話は発散しまくります。鹿威しとビットコインについてお話します。
読後感はすっきりしないかも!?笑
でも!!!読んで!!!!!
昨年のクリスマス、とある研究者がインスタグラムに60秒の動画を投稿しました。
単細胞の膜が破れ、命が溶液に拡散していく瞬間です。
ツイッターでも拡散されていたので、見かけた方もいるのではないでしょうか。
序盤で一旦立て直した感がありましたが、動画終盤はなんだか切なくなります。
"生命"の定義にはいくつか条件があるのですが、そのうちの1つが外界との膜を持つことです。
そうしてみると不思議な気持ちになってきます。なぜ自分は世界に拡散していかないのだろう?コーヒーと牛乳は拡散して混ざるのに?何がエントロピーに勝っているのは何?何が違うんだろう。
生きてるってどうゆうこと???そんな違和感から僕は科学に惹かれはじめました。
・・・生物?複雑すぎるからまず有機化学やるか。
そんなことを思っていると、数種類の液体を混ぜているのに不思議な現象を起こすものがありました。
興味のある方は7分もしくは14分10秒あたりからほんの少しだけ見てみてください。
(見なくても下で説明します)
この動画ではおおよそ3つのものを混ぜます。
1. ヨウ素 (還元剤)
2. でんぷん
3. 過酸化水素 (酸化剤)
です (ほんとはもっといろいろ入ってる)。
還元剤と酸化剤がどうとか細かいことはどうでもいいです。
彼らの関係は以下の塩基 (塩化ナトリウム)と酸 (塩酸)の関係と同じだと思っていてください。
要は劇物 (=エネルギーを持っている)がお互いに反応してエネルギーを放出し、
塩や水などのように安全なもの (=エネルギーを使い終わったもの)になります。
ちなみにこの反応ではでんぷんを中心として、"でんぷんの上で"ほかの試薬が反応して消費されていきます。
さて、上記の動画では、溶液が
透明 ⇒黄色 ⇒紺 ⇒透明・・・・
とリズムを発現するのです。
この場合、先程の単細胞生物のように膜があるわけではありません。
でも、同じフラスコの中で3種類の状態をいったりきたり (=振動)するわけです。拡散して混ざれば中間の色をとって薄めの青にでも落ち着くと思いませんか?
不思議じゃぁ、ございませんか?(あとでまた戻ってくるよ)
無秩序への拡散に逆らう理由を、またはフラスコ内の振動を掘り下げていったら鹿威しに出会いました。
鹿威しでは何が起きているのでしょう?
仕組みはこうです。
1. 竹筒に水が流れる
2. 水が溜まっていく
3. 竹筒の重心が変わり、倒れ、水を吐き出す
4. もとに戻る
このように竹筒が上下に振動し、その時にカコーン、なわけです。
これを高1物理の目線で見てみましょう。明日はセンター試験ですしね!
1. 位置エネルギーを持った水が竹筒に移動する
2. エネルギーが竹筒の中にたまる
3. 位置エネルギーが”仕事”に変換され、竹筒が倒れ、水を吐き出す
4. カコーン (音というエネルギー)
当たり前のことを難しくいってんじゃねぇ!
すいません。次にいきましょう。
エネルギーの移動に着目してみましょう。
鹿威しにおけるエネルギーの移動をまとめるとこうです。
位置エネルギー ⇒ 仕事エネルギー + 音や摩擦による拡散
そして、位置エネルギーは"竹筒"という構造の中を通過します。
その結果、”振動”という現象が発生します。
さて、先程の化学振動ではどうでしょうか?
還元剤 + 酸化剤 ⇒ 反応熱 + 酸素の発生と空気中への発散
ふむ。化学エネルギーはでんぷんを中心とした”化合物同士の反応ネットワーク”の中を移動します。
その結果、振動現象が起こります。
(え?話飛びすぎじゃない?と思われ方、正解です。一緒に勉強しようぜ!?!?)
さて、単細胞生物は?
食べ物 ⇒ 代謝物 + 熱
という風に化学エネルギーを使って生きています。
栄養 (化学エネルギー)は体内の"代謝ネットワーク"の中を移動します。
その代謝ネットワークの結果、発現するのが世界と彼らを隔てる膜であり、命です。
もう一度まとめてみます。
こんな感じになります。
大切なことは、
エネルギーがある構造的制約の中を流れるとき、副産物が生まれる。
ということです。
食べ物も普通に燃やせば、ただ灰になります。
化学試薬も特殊な反応ネットワークを形成できなければ"塩水"になるだけです。
水だって竹筒を通さなければ高いところから落としてもただ床で"びちゃっ"とか言うだけ。風流でもなんでもないです。
でも、代謝ネットワークを、反応ネットワークを、竹筒を経由すると、
膜野郎が、化学振動が、物理振動が"付加的に"発生するのです。
はい・・・します・・・。
ビットコインはどうやって"つくる"んでしたっけ。マイニングですよね。掘るんです。
どうやって?コンピューターを使ってひたすらハッシュ計算をします。
電気エネルギーをめちゃくそ消費して永遠に算数ドリルを解いている感じです。
代入!代入!代入!
さて、ただ代入してるだけでビットコインになりますか?なりません。
代入計算してるだけじゃ、食べ物を燃やしたり、塩水作ったり、打ち水してるのと同じです。必要なのは構造的制約です。
ビットコインの仕組みはゴリラパイセンの解説でも見てください。
制約を設けることで、"副産物"としてビットコインが発生します。
エネルギー消費によるビットコインと生命の類似性はこちらの記事でも指摘されています。
ちなみに、僕がMatrixを好きなのはビットコインのPoWにおいて、ハッシュ計算をMCMC計算というものに置き換えて (=別の構造的制約を加えて)、より複雑なものを作ろうとしているからです。
リプ欄でもごちゃごちゃ言ってますので好きな方は見てください。この太陽の話はすごい好きなんです。
ただMCMC実装するのは、今のペースじゃ早くてもあと1年以上はかかりそうなんで禿げそうです。本気出せこの野郎!!!
いきなり終わります。
エネルギーを消費するだけの世界なら、地球は太陽光で熱せられてるだけの均一なスープのはずです。
でも、世界はこんなにも個性的!!!ァア!!!
仮想通貨にも出会えてよかったです。
個々の話、細部すっとばして書いたのでご要望あればまた別記事とか書きたいなと思います。
最後までお付き合いありがとうございました!