経済産業省では、「ロボット介護機器開発・標準化事業」として、2018年度までの3年間に合計47億円の補助金を支給。
厚生労働省も「介護ロボット等導入支援事業」として、2015年度補正予算にて、52億円を約5000の介護施設に投入しています。
現状、介護ロボットは少しずつ着実に介護現場に浸透しつつあるが、導入後にしっかりつ活用されているかについては疑問が残ります。
普及に至らない原因の1つとして、介護の「アウトカム(結果)」が明確になっていないことが挙げられます。
【アウトカムとは?】
介護施設において、介護の質の評価を行なう場合、設備の規模や内容・人員配置などの「構造」、介護サービスがどのように利用者に提供されたかという「課程」を経て、結果的にどうなったのかをはかるのが「アウトカム」です。
「構造」・・・施設内の設備の規模や内容、人員配置のこと。
「課程」・・・介護サービスがどのように利用者に提供されたかどうか。
「アウトカム」・・・結果的にどうなった評価すること。
①介護の世界はよくも悪くも介護保険の枠組みにしばられている「規制業界」です。提供するサービスが細かく決められ、収入は介護報酬に依存し、研修制度などをはじめ国から手厚い保障があるため現状維持の意識が強い。
②介護の現場は生産性や効率性第一主義ではなく、ホスピタリティがもっとも重要視される。
③施設の上層部、介護職員、被介護者とその家族など介護現場を取り巻くさまざまな人達の思惑が介護ロボット利用にいたるまでの意思決定を難しくしている。
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