観そのものを売るということであり、
これは先に説明をしたルルレモンのように、
顧客とのコミュニケーションを増やしてUXを提供していく企業に他なりません。
このD2Cの特徴に関しては、こちらの本で解説をしております。
これに対して筆者は日本は「ホワイトリスト方式」、
中国やアメリカは「ブラックリスト方式」という
管理体系の違いにあるのではないかと指摘をしております。
前者はやっていいことを決めてそれ以外はやってはNG、
後者はやってはいけないことを決めてそれ以外はOK、
といったい違いによるものであり、
後者の方がやっていいことの自由度が圧倒的に高いので、
日本はその分規制を受けいているような状況にあるのです。
これに対してはアダクさんによるシンニホンという本で、
日本は産業革命時代のようにいつも2番手でのスタートだから、
これから頑張れば問題ないという指摘はあるものの、
インターネットビジネスほど先行者利益のあるビジネスはないので、
今が日本の大企業の岐路を分けているタイミングであると言えるでしょう。
ではアフターデジタルの時代における産業構造は、
具体的にどのように変化していくのでしょうか?
決済プラットフォームを起点して、
サービサーやメーカーはどのような戦略が求められるのかを、
各レイヤーごとに解説をしていきます。
特にメーカーが下請けになりかねないという大きな変化が生じるので、
中国の最新事例を踏まえてメーカーの動向を解説をしていきます。
そこで例に挙げたいのが中国国内のEV市場においてTOPのNIOです。
この自動車メーカーはテスラのライバルともいわれており、
またメーカーがUXをうまく提供していることから
筆者は本書で紹介をしておりました。
モットーとしては「鍵を渡してからが仕事」であるということです。
通常は車を販売したら、つまり鍵を渡したら終了となることをイメージしますが、
この企業は車の販売が成約されて鍵を渡した後こそ、
ビジネスチャンスであると考えております。
具体的には、充電やメンテナンス、
会員向けイベントやECといったサービスを専用アプリを通じて提供し、
単に移動を手段として車を販売するのではなく、
日常生活というライフスタイルそのものをユーザーに提供しているのです。
車自体は600万くらいなのですが、
このようなアフターサービスが充実していることから、
すなわち「高級会員制サービス」をユーザーに提供していると言えるでしょう。
具体的には、
年間約23万円を支払うと、メンテナンスサービスや、
洗車サービス、運転代行サービス、といったアフターサービスを提供したり、
年間約17万円を支払うと、EV車における面倒な充電を
スタッフが自宅に車を取りに来て充電をしてくれるというサービスがあります。
なおこの中でも特に触れておきたいのが、
NIO HOUSEというNIOの会員限定のラウンジを持っていることで、
ここではアプリでためたポイントを基にカフェとして使用でき、
また子供の託児所やコワーキングスペースとしての機能があります。
このようにこれまではメーカーは顧客との接点を
持つのが難しい業態とされておりましたが、
会員制サービスを提供することで常に顧客と
接点を持つことができるようになったのです。
このようにメーカーに代表されるように
物を売るのではなくサービスも売るようになることが、
アフターデジタルの世界なのですが、
これはD2Cブランドにみられるように
その企業の世界観そのものを販売するということです。
単に商品を販売するだけでは世界観を描きずらく、
イベントやアフターサービスなどを通じて顧客と接点を多く持ち
その企業らしさを表現していく傾向にあるのです。
このように世界観が重視されるような時代になると、
筆者は「テスラが販売しているコーヒー豆をテスラファンが購入する」
といったイメージのように、
その企業の世界観を好んでいるユーザーがいれば、
本来であれば全く関係のないビジネスの領域に展開することができるといった
コマースの偏在化が生じると指摘をしております。
ですから顧客からしたら何か欲しい商品をアマゾンで探すのではなく、
これからの顧客は自分が普段愛用している企業にて、
他の企業のものと比較・検討することなく
購入するような流れが生じると言えるでしょう。
顧客からするとわざわざ大量の商品の一覧から選ぶ手間も省けるから便利ですね。
以上がアフターデジタルの産業構造の特徴ですが、
誤ってはいけないのはこのような変化は、
あくまで手段であって目的ではないということです。
いくらデジタルトランスフォーメーションと声高に掲げて、
最新のIT技術を高額で導入したとしても
そのもととなる企業がいかに顧客にUXを提供するか、
ということが一貫して定まっていなければ、
無意味であるということです。
特に昨今では21世紀の石油はデータであると言われているように、
データの重要性がさまざまなメディアで指摘をされておりますが、
それの活用方法を定めていなければ、
それは分析と維持コストのかかるデータにすぎません。
ですからアフターデジタルの世界では、
専用アプリを保有しているかといったテクノロジーの
導入具合やOMOが展開できているか
といった企業都合のデジタルトランスフォーメーションごっこではなく、
ユーザーが楽しい、便利、好きと本当に思っているかどうかの
UXが重要になってくるのです。
つまりこの顧客に対するUXの定義付けこそ、
アフターデジタルの世界の本質であるのです。
なおこれについては、冨山和彦氏による
コーポレートトランスフォーメーションという本でも解説しております。
いつもありがとうございます!