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coinbaseカストディさんから見るカニバリズム

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  • ton
  • 2018/11/04 13:19
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私見です。

上記引用記事は、Coinbaseカストディさんが仮想通貨ファンドをWilshire Phoenixさんと共同で作る、というものです。


CoinbaseカストディさんはCoinbaseさんとは別会社で、カストディだけを扱います。Coinbaseのブランドを活かすことができる分化です。

もともとCoinbaseカストディさんは、Coinbaseさんの一部門でした。その状態でニューヨーク州金融サービス局から正式に適格カストデイァンの認可を受けました。
お上のお墨付きです。
その状態で、別会社になりました。


Coinbaseの冠をつけている通り、全体として利益を出していこうという話なのですが、それなら別に一部門でもよさそうです。
別会社にすることで、会社としてやらなくてはいけないことも増えるでしょう。それではなぜ別会社としたのかを考えてみます。


一般に、
○○会社が大きくなると、東日本と西日本なんて感じで別部門にします。
会社として事務部門は共通してやって、採用等も場合によりますが共通でやって、それぞれ地域に特化したビジネスに専念すればいい感じです。

次に出てくるのが会社として分ける事です。経営学では先の状態を事業部制と言います。会社を分けるとカンパニー制になります。

その目的はいろいろありますが、私は経営の独立性が根本だと思います。すべての責任を追う会社の経営者として、事業部の長ではない経営者として独立する(させる)のです。これにより独立採算制がとられ組織体の一部としてではなく一つの組織として利益を追求します。付随して迅速な意思決定や経営者が育つという効果が見られます。
さらに、独立するぐらいなので一つの会社になるほど大きな事業なのです。それらが複数一つの会社にあれば整理するのが大変です。分社化した側は整理され得た体制での経営を行うことができるらしいです。
(戦略自体は、バリエーションがあった方がいいらしいのですが、パワーバランスを取ったりすることを考えると、分社化した方がいいとのことです。
銀行の合併で出征やポストから、会議の席次に至るまで、いろいろと大変な事は聞き及んでいますが、これは経営者や社風に依るかもしれません。)


一般にはこんなところですが、今回のニュースから、私が感じた別の視点を見てみたいと思います。

それは、一つの企業に成熟度の違う部門が存在することによる利益最大化の機会喪失です。


具体的に説明します。
以下は、coinbaseさんでなく。一般的な例です。
先輩と後輩が会社にいて、それぞれ、投資部門とカストディ部門で部門長になったとします。
投資部門は弱く、カストディ部門は強い状態であるとします。
(先輩がいまいちな人かという推測は邪推です。同じ部門長なので能力はある、とお考え下さい。むしろ今後収益の柱になるかもしれない投資部門の長に抜擢された。)
その場合、投資部門でいろいろと動いていれば、カストディ部門は新しい商品の組成を他企業とやるのはやりずらいのかなぁ?と思うのです。
先輩から「他の企業とやるよりも、この会社として一緒に利益を出そうよ」なんて言われちゃったりして。

客観的に見ると、別の投資案件創出にノウハウのある企業と組んだ方が、その会社全体としてみると利益の最大化になる場合があると思うのですね。
ですが、それを人間関係が邪魔をする。

タイトルで書いたカニバリズムはここでは「共食い」とご理解ください。
一般に経営学でいうカニバリズムは、一つの企業にある製品Aと製品Bが同じ顧客の同じ問題を解決する商品である場合を言います。
自社内でシェアを食い合っている状態です。
今回の場合は、投資部門長の個人的利益と、会社の利益が同じ方向を向いていないという意味で共食いをしています。

なので、こういう場合、カストディ部門は外に出して、案件創出をテンポよく行った方が良いと思うのです。
(投資部門をどうするかはケースバイケースなのだと思います)

coinbaseさんの場合でいうと、投資案件の創出に純粋に人手が足りていないのだと思います。なので、お墨付きをもらい独り立ちできるカストディ部門は一つの会社として、フットワーク軽く動いてもらう、と。
それがcoinbaseさんとしての利益の最大化につながる。

そのように理解しました。


京セラさんはアメーバ経営で有名です。会社内でいろいろなプロジェクトが動いており、それぞれのプロジェクトが独立採算制を取っているのです。
この取引は結構シビアだと聞き及んでいます。
Aプロジェクトで必要な甲部品、社内のBプロジェクトでも作っているし、外部の「いろは会社」さんでもつくっている。外部の方が安い。
であればAプロジェクトは迷わず外部から部品を調達します。
別にね、同じ会社だし、同じ部品だし。Bプロジェクトから買ってもよさそうです。でもそこはシビアに行くのだそうです。
もちろん輸送費等を勘案した結果トータルでのコストです。


以上、別の集団を意図的に作ることによる独り立ちを行い、それぞれが利益の最大化を図ることで全体の利益の最大化を図ることができる、というお話でした。
(実際はきれいにいかない事が多い気がします。それは別の集団に分かれても人の情やつながりがあるから、というのが個人的なイメージです)

Coinbaseカストディさんの場合は独り立ちにより、今回の事が実績となり、今後より一層の投資商品の設立が期待できます。


ではでは

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公開日:2018/11/04
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